活動報告

活動

<第19回 高校化学グランドコンテスト>報告

 実施日時 10月26,27日(土,日)

実施会場 芝浦工業大学 豊洲キャンパス

講  師 特別講演 尾嶋正治(東京大学名誉教授)

参加生徒 3年理数科「シュウ酸ビスを用いた化学発光の持続法の研究」研究チーム2名

内  容

日本化学会が2004年より主催し、化学の発展と教育の向上を目指した大会で、本校の先輩は2005年と2009年に全国1位、何度か2位や3位にも入賞している。

コロナ禍前と同じスタイルでの運営で対面形式、レセプションパーテ-も含め運営された。芝浦工業大学での実施となって2年目。研究要旨提出後、〔落選・ポスター・口頭発表〕と事前の審査があることも特徴。また、ポスター・口頭発表ともに旅費の補助がある。口頭発表はもちろんポスターにも優秀チームに賞金や海外(シンガポール)での発表の機会が与えられるなど手厚い支援がなされている。

ポスター発表は前半と後半の2部構成で、どちらかで他チームの発表を質疑応答できる。口頭発表は、事前審査により選考された10チームが持ち時間12分で発表するスタイル。口頭発表はいずれもレベルが高い。

ポスターセッションでは他校の生徒の実験成果を間近に見聞きし、生徒たちは大きく刺激を受け感化されたようだ。口頭発表は他校生の発表を拝聴したが、そのレベルの高さに圧倒されていた。また他校生徒と関わる時間も多くとってあり、他校の様子や、研究へのアプローチなど生徒たちにとって極めて良い刺激を受けたようだ。

口頭発表に選考されるには、時間・適切なアドバイス・大学の先生との連携が大きく関与されるだろうことがわかる。本校で取り組んでいる課題研究も早めに取り組むとか、科学系班活の活性化を待たれるところだ。

<生徒感想>

・多くの専門家の方々や様々な分野の企業の方と交流し新たな着眼点を見つけることができ、とても良い経験になりました。化学を通して国を越えて交流できるなど、充実した時間を過ごせました。

・どの高校も内容や研究の質において、とても高いレベルですごく驚いたし感動しました。ポスター発表では6~8人から、いずれも長時間にわたって深い質問を受けとても勉強になりました。

 

<高崎健康福祉大学高校生自由研究コンテスト>報告

実施日時  9月13日(金)応募締め切り 10月19日(土)授賞式

実施会場  高崎健康福祉大学農学部キャンパス(本校よりオンライン参加)

参加生徒  3年理数科「かびを生やさずきのこを作ろう~コーヒー殻を使ったカビ抑制~」研究チーム4名

内  容

3年次SS探究としてどのグループもどこかで外部発表するよう求めています。理数科には毎年参加している学会がいくつもありますが、このグループは自分たちの内容とあっていると感じた場所に応募して、見事1番上の学長賞を受賞しました。副賞もいただけるそうです。その他のコンテストでは受賞歴のないグループなので、どこに応募するかは重要な要素の一つといえます。

授賞式の日、生徒4名は校内で模擬試験を受けていましたが、授賞式の時間は抜け出して参加しました。学長より学長賞に選んだ理由が発表され、その後受賞スピーチとしてオンラインで画面共有して発表しました。

<学長賞選考理由>

きのこの育成の失敗から始まった研究だと思われたが、カビの抑制効果がある身近なものを探し出し、効果があったコーヒー殻を利用してキノコの育成に活用した。まだ実験数は少ないが、効果があるコーヒー殻と菌床の割合を求めたことも高評価のポイント。

<生徒感想>

・オンラインの授賞式はカメラに向かって受け取るふりをするなど不思議な感じがあったが、学長賞をいただけてうれしかった。

・他校の受賞グループの方が実験量も多くレベルが高いように思えた。どのグループも失敗からのスタートという内容だったので、失敗は悪いことではないと思った。

 

<第1回 NSC課題研究研修会>報告

実施日時  10月5日(土)        

