活動報告

活動

<アカデミックサイエンス連携講座> 報告

実施日時  11月30日(木)
実施場所  屋代高校3棟2階理科講義室 附属中学校講義室
講  師  横山祐典 教授(東京大学 大気海洋研究所 高解像度環境解析研究センター)Jody Webster 教授 (シドニー大学)
参加生徒  2年理数科(39名)、シドニー研修参加者(10名)、附属中3年(80名)
内  容  
 午前は両先生が揃って2年理数科対象の講義を行い、午後はシドニー研修参加者対象にWebster先生が話していただき、中学3年生対象に横山先生に講義していただきました。
 2年理数科対象には、地球温暖化を題材に、横山先生の大学での研究成果を交えながら講演をしていただきました。COP28で国連までが阻止しようとしている温暖化の科学的根拠は何なのか。様々な方法で世界的に得られたデータを示しながら、生徒と対話を交えながら説明していただきました。実際に観測機で測ることのできない過去の気温や、二酸化濃度については、古文書・木の年輪や海中の珊瑚・南極氷床コアの気泡分析、年代の測定には放射性同位体である炭素14を使うなど、多種多様な手段が用いられていました。二酸化炭素濃度と平均気温の間には確実な相関があり、現在は人為的影響があり二酸化炭素濃度が400ppmを超えていて、過去10万年で最も気温が上昇している危機的状況であることの科学的根拠が示されました。
Webster先生の所属するシドニー大学理学部は、世界遺産「Great Barrier Reef」における調査研究が許されている世界唯一の機関です。Webster先生は英語で講義をされましたが、一部横山先生の研究と重なる部分のサンプルが示されている場面が印象的でした。
<生徒感想>
・大きくは二酸化炭素は悪者かという問いかけでお話をお聞きすることができた。地球上に大気がないとどうなるかなど、研究活動においての過程も参考になりつつ、とても貴重なお話を聞けて、色々考えさせられた。気候変動について、これからも考えていきたい。
・もう少し科学の専門用語の英語を勉強しようと思いました。
・気候変動に関する研究をわかりやすく教えてくださるだけでなく、研究を進める上で大切なことを丁寧に説明してくださって、大変勉強になりました。
・今回の講演では時事話題であるSDGsと、環境をかけてわかりやすく紹介してくださり、興味を持って聞くことができたのと同時に、「なぜか?」を探求することによって新たな発見があるということも質問形式で間接的に説明してくれていたのではないかと感じます。
・貴重な動物性プランクトンが見れてよかったです。海のクレヨンプロジェクトについて調べたいと思いました。

<サイエンステクノロジーコンテスト〉 報告

実施日時  11月12日(土)
実施会場  信州大学理学部(松本キャンパス)
参加者   2年:普通科7名 理数科7名 1年:普通科8名 理数科8名
日  程  10:00~12:00 筆記競技  物理・化学・生物・地学・数学・情報    
13:30~15:30 実技競技  作成、コンテスト
内  容
筆記試験は、理科(物理・化学・生物・地学)、数学、情報の中から、修得した知識をもとにその活用について問う問題で、知識に加えて思考力や論理的な記述力を必要とする内容でした。本年は昨年度より1チーム多くエントリーして望んだが、結果は思うように振るいませんでした。
 実技競技は、理科、数学、情報にかかわる実験、実習、考察など、科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やコミュニケーション能力などにより課題を解決する力を競い合うものでした。そして、1チームを二つに分け、それぞれコンテストを行いました。課題は、段ボール箱・ボール紙を細工し、紙の弾性力を利用して、粘土玉を指定された目標位置に置かれたコップに入れるというものでした。弾性力をいかにうまくコントロールするかが鍵で、生徒たちは苦戦を強いられたようでした。
 総合順位は、筆記・実技それぞれの点数の合計点で決まるのですが、実技点が順位に大きく影響します。屋代Bチームが総合6位と健闘しました(参加校10校 21チーム)。参加された生徒の皆さんと引率された先生方、お疲れさまでした。
  成績
屋代Aチーム 総合13位 (筆記16位 実技5位)
屋代Bチーム 総合6位 (筆記9位 実技3位)
屋代Cチーム 総合13位 (筆記12位 実技14位)
屋代Dチーム 総合18位 (筆記18位 実技14位)
<生徒感想>
・課題にみんなで取り組む経験はあまりなかったので、予想より楽しい時間を過ごせた。また、問題も実生活に関わっているようなもので、難しかったけれど解いていて面白かった。
・私は実技に参加しましたが、制作時間40分の中で、試作品と同じものを作ることが厳しく、粘土をあまり飛ばせず悔しかったので、次回参加する機会があれば、時間内に完成できるものを用意していきたいと思いました。今回の参加は、とても良い経験となりました。
・初めて参加しましたが、チームで協力し合って問題を解いたり、実技試験に取り組めたりして、とても楽しい経験でした。生物の問題は難しかったので、勉強してもっと解けるようになりたいと思いました。
・協力してテストを解くという経験が初めてで楽しかった。実技で、他の学校の装置を見ることで思いつかなかった考えを見れて面白かった。来年は表彰されるよう頑張りたいし、また参加したいなと思いました。
・みんなでアイデアを出しあって、ものを作るのが楽しかったです。とても良い経験になりました。

<アカデミックサイエンス実習> 報告

実施日時  11月2日(木)
実施会場  上越科学館 糸魚川フォッサマグナミュージアム・ジオパーク
講  師  永井克行氏(上越科学館 館長) 郡山鈴夏氏(フォッサマグナミュージアム)
参加生徒  2学年理数科(39名)
内  容
上越科学館 (サイエンスショーの見学・実験室での体験実験)
サイエンスショーでは、酸化・燃焼の実験で、物が燃えるには酸素が必要という、ごく初歩的なテーマを取り上げて、大きな丸フラスコに酸素を入れ炭素を燃焼させる実験や、二酸化炭素から酸素を奪って燃焼するマグネシウムのドライアイスのランタン実験、最後に水素爆発の実験を行いました。歓声の上がる実験で締めくくる科学ショーを体験した後、4人1班で過冷却水とアルミ缶の中でダイヤモンドダストを発生させて観察する実験を行いました。
フォッサマグナミュージアム(講義・館内展示見学・構造線見学)
フォッサマグナ形成・糸魚川構造線などについての講義をしていただいた後、館内の展示物の見学をしました。次にバスで移動し、約1時間をかけて、溶岩の流れや糸魚川-静岡構造線の断層等を実際に見学しました。
<生徒感想>
・とても楽しかったです!学校で学ぶだけではなく、外に出て実習を行うことがとても良いなと思うので続けて欲しいです。ありがとうございました。
・実験や観察等で自分の予想とは違う時に新しい発見があり、良い学びとなった。過冷却水の実験では失敗したけれど失敗から学ぶこともあった。今回の学びをこれかにも繋げていきたい。
・フォッサマグナミュージアムで実際に色々な鉱物の結晶とか紫外線によって光る色が変わる石を見ることができたのでとても興味が高まったし、フォッサマグナでも土とかを触って粘土みたいになってるのも分かった。見学時間とかが短いと思ったからもう少し伸ばしてほしい。