実施会場  信州大学工学部

参加生徒  2学年理数科11グループ・普通科3グループ、他県SSH校4グループ、県内NSC校5グループ

審査員

信州大学工学部    山本博章 先生(情報・アルゴリズム)

信州大学工学部    梅崎健夫 先生(地学・地盤工学)

信州大学繊維学部   木村睦 先生(高分子化学・環境化学)

信州大学理学部 高梨功次郎 先生(生物・植物学)

信州大学教育学部   藤森隼一 先生(化学・理科教育)

内  容

県内県外から高校生が集まり、SSH生徒研究発表会の審査員である山本博章先生より「審査員目線での良い研究」という講義を受けたあと、数学物理、工学、化学、生物(植物)、生物(動物、生態)の分野に分かれてポスター審査会を行いました。審査員からは、今後発展させるうえでの助言もいただきました。また、引率教員は別室で上田高校の小田切亨先生より「課題研究指導のいろは」を受講し、ポスター審査体験も行いました。優秀な発表グループには以下の賞が贈られました。

【アカデミック部門賞】各部門の審査員からみた最優秀賞

アカデミック数学物理学賞 「重平均不等式」屋代高等学校理数科

アカデミック工学賞 「カナメモチの真っ赤な新葉の色素を用いた色素増感太陽電池」富山県立富山中部高等学校

アカデミック化学賞 「媒晶剤のカルボキシ基の電離で形が変化するNaCl型結晶」富山県立富山中部高等学校

アカデミック生物学1賞 「萎えた野菜を利用して食品ロスを減らそう」大町岳陽高等学校

アカデミック生物学2賞 「アリジゴクの造巣行動に関する研究」山梨県立甲府南高等学校

【グッドアイデア賞】高校教員評価で「着眼点」「独自性」の平均点が高いグループ

「水はねが高くなる落下の条件について」福井県立高志高等学校

「なぜサツマイモは水の中で肥大化しないのか」屋代高等学校 普通科

【アトラクティブ研究賞】参加グループによる自分以外で一番良い研究の投票結果

「簡易ベッドの作成~折り紙テクノロジーを用いて~」 屋代高等学校理数科

【ハイエスト共創賞】パスタタワーの高さ競争(アイスブレーク)優勝チーム

1位(97cm)富山、大町、屋代の混合チーム、2位(93cm)甲府、大町、屋代の混合チーム

<審査員感想>

・高校生の熱意を感じられる良い機会でした。是非継続してください。

・科学好きの高校生にとって良い機会だと思います。中間発表という時期でアドバイスをするのにもよいタイミングだと思います。

・高校生でここまで考えられていることに感動した。ゴールの時期にどこまでやるかをイメージできるともっとポイントをついた研究になると思う。

<他県高校教員感想>

・研究に対する倫理観やデータを扱う上での大切なことを伝えていただけた。

・長年にわたる指導に基づいた、指導上心掛ける点がとても分かりやすかった。

・生徒の主体性を育む絶好の機会を与えていただいた。アイスブレークによって本校生徒も元気になり、笑顔で積極的に発表できた。

・評価の観点が分かりやすく、大勢の教員が評価することも可能と感じた。

<生徒感想>

・他県の生徒たちと交流できる貴重な機会で、とても有意義な時間を過ごせた。

・今回の意見を活かして校内発表で高評価を貰ってやろうと思いました

・面白い研究を沢山見ることができてとても充実した1日だった。

・いろいろな質問に答える上で自分たちだけでは気づけなかったことを多く得られました。

・他校の同学年の科学に興味のある仲間も一堂に会して発表し合えたことで良い刺激になったと同時に、高校や大学の先生にもたくさんの質問やアドバイスをいただけたことで、後期の探究に向けたモチベーションが高まりました。

 

 

 

<課題研究・課題探究 中間発表会>報告

実施日時 8月24日(土)

実施会場 屋代高校第2体育館(開閉会式)・2棟の各教室

助言者

赤地憲一先生(屋代高校同窓会)、村松浩幸先生(信州大学教育学部)、

森山徹先生(信州大学教育学部)、樽田誠一先生(信州大学工学部)、

太田哲先生(信州大学理学部)、秋葉芳江先生(長野県立大学大学院)、

内海重宜先生(公立諏訪東京理科大学)、市川進之介先生(長野電子工業)、

保坂和久先生(千曲市立更埴西中学校)、塚田武明先生(長野県教育委員会)、

蛭間督先生(国立研究開発法人 科学技術振興機構)

参加生徒 高校2年生

内  容

高校2年生が各会場に分かれて、課題研究・課題研究として取り組んできた探究の内容をポスターセッション形式で行いました。大学教授や企業の製造技術部部長などたくさんの助言者の方に発表を聞いてもらい、助言をいただきました。当日は授業公開日でしたので、一般の方(保護者の方)も多く見に来られました。会場は活気に包まれ、生徒たちがポスターの前で熱心に説明すると、聴衆の方々はそれを頷きながら感心して聴き、質問や助言をしてくださいました。

  <生徒感想>

・大学教授や校長先生からの助言を頂くことができ、今後の研究において重要になってくる部分を認識することができた。

・仲間と意見を出し合いながら、今日に向けて課題探究を進めることができた。助言者の先生方にアドバイスいただいたこと、ポスターの書き方や発表の仕方などを改善してより良いものにしたい。

 

<第16回マスフェスタ(全国数学生徒研究発表会)>報告

実施日時 8月24日(土)

実施会場 大阪府立大手前高等学校

参加生徒 高校2年理数科4名(課題研究数学グループ)

内  容

全国から数学に興味関心の高い生徒が集まり、課題研究や部活動等の研究内容を発表しました。発表はポスターセッション形式で50分の発表を4回(2回発表、2回見学)行い、その場で発表を踏まえた意見交換や研究交流を行いました。自分たちの研究内容を発信するとともに、多くの研究内容について触れ、数学的な理解を深めることができました。本校数学グループの発表テーマは「重平均不等式」です。

成果・課題等

・50分2回という発表時間の中で、ポスターの内容を発表する時間と、補足するために途中式等を自由記述しながら説明する時間を効率的に取ることができ、見学者に研究内容を丁寧に説明することができました。また、説明する過程で自身の考え方を整理し、より分かりやすい発表とすることができました。

・全国から数学に高い興味関心がある生徒が集まったことにより、非常に刺激的な時間を過ごすことができました。意気揚々と発表する他校の生徒の様子や、高校数学の内容を超えた研究発表を多く見学することで、今後の研究へのモチベーションを高めることができました。

・大学教授や他校の生徒から質問や意見をいただき、今後の研究を進める手がかりを得ることができました。

・今回は本校から1グループでの参加でしたが、「数学好き」には非常に有意義な発表会でした。学年学科問わず、数学をテーマに研究している生徒を対象に積極的な参加を促したいと考えています。

<生徒感想>

・知らなかったジャンルの研究から日常生活に関連したジャンルの研究まで色々な研究の発表が聞けて楽しかった

・全国の学校からレベルの高い研究発表が聞け、先生方と議論できたことが非常によかった

・生徒や先生方から頂いたアドバイスや観点を元に更に研究を進めていきたい

・記号の改良、式を用いた表し方の検討などをしていきたい

 

<アカデミックサイエンス 信州大学工学部実習> 報告

実施日時  8月8日(木)