<バイオサイエンス特別授業> 報告

実施日時  10月10日(火)
実施場所  屋代高校附属中学校講義室
講  師  中村浩志 先生
(信州大学名誉教授 ・中村浩志国際鳥類研究所代表理事 本校OB)
参加生徒  1年理数科(41名)、シドニー研修参加者(10名)、附属中2年(80名)
内  容  「長野県の希少鳥類の生態と保護」
 中村先生の千曲市での幼少期の経験、高校生時代には考古学や発掘に夢中になっていたことから始まり、研究者としての経験を話してくださいました。カッコウの研究では、ScienceやNatureに掲載されるような新発見をされたこと、恩師の研究を引き継ぐ形でライチョウの生態を研究されてきたこと、生態を理解したうえで保護活動を行ったために、長野県でのライチョウの個体数を増加させることができたこと等を話していただきました。
 高校生対象の講義では、質問の時間が取れて、資金面の話や舞台裏の話まで答えてくださいました。中学生でも理解しやすい内容ではありましたが、お話の裏には多くの苦労や秘話が隠されていると思いました。
<生徒感想>
・今回の講演を受けて、絶滅危惧の野生動物を救うには早めに手を打つことが大切だと分かった。
・今まで自分があまり関わってこなかった分野の講義だったので、初めて知ったこともあってとても面白かった。そして、先生の行動力もすごいと思ったし、自分も大学生になる前までに色々な経験をして、何かのきっかけになればいいと思った。
・もとから生物には少し興味があったのでとても楽しみにしていました。雷鳥が絶滅危惧種だということは知っていたけれど今日の講演を聞いて思っていたよりも危機的状況だった事がわかりました。
・検証のところではすごい面白く感じ将来自分のやりたいことを早く確立させたいと思いました。
・あんまり鳥について興味はなかったけれど今回の話を聞いて少しだけ興味を持った。自分の知らない世界がまだ広がっているんだなと思ってもっと色々知りたいと思った。
・鳥の習性について知ることができた。興味のもったことに対し長年探求し続けているところがすごいと思った。私も見習っていきたい。
・ライチョウが減ってしまっているのは元はと言えば地球温暖化が原因で、人間のせいだから、人間が救うのは絶対に必要だと思う。とても興味深い内容だった。

<ミニフォーラム> 報告

実施日時  9月29日(金)17時~20時
実施場所  屋代高校地学教室 天文ドーム
講  師  高橋英則 先生
(東京大学大学院理学系研究科 天文学  
教育研究センター ・木曽観測所)
参加生徒  シドニー研修参加者(10名)、
天文班員(12名)
内  容
 7月の「星の教室」で2年理数科がお世話になっている東大木曽観測所より、高橋先生をお招きして、SSHサイエンスミニフォーラムを開催しました。お話は、イントロダクション(木曽観測所の紹介、チリのアタカマでの南天)に続いて、南半球での実習案の提案(南半球の星座・プロキシマケンタウリを撮ってみる・星を使って地球の大きさを測る・マゼラン銀河観察・ふたご座流星群カウント・地磁気の伏角偏角を測定)、そして機器の使い方(カメラ・ポータブル赤道儀)という順に、丁寧なスライドで説明していただきました。高橋先生ご自身がチリの天体観測を行っており、実体験に基づいたお話はとても興味深く、3時間はあっという間に過ぎてしまいました。少し曇っていましたが、大きな月も見ることができました。
 受講者については、今回はシドニーでの実験の話をメインに行ったので、シドニー研修参加者と天文班に限って行いました。天文班はこの後に合宿を行いました。
<生徒感想>
・天体知識だけでなく、天体撮影についての説明があったのがとても良かった。
・ふたご座流星群など⚪︎⚪︎座流星群という名前がどうして星座の名前がついているのか不思議に思っていたので知ることができて良かったです。
・普段はそんな気にすることもなく生活していたのでそのなんでこんな写真が撮れるのか?などわかったことがたくさんあるので、それを生かしてシドニーでもとってみたいです。
・長野とシドニーのそれぞれの見える星の範囲や、見え方の違いが分かり、いつか南半球でも星を見てみたいと思った。星雲や流星群のしくみをより詳しく知ることができ、理解が深まった。今後の観察にも大変役立つ講演となり、良い経験となった。

<バイオサイエンス連携講座> 報告

実施日時  9月19日(火) 25日(月)
実施場所  長野県総合教育センター(塩尻市)
参加生徒  高校1年理数科
内  容
次の4種類の実習を2日間に分けて実施しました。
① 茎頂観察とバイオテクノロジー技術
  組織培養を想定して茎頂組織を摘出し、その様子を顕微鏡で観察し、茎頂部分の写
真を撮ってその画像を使って長さなどを計測しました。
② 電子顕微鏡を活用したミクロ探査
光学顕微鏡では観察することが難しい、ミクロの世界に触れました。
③ モーションキャプチャ技術とアニメーション制作
  映画やスポーツ工学の分野で広く使用されているモーションキャプチャ技術を
体験しました。前半は、フリーソフトウェアのMikuMikuDance(MMD)を使用し、
PC上のキャラクターを動かし、後半はkinect360を使って、自分たちの動きを
データ化して動画に落としこむモーションキャプチャ技術を体験しました。
④ ドローンプログラミング
     基礎知識を習得した上で、初心者向けのプログラミング言語「Scratch」を使用し、ドローンの制御と操作を行いました。