実施会場  信州大学工学部 E2棟(AICS)2Fセミナースペース他、各研究室

参加生徒  高校2年理数科、オーストラリア研修参加者

内  容

⑴     研究室に分かれての実験/実習

1    物質化学科「水をキレイにする化学~ヨゴレをくっつけて取る吸着技術」

2    電子情報システム工学科
「光で電流を測ってみよう~光プローブ式電流センサを用いて局所・狭所の電流計測」

3    水環境・土木工学科「泥水を真水に変える膜分離技術」

4    機械システム工学科「デジタルの技を利用して「ものづくり」をしよう!」

5    建築学科「木造建築の伝統的な継手・仕口を作ってみよう!」

⑵     クロージング 成果プレゼンテーション

工学部担当職員・TAの学生・大学院生に入念な事前準備をしていただき、どの講座も大学の研究、実習の一端に触れる生徒にとって刺激的なイベントとなりました。閉会式では、各研究室ごと、実習内容の発表を行い、成果を皆で共有しました。

<生徒感想>

・電子情報学科では、大学の研究成果である微少な回路の測定が興味深かった。
・大型の工作機械を実際に動かして、音叉やペン立てを設計したとおりに作ることができ、物作りの楽しさを感じることができた。

 

<令和6年度SSH課題研究発表会(全国SSH校の代表グループが集合)>報告

実施日時  8月6,7,8日(火、水、木)        

実施会場  神戸国際展示場

参加生徒  3年理数科「廃棄果実から作るバイオエタノール」研究チーム4名

内  容

8/6(火)8:30屋代高校前駅に集合し、神戸国際展示場へ移動。オンライン受付を行い、ポスターをブースに貼り付けた。16:00までには退室。

8/7(水)全231グループが3つの時間帯に区切られ、午前3時間、午後2時間ポスター形式で発表(途中で審査)。各時間帯では稼働グループが2つ、休みで見学できるグループが1つで順番に回していった。審査員は3名1組で10題ぐらいずつを1グループ20分ぐらいかけて審査した。(本校SSHコーディネーターの山本先生はこの審査員の一人)午前中はこの3名が上位2, 3グループを選び、上がってきた約60グループを、各分野の審査員が午後に審査し、6分野から1校ずつが選出された。発表された6グループは翌朝の口頭発表リハーサルに入る。

8/8(木)代表校6校(物理・工学、数学・情報、地学、化学、生物A、生物Bの各分野から1校ずつ)によるプレゼンテーション形式による全体発表。発表10分、質問10分。質問は途切れることがない。昼食後、70分間再びポスターセッション。口頭発表した6グループのブースに人が群がる。その後、表彰式。電車の時間がギリギリなので、荷物をすべて持って表彰式会場へ。新神戸駅近くの宿から大きい荷物を受取り帰路に就いた。

231題のポスターが広大な部屋に並んでいる光景は圧巻であった。口頭発表に選ばれた6グループの発表者は大勢の聴衆の前で堂々と楽しそうに発表していた。 昨年度は高校レベルを超えているような難易度の高い研究が多く受賞した印象であったが、今年度は高校生らしいアイデア勝負のテーマや、比較的単純作業でも地道な努力で積み上げたデータから考察したテーマが多く選ばれたように感じた。

<生徒感想>

・発表するだけでなく、簡潔に説明したり質問をする力なども磨くことができて良かった。他の研究では、自分では思いつかないような手法も多くあって沢山のことを学べた。

・1年生か2年生の時に今回のような発表の場に参加することができたら、頂いたアドバイスを活かしてより良い研究にすることが可能だったと思う。屋代高校でも一年次から継続的に研究できれば、もっと研究が活性化するのではないかと思った。

 

<第18回 高校生理科研究発表会 (千葉大学)>報告

 

実施日時 9月28日(土)

実施会場 千葉大学工学部西千葉キャンパス

参加生徒 3年理数科「メダカを救おう!」研究チーム4名

内  容

この発表会は、2018年より千葉大学が主催し、高校生が自らの研究成果を発表する機会を提供し、科学への興味や探求心を育むことを目的としています。

発表はポスターセッション形式で行われました。発表の高校生には、2年生が多かった印象。仮説をたてて終わっている学校もあれば科学部のような子たちが詳しく実験しているところもありました。他の学校の生徒に刺激を受け、本校の生徒たちも楽しそうに発表を行っていました。2年次にこのような発表会に参加すると、いい刺激を早めに受け、実験方法や計画の具体的な助言をうけることができると感じました。