<生徒感想>
・今回の実習で、普段あまり触れることができないミクロの世界やテクノロジーに触れることができました。これからの生活に活かしていきたいです。
・科学について色々なことを体験したことで、興味が前よりもより高まったし、とても楽しい経験もできて良かった。将来やりたいことがまだしっかりと定まっていなかったので、今回教わったことも参考にしながら、進路にも役立てたいと思った。
・学校の授業では触れることのできない機器などを使ったりより専門的な学びができた。この学習を通してもっと知りたくなったことや興味が湧いたことを自分でも調べてみたい。

<マスフェスタ> 報告

実施日時  8月26日(土)
実施会場  大阪府立大手前高等学校
参加生徒  2学年理数科 2名
内  容
全国から多数の高校生が集まり、数学に関する生徒の取り組み(課題研究、部活動等)の研究発表を行うことによって、お互いの数学に対しての興味関心を高めるとともに、それぞれの研究内容をさらに深めようというマスフェスタです。今年も本校から課題研究班が1つ参加しました。本校課題研究の発表テーマ「ノイズキャンセルの新しい形」
 生徒自身が発表をする過程で、自分の理解があいまいな点や課題等に気づくことができました。また、何回か発表する中で、発表の仕方や内容を整理し、より分かりやすい発表をすることができました。
会場では、日頃から数学に興味関心がある生徒や、大学教授から質問や意見をもらうことにより、課題研究をさらに深めていくきっかけとなるようなアドバイスをもらえました。また、全国の数学好きの生徒たちが集まる発表会なので、とても良い刺激を受けることができました。
<生徒感想>
・午前中はどこが要点かわからなくなる発表になってしまったが、後半ではもらったアドバイスを活かして、わかりやすい発表ができたと感じたのでよかった。

<課題研究・課題探究 中間発表会> 報告

実施日時  8月26日(土)8:30~12:00
実施会場  第2体育館(開閉会式)・多目的教室・2棟の各教室
助言者  赤地憲一先生(屋代高校同窓会)、村松浩幸先生(信州大学教育学部)、
森山徹先生(信州大学教育学部)、樽田誠一先生(信州大学工学部)、
太田哲先生(信州大学理学部)、秋葉芳江先生(長野県立大学)、
内海重宜先生(公立諏訪東京理科大学)、市川進之介先生(長野電子工業)、
飯島稔先生(千曲市立上山田小学校)、
塚田武明先生(長野県教育委員会学びの改革支援課)
内  容
高校2年生が各会場に分かれて、課題研究・課題研究として取り組んできた探究の内容をポスターセッション形式で行いました。当日は授業公開日でしたので、一般の方(保護者の方)も多く見に来られました。県内の他の高校からも、関係の先生方が見に来られました。
会場は、アカデミックな雰囲気に包まれ、ポスターの前で熱心に説明する生徒達と、それを頷きながら感心して聴いて、時に質問や助言をしてくださる聴衆の方々が居ました。
今年度は、なるべく多くのフィードバックが得られるように工夫して開催しました。助言者の先生方からは、ほぼすべてのグループにアドバイスをいただきました。探究活動はこれから先、3年生になっても継続して行われます。今回の中間発表で頂いた助言を生かして、さらに深まった研究にしていってください。
<生徒感想>
・大学教授や校長先生からの助言を頂くことができ、今後の研究において重要になってくる部分を認識することができた。また、その中での課題を見つけることも出来たので、解決策を考えていきたいと感じた。ポスターセッションでは、他の班の研究の成果を聴いたり、同年代の様々な視点を見つけたりすることが出来た。今後の研究に活かしていきたい。今回の貴重な経験を生かし、発表の面でも向上していきたいと思う。
・仲間と意見を出し合いながら、今日に向けて課題探究を進めることができた。他のグループの発表を聞くことで、私たちの今後の活動に生かせることを沢山発見できた。また、助言者の先生方にアドバイスいただいたこと、ポスターの書き方や発表の仕方などを改善してより良いものにしたい。ポスターセッションで発表することは緊張したが、興味を持ってくれたり、感想を伝えてくれたりする方が多くいて、私たちの活動を伝えられてとても楽しかったです。
・大学などからきてくださった助言者の方達に意外にも屋代の先生の意見も聞けて良かった。
特に金井先生が大学生時代に御伽噺について調べていたということで、とても参考になった。

<野外観察実習> 報告

実施日時  8月24日(木)
観察場所  上高地コース(2、6組) 戸隠化石採集コース(7組)
乗鞍高原コース(1、5組) 志賀高原コース(3、4組)
参加生徒  屋代高校 1年生全員
内  容
 今年も1学年全員で実施しました。各コース、専門的なガイドさんに多くついてもらい、サポートしてもらいました。主な見学・実習場所は下記のとおりです。
屋代高校SSHでは、普段の教室内での学習だけでなく、実習・実験・体験活動に基づいたプログラムを大切にしています。このような自然観察実習を、学年生徒全員で行うプログラムは全国的にも珍しく、屋代高校SSHの特徴でもあります。
引率された先生方、参加した生徒の皆さん、大変お疲れさまでした。
上高地コース:風穴の里、上高地ビジターセンター、実習(上高地)
乗鞍高原コース:風穴の里、乗鞍自然保護センター、大雪渓見学、実習(乗鞍高原)
志賀高原コース:実習(前山リフト~四十八池)
戸隠化石採集コース:戸隠露頭観察、地質化石博物館
<生徒感想>
・(上高地)植物の名前や上高地の歴史などのことが知れたので良かった。歩くのは疲れたけど森林を感じられることができた。
・(上高地)上高地に初めて行けて、沢山の自然や生物を実際に見ることができて嬉しかったです。上高地に生息する生物の詳しい説明を聞いて、とても勉強になりました。自然は長い年月をかけてつくられていくことを知れたし、素晴らしい景色を見ることができてよかったです。
・(乗鞍)ガイドの方から乗鞍高原の野生動物や植生、歴史など様々な分野についてのお話を聞いて、山への関心がより高まった。また、山に行く際にも役立つお話をしてくれたので良かった。今回学んだことを思い出しながら長野の色々な山に登ってみたいと思った。
・(乗鞍)乗鞍のような大自然と触れ合う機会がなかなかないので、本当に貴重な時間でした。長野県の生物