<生徒感想>

・ポスター発表を通して他校の生徒や企業の方と交流し、自分たちにはなかった視点を得られたり、実験を進める上でのアドバイスを頂いたりすることができ、とても貴重な時間になった。校内での発表と比べ多くの刺激を得られたとても面白い会だった。

・いろんな人の視点は自分では考えつかないもので、たくさんの人の意見を共有しあえる機会をもっと欲しかったと思った。

 

 

<東北サイエンス・つくばサイエンスツアー>報告

実施日時 7月30日(火)~8月1日(木)  2泊3日

実施会場 福島県立福島高等学校、東北大学工学部、筑波実験植物園、国土地理院・地図と測量の科学、CYBERDYNE STUDIO

参加生徒 高校1年6名、高校2年33名 計39名

内  容

 (1) 福島県立福島高等学校との交流会

 本年度は二部構成での交流会となりました。

一部目は福島高校生徒、屋代高校生徒混合4名のチームにより、乾燥スパゲティーとマシュマロを用いたタワー作りを行いました。タワーの高さを競う競技形式で各チームは打ち解け合いながら工夫を凝らしていました。

二部目は2グループに分かれ、各校の課題研究ポスターの見学・発表を行いました。一部目でお互いに打ち解けていたためか、盛んに質疑応答がなされ、今後の研究活動によい刺激となりました。

  (2)東北大学生(屋代高校OB)との交流

屋代高校卒業生の6名の先輩との座談会を行いました。大学生の自己紹介の後、6グループに分かれ、交流を行いました。高校生の質問に答える形で進められ、課題研究に関することや勉強方法やそのスケジュールなど積極的に先輩に質問していました。大学での様子を垣間見ることにより、研究や学習に対するモチベーションのアップにつながりました。

 (3)東北大学工学部訪問

 東北大学工学部は5つの学科から成り、学科内もさまざまコースに分かれています。

はじめに電気情報物理工学科:中村健二教授(屋代高校OB)からモーター・発電機の高性能化に関する研究、特にトルクやエネルギー効率の良い非接触磁気ギヤについてご講演・実技指導をいただきました。また、大学入試に関する情報、研究室の情報も説明していただきました。

その後、東北大学オープンキャンパスと同日だったため、参加生徒が希望する学部学科の説明会に参加しました。

 (4)筑波実験植物園

国立科学博物館が植物の研究を促進するために設置した植物園で、生きた多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進しています。研究員の方より、埼玉県越谷市原産で野生下では絶滅してしまったコシガヤホシクサの保全と野生復帰に向けた取り組みを例に植物園の取り組みをお聞きし、植物を収集保全することの意義を教えていただきました。

人類は他の生物よりもはるかに多くの植物の恩恵を受けており、人類が将来も生き続けるために植物の多様性を知る・守る・伝えることが大切です。園内の様々な貴重な植物を観察することで、生態系をふくめた植物に興味関心を高め、環境を保全することの意義を感じることができました。

 (5) 国土地理院・地図と測量の科学館見学

3Dホログラムを利用した大きな立体日本地図や、伊能忠敬の地図など歴史的なものを見学し、測量方法やその利用等を学びました。地図を通して、地形や測量に興味関心をもつことができました。

 (6) CYBERDYNE STUDIOでの体験・見学

CYBERDYNE STUDIOでは装着型ロボット技術体験をしました。生徒が体験したのは前腕のロボット技術で、上腕皮膚表面に微弱な電気信号を送り、前腕の伸びを行うものです。前碗ロボットは筋肉の動きを増幅するのではなく、人体上の微弱な電気信号をキャッチすることで制御を行っています。現在はリハビリ分野での実用化がなされており、機能回復に多大な効果をもたらしていることに大きく関心を寄せていました。

<生徒感想>

・福島高校との交流では、マシュマロタワーづくり、ポスター発表会など、初めて会う人との交流の機会がたくさんあって、コミュニケーション力を伸ばすことができたし、発表時のポイントなど、さまざまなことを習得することができました。