<アカデミックサイエンス 信州大学工学部実習> 報告

実施日時  8月9日(水)
実施会場  信州大学工学部 E2棟(AICS)2Fセミナースペース他、各研究室
参加生徒  高校2年理数科、オーストラリア研修参加者
内  容
オープニング(開会あいさつ等)に続いて、本校理数科の生徒による課題研究の中間発表会が行われました。大学の先生方や大学生の前で、研究を始めた動機や、今困っていること等を3分~4分でまとめ、多くのアドバイスをもらいました。
その後は、5つの学科(研究室)に分かれて、実習を行いました。各学科の講座名は次の通りです。
① 物質化学科「水をキレイにする化学」
② 電子情報システム工学科「光で測る生体信号 ~心拍数を測る装置を作ってみよう~」
③ 水環境・土木工学科「測量実習体験 ~人が入れない場所の高さを間接的に測ってみよう~」
④ 機械システム工学科「デジタルの技を利用して「ものづくり」をしよう!」
⑤ 建築学科「木造建築の伝統的な継手・仕口を作ってみよう!」
どの講座も、入念な事前準備をしてくださり、TAの大学生・大学院生もおられて、丁寧に教えていただきました。最後には閉講式として、各講座の内容を皆で共有しました。
<生徒感想>
・中間発表では、これからアドバイスを参考にしていきたいと思う。電子情報学科では、1から回路を組んでそれが実際に使えるのを確認できて楽しかった。
・体験会では、「水をキレイにする化学」を受けたが、活性炭による吸着機構やチタン酸ナトリウムによるカチオンの補足・交換等を知ることができ、今回の実験でどう働いたか考えることができ面白いと感じました。 また、このような機会が次回またあれば課題研究について相談する時間を長くとって頂きたいと感じました。

<東北サイエンス・つくばサイエンスツアー> 報告

実施日時  7月31日(月)~8月2日(水)2泊3日
実施会場  東日本大震災・原子力災害伝承館、東北大学工学部、筑波実験植物園、森林総合研究所、筑波宇宙センター
参加生徒  1学年29名、2学年11名 計40名
内  容
(1)東日本大震災・原子力災害伝承館訪問
福島県立福島高等学校の生徒の皆さんとともに語り部の方の講話をお聞きしたのち、伝承館内を見学しました。語り部の方の「建物などかたちあるものを失った悲しみは再建に向けて努力すれば2、3年で解消できる。しかし、人間関係など、目には見えない大切なものを失ったものは取り戻すことが難しく、喪失感が年々大きくなっている」という言葉は、被災したすべての人々の気持ちを代弁したものであり、生徒たちの心に残ったようでした。伝承館は震災発生以前の福島第一原発の完成から時系列で展示物が配置されており、震災の事実、復興の現状・課題を追体感できる内容になっていました。
(2)福島県立福島高等学校との交流会
前半は2グループに分かれ、各校の課題研究ポスターの見学を行いました。それぞれが興味のあるポスターに集まり、研究者の説明を聞き、意見交換を行いました。
後半は福島高校、屋代高校の生徒で混合のグループを10班つくり、「災害の記憶の伝承はどのようにして行うべきか」をテーマにディスカッションを行い、最後に全体共有を行いました。初対面でも各校の生徒はすぐに打ち解け、伝承館見学の内容も踏まえて活発に意見を交換し合いました。震災当時は幼かった世代ではありますが、震災を他人事のように扱わず、一人一人が考えて後世に伝えていく重要性を認識することができました。
(3)屋代高校OBとの交流
屋代高校卒業生の3名の先輩との座談会が行われました。大学生の自己紹介の後、3グループに分かれ、交流しました。高校生の質問に答える形で進められ、勉強方法や勉強のスケジュールなど積極的に先輩に質問していました。
(4)東北大学工学部訪問
東北大学工学部は5つの学科から成り、学科内もさまざまなコースに分かれています。はじめに中村肇教授(入試広報)から東北大学工学部の全体についてご説明いただいた後、以下の3学科について、それぞれご説明、ご講義いただきました。
① 電気情報物理工学科:中村健二教授(屋代高校OB)からモータ・発電機の高性能化に関する研究、特にトルクやエネルギー効率の良い非接触磁気ギヤについてご講演いただいた。また、大学入試に関する情報、研究室の情報も説明いただいた。
② 化学・バイオ工学科:青木秀之教授から噴霧燃焼のメカニズムや噴霧塗装の制御因子に関する研究についてご講演いただいた。工学の効率化を支える新しい技術を化学的な視点から探究する「化学工学」の世界を紹介いただいた。
③ 材料科学総合学科:小原良和教授から材料科学総合学科についてご説明いただいた後4グループに分かれて各研究室を訪問した。屋代高校OBの大平拓実さんが在学中に投稿した論文を紹介していただいたり、強大なプレス機で金属の加工を行う様子を間近で見せていただいた。
生徒は大学の授業を体験でき、研究について興味を深く聞いていました。また、学食で食事をとったり、研究室で大学院生に研究室での生活を伺ったり、前日の屋代高校OBとの交流会も合わせて、大学進学への意識づけとなりました。
(5)筑波実験植物園
国立科学博物館が植物の研究を促進するために設置した植物園で、生きた多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進しています。奥山雄大研究員より、埼玉県越谷市原産で野生下では絶滅してしまったコシガヤホシクサの保全と野生復帰に向けた取り組みを例に植物園の取り組みをお聞きし、植物を収集保全することの意義を教えていただきました。
あらゆる生物が生物多様性の中に身をおき、他の生物の存在なしに生きることはできません。とりわけ人類は、他の生物よりもはるかに多くの植物より恩恵を受けており、人類が将来も生き続けるために、植物の多様性を知る・守る・伝えることが大切です。園内の様々な貴重な植物を観察することで、生徒たちも植物、ひいては環境を保全することの意義を感じることができたと思います。
(6)森林総合研究所見学
久保山裕史博士に「日本林業の過去、現在、未来」と題して講演いただいた。1960年代からの日本林業を振り返りながら、国産資材が海外産資材に押されてしまっている現状と、今後はどのような展望が望まれるのかを伺いました。
高山範理博士には「森林浴からデジタル森林浴へ」と題して講演いただいた。森林浴の効果について、実験データ(免疫活性効果、心理的回復効果)をもとに分かりやすく説明いただき、今後どのような発展が見込まれるのかを伺いました。全国的にも森林サービス産業が発展しており、森林浴の聖地と呼ばれている長野県。生徒たちにとって資材源として以外の森林の価値、ひいては故郷の長野県の魅力を認識する良い機会となりました。
(7)筑波宇宙センター
展示館「スペースドーム」を見学しました。人工衛星や本物のロケットエンジン、日本実験棟「きぼう」の実物大モデルなどを間近に見学し、ロケット広場ではH-IIロケットの実機をバックに記念撮影を行い、ロケットの実寸の大きさを実感しました。
半世紀以上の歴史をもつ日本の宇宙開発を身近に感じ、現代の宇宙工学の発展を実感することができました。また、実物の人工衛星やロケットエンジンを見ることで宇宙への興味や関心をさらに深めることができました。
<生徒感想>
・福島高校との交流では、違う県の子達と意見を交わして自分の視野を広げるいい機会になった。東北大学では大学の研究などを見してもらい、あまり沸いていなかった大学へのイメージがついたし、筑波では、貴重な植物や、森林についてや宇宙について知る事ができた。ここまで貴重な体験が出来る事はできないので、機会があれば来年も参加したい。
・自分の進路(やりたいこと)をもっと深く考え、より真剣に自分の将来を考えなければと感じた。また現地の人と直に話を伺うことで、大学の生活の様子や受験でのあるべき態度を学ぶことができた。自分の中で大切な研修になりました。
・初めてのオープンキャンパスで、分からないことも多くありましたが、専門的なお話をたくさん聞くことが出来て、貴重な経験ができたと思いました。福島高校との交流でも、災害について深く両校共に考えることが出来たと思うので、良かったです。充実した3日間を過ごすことが出来ました。ありがとうございました。