・東北大学のオープンキャンパスだけでなく、福島高校との交流や、筑波の植物園、地図と測量の科学館、Cyberdyne Studioなど普段なかなか自分では行かないような場所にも行くことができ、とても良い経験になりました。

・この事業を通して、ものの考え方や勉強に対する考え方が変わりました。本当に良い体験になりました。

 

<アカデミックサイエンス 東大木曽観測所実習「星の教室」>報告

実施日時  7月23日(火)~24日(水)

実施会場  東京大学木曽観測所

参加生徒  高校2年理数科

講  師  東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所

      助教 高橋 英則 氏   

              東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター

      特任助教 今井 正尭 氏

      信州大学理学部 学部4年 魚村 直人 氏、 稲井 天 氏(TA)

内  容

「寝覚めの床」見学

1日目

① 講義

② 構内見学(105cmシュミット望遠鏡の見学)

③ 実習1 「視角をつかって距離を測る」

④ 実習2 「銀河までの距離を測る」

⑤ 実習3 「宇宙の年齢を求める」

 2日目

⑥ 発表会(Googleスライドを用いたグループ発表)

⑦ 講評

木曽観測所へ向かう途中に立ち寄った「寝覚の床」では、花崗岩の白い河床と、その花崗岩に発達した方状節理を確認、及びエメラルとグリーンの木曽川を観察することができました。

木曽観測所での「星の教室」では、木曽観測所の概要説明の後、構内の見学をしました。観測所の誇る巨大望遠鏡(105㎝シュミットカメラ)も見学させていただき、その大きさに圧倒されました。

実習は「宇宙の年齢を求める」をテーマとし、まず被写体として自分をはじめとする様々な距離(巻き尺で距離を測定)にいる班員と測量用ポールとをカメラで撮影し、撮影画像からわかる視角と距離の関係式について学びました。その後、それを応用して銀河までの距離と、あらかじめ測定されている銀河の後退速度から、宇宙の年齢を求める実習を行いました。宇宙の年齢は、最終的には非常に単純な比の計算によって求めることができる事がわかりましたが、その単純な計算に到達するまでには、データを収集・分析・解析したり、論理的に前提条件を定めたりする必要があり、非常に活発な議論が夜遅くまで交わされました。

発表会では、各グループの熱論の成果を、模式図やデータなどを用いて発表しました。グループごとに結論までのプロセスや理論は様々でしたが、どのグループも143億年~234億年の間に入る値が求まりました。講師の先生方やTAの方々に親切な助言をいただきながら過ごした2日間は、グループ毎に議論を尽くす等、普段の授業ではできない体験ができ、非常に有意義なものとなりました。

<生徒感想>

・宇宙の年齢を求めていく過程で新しい知識を得ることができた。夜には綺麗な星空を見ることができてとても楽しかった。

・時間が限られていて、発表までもっていくのは大変だったけど班の中でたくさん話し合いをしたり、発表でもたくさんの意見や質問で深める事ができて楽しかった。

・議論がとても面白く、自分に無い考えを知りまた、自分の考えが整理された。実習内容も非常に面白く、充実した二日間を過ごすことができた。

 

<SS探究研究発表会と台湾とのオンライン交流会>報告

実施日時  7月17日(水)

実施会場   屋代高校

参加生徒  3年 普通科

オンライン交流校       嘉義女子高級中学

内  容

【英語による研究発表会】

2年次までに各グループで行った課題探究の成果を英訳して発表を行いました。発表会は司会進行を生徒が行い、運営しました。また、聴衆となった生徒たちからも積極的な質問が上がるなど活発なディスカッションが行われました。

【台湾の高校生とのオンライン交流会】

同時並行で、本校の6グループが台湾の高校生とオンラインで探究成果を発表しあう交流会を行いました。相手校も6グループが集まり、それぞれの発表を聞き、質疑応答を行いました。

<生徒感想>

・「英語で発表することで普段の発表とは異なって、より一層内容に気配ることができた」

・「貴重な経験だった」

・「相手校のアイデアや発想に興味がわいた」

・「発表時間が5分と短く、もう少し長い方が充実して内容を伝えられたと思う」

<令和6年度SSH北陸新幹線サミット>報告

 

実施日時  6月22日(土)

実施会場   長野県上田高等学校

講  師  瀧澤郁雄 先生「高校生に伝えたい国際協力」

本校参加者 発表生徒2名

内  容   

本校からは2名が参加し、第三分科会(教育格差・貧困などの国内外の課題に対し行動する)にて「子供たちの科学への興味と関心を引き出すには」というテーマで発表を行いました。

内容は、日本における理系進学者が諸外国に比べて著しく低いことが、幼少期の体験不足にあると考え探究を進めたものです。実際に企画した2回の科学教室、そのアンケート結果とともに、科学への興味を引き出す方法に関して考察を行いました。

 <実施所感>

各分会に分かれてのディスカッションは、理系進学者を上げる方法について他校の生徒と考えを共有しました。最終的には文系と理系とは何かという問いも生まれてきました。同分科会で当日発表・議論を行った中に、アニマルウェルフェア・国際協力の在り方・化粧文化についてなどの幅広いトピックがあり、良い刺激になりました。

 <生徒感想>

・自分たちの考えるより良い社会を実現するために、プランの改善点などを高校生たちがみんなで考えることができるのが良かった。

・自分たちが探究してきたテーマについて様々な人と意見を交換し合う貴重な機会をありがとうございました。

 

<課題研究テーマ相談会(運営指導委員会にて)>報告

実施日時  6月11日(火)

実施会場  多目的教室

参加生徒  高校2年理数科

講  師  運営指導委員の先生方

(同窓会長、教育委員会高校課の先生、信州大学工学部、教育学部、繊維学部の先生、長野県立大学大学院の先生、長野電子工業株式会社技術部長など)

内  容    

昨年度まで運営指導委員会終了後の自由に校内の授業参観していただく時間となっていたが、研究において専門家の方々が多いので、今年度からは2年7組課題研究のテーマ設定へのアドバイスをいただく時間としました。生徒達のテーマ紹介では各グループが2分以内でスライド発表し、その後、各グループがブースに運営指導委員の先生方が訪問する形式で活発にアドバイスをいただきました。

<講師の先生より>

いろいろなテーマ案があってとても楽しかった。研究成果を見るのが楽しみだ。

<生徒感想>

・研究の方針を決めるうえでとても参考になったため、来年以降も続けて欲しい。

・いろんな分野の人に意見をいただいてとても今後の活動につながる良い機会になりました

・まだ、研究のしかたが曖昧な所があったのですが、アドバイスをしていただきやるべきことの優先順位を整理することができました。

・自分たちが考えていたアプローチとは違った視点を示していただき、その方が研究がより意味深いものになるかもしれないと気付けた。

・もう少し相談の時間を長くしてほしかった。

 

<科学の教室(理数科展)>報告

実施日時  6月29日(土)

実施会場  屋代高校理科実験室

参加生徒  高校1・2年理数科

実験内容  ・炭酸ジュース作り ・雪の花

・炎色反応 ・ケミカルライト

・カルメ焼き  ・疑似火山 などなど

内  容

今年の鳩祭は、入場制限などは行われず、外部からの来客者が多く来校されました。科学の教室(理数科展)はその中の一つのイベントとして行われました。理科実験室にて満員の観客たちの前で、見せ方を工夫して様々な不思議現象をお見せして、驚いたり感心したりしてもらいました。何が起きているのか科学的な説明にも力を入れました。ここで楽しんだ子供たちが本校理数科を目指してくれると良いなぁと思います。