<科学に親しむ教室> 報告

実施日時  7月28日(金)
実施会場  戸倉創造館
参加生徒  屋代高校 2年生4名、1年(理数科)5名
参加児童  小学生(1-6年生)16名 および 保護者8名
実験内容  ①お花の色が変わるよ
②炭酸水を作ろう
③割れにくいシャボン玉
④ろうそくが燃える仕組み
内  容
今年は、高2の課題探究グループ「子供たちに科学の楽しさを伝えたい」の生徒達を中心に内容の企画と当日の進行を実施しました。小学生に指導する貴重な機会として、理数科1年生および高3生にボランティアを募り、1年生5名が参加しました。
事前準備として、6月に戸倉創造館を訪ねて使用する部屋を決めるなど打ち合わせを行ったほか、夏休み前最終日の放課後を利用して、探究グループとボランティアの打ち合わせも行いました。
 当日は、小学生3,4名と保護者数名のテーブルを5つ作成し、探究グループがスライドを投影しながら進行しました。各実験のちょっと不思議な内容を体験してもらった後に、小学生に分かりやすいようにスライドで説明しました。子どもたちは、問いかけに元気に答えながら、楽しい雰囲気の中で実験を行いました。「シャボン玉はなぜ下に落ちていくのか」など、よい質問が低学年の児童からいくつもでてきて感心しました。それに対して「口から吐く空気は、この辺の空気より少し重たいので落ちていきます」など、小学生が納得できるぐらいの返答ができており、しっかり対応することができました。
<生徒感想>
・科学に興味のある子供が多くいて、「どうしてそうなるか」という疑問に答えるために自分の知識をもっと増やすべきだなと感じました。また、実験をするときの説明書(分量が書いてある紙)で思ったことがあって、過程が書かれていなかったり写真がなかったりして、家庭で実験をしようと思ったときに分かりにくいのではないかと感じました。
・子どもたちが積極的に発言して協力してくれたり、楽しんで実験したりしている様子を見ることができてよかった。科学の楽しさが子どもたちに伝わっていく様子が実感できた。
・2年生の先輩方の、子どもたちを楽しませたいという気概を強く感じ、今回の企画のために細かい部分まで準備してくださっていることが、凄いなと感じました。今回はサポート役としてお手伝いさせてもらったのですが、子供たちが楽しそうに実験をしている姿を見て、私も楽しむことができましたし、科学の楽しさや、面白さを改めて実感することが出来たので、良かったです。このような企画に参加させて頂きありがとうございました。

<アカデミックサイエンス 東大木曽観測所実習「星の教室」> 報告

実施日時  7月13日(木)~14日(金)
実施会場  東京大学木曽観測所
参加生徒  高校2年理数科
講  師  東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
       助教 高橋 英則 氏   
助教 新納 悠 氏
京都大学理学部 学部2年 大平 達也 氏(TA)
信州大学理学部 学部4年 渡邊 一樹 氏(TA)
内  容
「寝覚めの床」見学
1日目
 ① 講義
 ② 構内見学(105cmシュミット望遠鏡の見学)
③ 実習1 「視角をつかって距離を測る」
④ 実習2 「銀河までの距離を測る」
⑤ 実習3 「宇宙の年齢を求める」
2日目
⑥ 発表会(Googleスライドを用いたグループ発表)
⑦ 講評
  コロナ禍では3年間、屋代高校開催が続きましたが、今年は4年ぶりの現地開催となりました。
木曽観測所へ向かう途中に立ち寄った「寝覚めの床」では、北信地域では見ることのできない、花崗岩の白い河床と、その花崗岩に発達した節理を観察することができました。
  木曽観測所での「星の教室」では、「宇宙の年齢を求める」をテーマとし、講義、実習、グループディスカッション、発表会を実施しました。また、観測所の誇る巨大望遠鏡も見学させていただき、その大きさに圧倒されました。
宇宙の年齢は、最終的には非常に単純な計算によって求めることができます。しかし、その単純な計算に到達するまでには、データを収集・分析・解析したり、論理的に前提条件を定めたりする必要があり、どのグループも非常に活発な議論が夜遅くまで交わされました。発表会では、各グループの熱論の成果を、模式図やデータなどを活用したスライドで伝えることができました。結論はどのグループもほぼ同じものとなりましたが、それに至るプロセスや理論は様々であり、グループごとの色を感じられました。講師の先生方やTAの方々に親切な助言をいただきながら過ごした2日間は、大学での学びを先取りするようなもので、生徒たちにとって非常に新鮮で、刺激的なものでした。
<生徒感想>
・宇宙は未知の世界で、基礎知識がゼロからのスタートだったが、班で協力して1つの難問に向き合うことができてよかった。研究というとのがとういうものなのか実感でき、とてもいい機会になった。
・ただ答えを出すだけでなく、そこに行き着くまでの過程を考えるのが難しかったけど、グループの人と話し合ってたり自分で疑問に思ったりしてどんどん考えをふくらませていくのがとても楽しかったです。
・天候の不都合もあり、夜に星を見られなかったのは残念だったが、貴重な体験ができた。さまざまな考えがありおもしろかったし、勉強になった。研究のうえで、論理的に考える力が身についたと思う。
・宇宙の広がり方、銀河の動き方において様々な考えを出し合ったり聞いたりすることができ、とても面白い実習でした。今後も宇宙の形や広がる向きについて思考を重ねていきたいです。

<SSH 統計講演会> 報告

実施日時  7月5日(水)
実施会場  中学棟講義室(中学1年生)・2棟パソコン室(高校1年理数科)
講  師  茨城大学教育学部 教授 小口 祐一 先生

内  容
  「ICTを活用した統計的探究-統計グラフコンクールの重要ポイント-」という演題でご講演いただきました。統計グラフコンクールなどに出品することを目標として、具体的な入賞作品を通してデータの収集方法やデータ分析の手法PPDACサイクル(Promblem,Plan, Data,Analysis,Conclusion)についての解説を受けた後、昨年度のコンクールの作品を見ながら、作品の良い点や修正した方がいい点などの解説をしていただきました。統計グラフコンクールの応募への動機づけになりました。(ここまでは、中学生・高校生共通の内容)
その後、高校生はSSDSE(教育用標準データセット)のエクセルデータファイルを用いて箱ひげ図やヒストグラムを作成、分析する演習を行いました。エクセルで簡単にグラフを表示できること知るなどパソコンソフトを使うことにより、簡単にデータの分析ができることにびっくりしながら、楽しく演習に取り組めました。
<講師より>
高校生の皆さんは、統計グラフコンクールへ強い関心を持って参加していただきました。自分でデータ分析をする際には、友だちと話し合って正しいグラフ表現ができるまで粘り強く取り組む姿が印象的でした。
中学生の皆さんは、統計グラフコンクールの優秀作品を丁寧に鑑賞して、自分たちはさらに良い作品を作ろうとする意気込みが伝わってきました。初めて見るグラフからもデータの特徴を的確に捉えていました。
屋代高等学校、附属中学校の生徒さんが、統計グラフコンクールに全力で取り組み、統計的探究の力をさらに伸ばしてくれることを楽しみにしております。とても充実した時間をありがとうございました。頑張ってください。
<生徒感想>高校生
・Excelの凄さがよく分かりました。データを統計するときにものすごく便利だと学んだので、一人一研究にも活かしたいと感じました。
・グラフを使って整理することで分析がしやすくなることがわかった。用途によってグラフを使い分けれるようにしたい。
・データがグラフコンクールや一人一研究などでどのように使えるのか学ぶことができた。Excelを使った計算方法やグラフの出し方も今まで知らなかったのでこの機会で使えるようになれてよかった。一人一研究などを通して実際に自分のテーマにあったデータを使っていけるようにしたい。

<生徒感想>中学生
・今回の講習で、ppdacサイクルを実際に使ってまとめている作品を解説付きで見れたので参考になった。また、4つのグループに分けて考えているところが良いなど、どんなところが評価されたのかなども知れたので良かった。効果的なグラフの種類を教えてもらえたのが作るのにあったって参考になった。
・統計グラフコンクールでは適切なグラフを使いたいです。ひと目見てわかりやすいような物を作りたいです。

<科学の教室(理数科展)> 報告

実施日時  7月1日(土)・2日(日)
実施会場  3棟3階理科実験室
参加生徒  理数科1・2年生
実験内容  ・ホットアイス、酢酸ナトリウムを用いた再結晶
      ・疑似火山
      ・偏光板を用いた実験
      ・八重かざぐるまの原理とプレゼント
      ・液体窒素の実験
      ・化学マジック~暑い夏に涼しい実験を~
      ・バスボム作り(子どもたちと一緒に)
内  容
今年の鳩祭は、入場制限などは行われず、外部からの来客者が多く来校されました。科学の教室(理数科展)はその中の一つのイベントとして行われました。冷房をかけながら窓も開け、換気に十分気を使いながら、満員の観客たちを感心させたり、驚かせたり。子どもたちにはプレゼントがあり、バスボムを一緒に作る企画も大うけでした。これで本校理数科を目指してくれる子が増えると良いなぁと思います。本校理数科の生徒達が、実験・実習を多く行っていて、科学大好きであることは間違いなく来客者に伝わったと思います。指導された先生方もお疲れさまでした。

 

WENONA高校との交流会(オンライン)

実施日時  6月6日(火) 13:40~15:40
実施会場  屋代高校 多目的教室
参加生徒  高校3年理数科 15名
講  師  アリーシャ・トンプソン先生 WENONA高校
(WENONA高校側は高3生8名程度、高1生8名程度の参加)
      信州大学工学部教授 デイビット・アサノ先生 
内  容
  コロナ禍でも続けてきたこの取り組みは、今年で3年目となりました。
この日に先立ち、3年7組は5月9日(火)5,6限、探究の時間を利用して、課題研究の口頭発表会(10グループ)を英語で行いました。発表後に、スライドの分かりやすさ・聞き取りやすさ・熱意などを相互評価して、上位3グループをWenona校とのオンライン交流代表としました。
WENONA高校はオーストラリアシドニーの女子校で、STEM(科学技術や数学)に力を入れている幼・小・中・高の一貫校です。今年は、4番目に評価が高かったグループに日本、長野県、屋代高校の紹介プレゼンテーションをしてもらいました。代表生徒達は放課後などに本校英語教員(ネイティブ)等と練習を重ねて当日に臨みました。また、今年度は信州大学のデイビット・アサノ教授にアドバイザーとしてオンラインで参加してもらいました。
当日は、接続チェックの時間から生徒達はジェスチャーで交流していました。屋代の学校紹介プレゼンから始まって、Wenona校は学校紹介VTRを見せてくれました。スポーツジムがあるなど高級リゾートのような学校で、驚いていた屋代高校生が多かった様子でした。その後、屋代高校とWenona高校の順番で交互に研究発表および質疑応答を行いました。
本校生徒たちの発表は、よくまとまっていました。その甲斐もあり、相手生徒からはたくさん質問が出て、よく質問に答えることができました。また、今年は本校生徒もいくつか質問することができて良かったです。間が空いた時には、デイビット先生から質問やコメントがでる場面がありました。全体的にとても充実していて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

<講師感想(デイビット・アサノ先生)>
・屋代の生徒の方が、分かりやすくまとめたよいプレゼンであった。発音はもう少し気を付けるべきだ。
<生徒感想>
・相手の英語を理解しようとしたり自分たちの考えを英語で伝えようとすることができてよかったです。お互いハートを作ったり、「私は寿司が好きです」などと日本語で話しかけてくれて、国境を超えて繋がることの喜びを感じました。スライドの作り方や話し方もとても参考になったので、これからに生かしていきたいです。
・外国の方との交流ができる機会なんてないのでとてもいい経験でした。英語を母語とする方々の英語を聞き取るのはかなり困難でしたが、集中して取り組むことにもつながったと思います。オーストラリアに行けなかったのは残念でしたが、楽しい時間を過ごすことができました!ありがとうございました。
・やはり実際に話される英語を聞き取るのは中々難しかったが、その中でも必死に聞き取って理解しようと努力できた。相手の方々から多くの質問が出され、英語の向上や研究をさらに深めることができました。こういった交流の機会は素晴らしかった。
・英語で質問したりされたりすることは普段授業でもやらないので、とても勉強になった。英語で質問することはかなり不安で、実際に画面の前に座ると頭が真っ白になってしまったが、良い経験になったと思う。ネイティブの人と会話をする機会をもっと増やすべきだと思う。

SSHミニフォーラム(SDGs)

実施日時  5月30日(火)5・6時限 13:40~15:40
実施会場  屋代高校211教室
参加生徒  高校2年普通科 27名
講  師  長野県立大学 ソーシャル・イノベーション研究科 教授 秋葉芳江 氏
内  容
  昨年までのミニフォーラムでは、講義形式で秋葉先生のお話を一方的に聴いていましたが、今年度は前半部分を秋葉先生の講義、後半部分を生徒の課題探究へのアドバイスという形式に変更して実施しました。
  当日は、2学年課題探究グループのうち、SDGsとテーマが結びつく可能性がある7グループ27名が211室に集まり、冒頭25分間で端的にSDGsが重要課題である世界の現状についてレクチャーを受けました。その後、各グループ10分間の前半でテーマを選んだ理由や計画を発表、後半は質問・相談の時間としました。
長野県のSDGs導入の先駆者でもあり、千曲市の町おこしにも長年にわたって深く関与されてきた秋葉先生から、これまでの経緯を踏まえた留意点やアドバイス、励ましの言葉をいただきました。最後に秋葉先生より総括として、高校生の若い力への期待と激励の言葉をいただきました。
普段大学生と接している先生のアドバイスは、高校生にとっては少し厳しいと感じる部分もあったかと思います。時々関西弁が出る、パワフルな秋葉先生のアドバイスを参考に、これから先の課題探究を深めていってください。
~7グループのテーマ~
家庭科班から地域の福祉へ
千曲市への新幹線の誘致
地元+健康+食べ物
棚田活性化
空き家のリフォーム
食と地域のかかわり
福島県と長野県の放射線量の比較
<生徒感想>
・SDGsが身の回りに関わるほとんどのことにつながってくることが知れて、世界が広がった感じがしました。また私たちの課題探究へのアドバイスも大変参考になりました。
・SDGSと表面上でしか理解していなかったけれど、ピラミットとして成り立っていると知らなかったのでさらに詳しく調べ活用していきたいです。
・自分達の探究活動の目的を見つめ直すいい機会になった。お金だけではない課題解決をもう一度考えることが出来た。とても有意義な時間をありがとうございました。
・ほんとに面白かったです!もっと聞いていたいなぁと思いました。SDGsに関してのお話がすごく興味深くて、すごい勉強になりました!是非ともまたお話をお聞きしたいです。

課題研究構想相談会(オンライン)

実施日時  5月30日(火)5・6時限 13:40~15:40
実施会場  2年7組HR教室、コンピューター教室、理科棟(個別相談時に利用)
参加生徒  高校2年7組(理数科)
講  師  本校を卒業生した6名の大学生(敬称略)
市野桃音  新潟大学工学部工学科建築学プログラム     (数学)
大谷彩日  明治薬科大学薬学部薬学科           (化学)
北澤初音  東北大学医学部保健学科看護学専攻       (化学)
待井優花  福井県立大学海洋生物資源学部海洋生物資源学科 (生物)
田中 光  東北大学理学部                (物理)
尾崎麟太郎 富山大学理学部                (地学)
内  容
課題研究をより充実したものにするため、構想の段階で講師にオンラインで相談してアドバイスを受けるために、昨年度から始めた企画です。講師の大学生は、課題研究に対するアドバイスだけでなく、大学の様子や高校時代の時間の使い方、課題研究が大学受験にどのように繋がっていくか等、多面的な意見をプレゼンしてくれて、高校生活全般の意欲の向上につながっています。
今年は前後半の二部に分けて行いました。前半では、2年7組の課題研究班ごと代表者が、自らたちで抱いている構想をプレゼン発表して説明し、その後、講師が自分たちが行ってきた課題研究の内容、実験方法や流れについて説明するとともに、工夫したことや班活動との両立などについて苦労したことについて話してもらいました。
後半では、研究分野ごとに、大学生1~2名と高校生2~5名のグループに分かれて、小グループでの懇談会を行いました。高校生からは数多くの質問が出されて活発な交流が行われました。講師の方々も、自身の課題研究について、実際に経験した探究の流れや高校生での学びが大学生活に実際どのように活かされるかなど自身の体験をもとによく話してくれました。生徒たちにとっては、受験を突破した先輩からの説明が、これからの探究活動、生活へのよき動機づけになりました。一方で大学生にとっても、これからの研究活動に向けて考えるよき契機になったと思います。
<生徒感想>
・先輩方の上手くいかなかった経験を聞いて、苦戦しそうなところがよくわかった。聞いたことを参考にして、これから計画を立てて行きたい。
・屋代高校を卒業した大学生と話が出来るいい機会となりました。課題研究だけでなく大学のことも聞けて充実した時間でした。
・とても貴重な機会でためになったところも多くあった。この会によって、今後の方針についてより明確にすることができた。ただ、準備不足も目立ったが、まだテーマが決まったところだったり、知識がまだ不十分だったりするので、この会は、もう少し後にあるとより深まるのかなと思った。
・大学生の話を聞くことができる貴重な機会を得られてよかった。探究を進めていく上での手掛かりとなった。
・研究の話だけでなく、勉強のことや高校生活のことを話してくださり、ありがとうございました。とても面白かったです。 

<サイエンスイングリッシュ連携講座> 報告

実施日時  5月11日、19日、23日

実施会場  屋代高校 2年7組HR教室、コンピューター教室

参加生徒  高校2年7組(理数科)

講  師  信州大学工学部 教授 デービッド・アサノ 先生

内  容

1日目は高校数学で用いる数式や関数(桁数の大きな数字、小数、分数、加減乗除、ルート、累乗、指数、対数、分数の数式、三角関数、等式、不等式)を、英語ではどのように言い表すのかを教わりました。2日目は、HTMLの基本的なタグについて学習した後、実際に自分のBLOGを作成しました。3日目は、前回学習したHTMLにJavascriptを加えて、簡単なプログラムを作る学習をしました。

最初は、対数の言い方が難しく、聞き取るのが大変そうな生徒もいましたが、生徒はフルに頭を回転させてだんだん積極的に取り組み、答えがわかった生徒は自ら手を挙げるようになりました。

英語の聞き取りが苦手な生徒、コンピュータ操作が苦手な生徒、タイピングが苦手な生徒と様々ですが、直接アサノ先生に指導をしていただいたり、仲間同士で助け合ったりしながら、喜々として積極的に取り組んでいました。大半の生徒にとってHTMLの使用は初めての経験で、こういった実習演習は非常に興味深かったようです。自分で作成したプログラムがブログに反映されたときには、思わず歓声があがりました。

<講師より>

・反応の良い生徒が多く、概ね生徒は授業についてきたと思える。生徒の反応はよく、わかること、わからないことをしっかり伝えてくれた。理解力は高く、どの生徒も集中して講義を聞いてくれた。

・パソコン室で実際にパソコンを使いながらの授業は、生徒は楽しんで参加できたようだ。コンピュータの操作が得意な生徒と苦手な生徒が混在していた。

・内容が面白いと思ってくれたようでよかった。プログラムを作成していて疑問に思ったことは生徒が質問してくれた。

<生徒感想>

・算数ではなく、数学についての英単語が知れてよかった。英語⇒日本語⇒計算⇒日本語⇒英語の課程を踏んで考えるのが大変だった。

・floorとかまだ習っていなくて日本語とも違った言い方のものもあったが、自分の中でしっかり理解できて将来に向け、良い授業になった。

・慣れない英語での数学で最初は戸惑ってしまったときもありましたが、とても丁寧に説明してくださり、わかりやすかったです。日本語と英語でこんなにも標記の仕方が変わったことにとても驚きました。

・David先生の発音はすごく聞き取りやすくて、聞いていて楽しかった。

・Wordなどで同じ文章を作ろうとしたら簡単だけど、色々な英語や記号を使ったりしてblogを作ってみると難しかったです。ですが、慣れてくると文字の大きさや色を変えたり写真を入れたりするのが簡単に楽しくできるようになりました。

・ブログやホームページが裏でどのように動いているのかを知れて、とても興味深かったです。

・コンピュータということもあり苦手意識でなかなかblogを作るのに苦労しましたが、間違えているところを優しく先生が教えてくださったり、下手な英語での質問にも丁寧に答えてくださったおかげで理解できました。初めてコンピュータが楽しいと思えました!

・ブログ作成を初めて行ったが、見本の真似をしながら構造を理解することができた。また、プログラミングの活用のされ方をしり身近に感じた。初期のプログラムのように感じ、現代までの発展を少し感じた。応用のされ方をインターネットの使用等を通じて日々考えていきたい。

・PhysonやJavaScriptなどではなく、デフォルトのメモ機能でブログサイトをつくれたことにとても驚いた。今までにない経験でとても楽しかった。

・JavaScriptを使ってプログラムを組んでみて難しいのもあったがしっかりとこなして、とても学びが深まった。

・Blog同様最初は文字を打つのが大変だったり、スペルミスやどこかが抜けているとちゃんと機能しないのでただしいものを作るのが難しかったです。ちゃんと正解通りに動いたときはとても嬉しかったです。

・ブログを書いたプログラムに関数とかがでてきて考えることも増えたが、情報で習ったパイソンのプログラムと似ているところもありそれともリンクさせて考えられた。

・プログラミングを英語でやるのはとても難易度が高かったです。ですが今までの情報の授業とは違うようなプログラムで面白く興味深かったです。まだまだわからないことばかりですが、プログラミングに少し触れることができて楽しいと思えたので課題のBlog, Program頑張ろうと思います。

<JpGU日本惑星科学連合高校生セッション> 報告

実施日時  5月21日(日)

発表会場  千葉県幕張メッセ

参加生徒  高校3年理数科 2名

発表題名  墓石地震学〜地質で変わる墓石転倒率〜

内  容

  例年参加しているJpGU日本惑星科学連合の高校生セッションですが、今年度は久しぶりに現地参集で実施をすることができました。ポスター形式の発表で、会場には高校生の発表の他に、大学・研究所・企業等のブースが多数ならび、地学系研究の最先端を垣間見ることができました。

本校生徒の発表内容は、昨年度に課題研究で取り組んだ墓石地震学に関するもので、3年前の卒業生が課題研究で取り組んだ内容の継続的な研究になります。先輩の研究の後を継いで研究すると、内容がより深いものになると思います。現高校1年生・2年生の方は参考にしてみてください。JpGUは一週間という長期間で行われている国際的学会で、地学の全分野の研究者が一堂に会する学会です。地震学だけでなく多くの分野の専門家が高校生の発表を見てくださり、様々な角度からアドバイスを受けることができました。

 

<生徒感想>

・教授たちが来ると聞いてとても緊張していたけれど、優しかったので安心した。省いてしまった資料のデータも省かないほうが良かったのではないかというアドバイスや、参考文献の載せ方のアドバイスをいただいたり、地震について詳しく説明してくださったりと、今後の研究にとても参考になる話をたくさん聞けて良かった。また、地震の本ももらえた。自分たちの研究に興味を持ってくれて、面白いと言ってくださった方が沢山いて嬉しかった。

・参考になる助言が多かったので、これからに活かしていきたい。また、他の高校と比べてみると図や写真の面積が少なくて、もっと視覚的かつ直感的にわかりやすくできたと思ったので、本当に必要な文章なのかを再度精査して地質図などの視覚情報を足したい。