<生徒感想>高校生

・実験の内容を予定と違うものに変更したりなど、完璧な準備とはいえなかったが、できることを優先してなんとか本番を迎えられた感じだった。

・試行錯誤して色々な実験を行ったことが最も印象に残っています

・お客さんの中でも小学生の皆さんに楽しんでいただける実験をすることができた。家でも簡単にできる実験を発表することができたので科学にもっと親しみも持ってもらうチャンスができたと思う。

・理数科展を通して、実験への楽しさがさらに深まり、みんなと協力して準備を進めていくことができ、良い経験となりました。

<統計講演会>報告

実施日時  6月19日(水)

実施会場  屋代高校附属中学校(中学1年)屋代高校(高校1年) 屋代高校パソコン室(高校1年理数科)

講  師  小口祐一 教授 (茨城大学教育学部)

内  容

「ICTを活用した統計的探究-統計グラフコンクールの重要ポイント-」という演題でご講演いただきました。長野県統計グラフコンクールに出品することを目標として、PPDACサイクルについての解説を受けた後、具体的な問題でデータ分析の手法や仮説検定の考え方について教えていただきました。さらに、昨年度のコンクールの入賞作品を見ながら、各作品の優れている点を解説していただきました。統計グラフコンクール作品の雰囲気と応募への動機づけになるとともに、データをグラフ等に可視化することによって、調査結果の分析、論理的な考察が可能となることを学びました。

この後、理数科1年生はパソコンのエクセルを用いてSSDSE(教育用標準データセット)から箱ひげ図やヒストグラムを作成、分析する演習を行いました。膨大な数値ファイルから簡単に様々な種類のグラフを作成でき、生徒から感動の声があがりました。

<講師の先生より>

附属中学校生の皆さん、統計的探究のアイディアについて、興味をもって聞いていただき、ありがとうございました。これから、箱ひげ図や散布図など、どんどん使える統計手法が増えてきます。中学校・高校の学習を通して、分析の精度を高め、美しい統計グラフコンクールの作品をつくってください。

高校生の皆さん、統計的探究プロセスを遂行する力は、今後の国際社会においてとても重要になってきます。統計グラフコンクールのポイントを熱心に学んでいただき、ありがとうございました。高校生の作品は、ビッグデータを分析したものが増えてきました。表計算ソフトやアプリを活用して、グラフに表現することで新たな発見ができる作品をつくってください。

<生徒感想>高校生

・統計グラフコンクールに出品するにあたり有益な情報がたくさんあったのでアプリや情報をうまく使い作成したい。

・統計はあまり得意ではないが、基礎を知ることができた。ジオジェブラやe-Statなどを活用して、中学校の時よりも内容の濃いものを作りたい。

・過去の作品を見るのはとても参考になった。野菜の値段など、思ったより近くにも問題があることにきずいたので、見つけて調べてみたいと思った。

<生徒感想>中学生

・データを整理するこで見やすくなり内容を読み取りやすくすることができる事がわかった。データ活用についてもっと学んでいきたいと思った。

・統計グラフをつくるときの流れや、優秀作品のどのような点が良かったのかや、考察の仕方やグラフの読み取りかたがわかった。自分が知っているグラフ以外にもグラフがあることがわかったので、自分も活用してみたいと思う。

・優秀作品のグラフからの読み取りかたやテーマ設定が面白く、興味深いお話だった。今日聞いた内容も参考にして統計グラフをつくっていきたい。

<アカデミックサイエンス連携講座> 報告

実施日時  11月30日(木)
実施場所  屋代高校3棟2階理科講義室 附属中学校講義室
講  師  横山祐典 教授(東京大学 大気海洋研究所 高解像度環境解析研究センター)Jody Webster 教授 (シドニー大学)
参加生徒  2年理数科(39名)、シドニー研修参加者(10名)、附属中3年(80名)
内  容  
 午前は両先生が揃って2年理数科対象の講義を行い、午後はシドニー研修参加者対象にWebster先生が話していただき、中学3年生対象に横山先生に講義していただきました。
 2年理数科対象には、地球温暖化を題材に、横山先生の大学での研究成果を交えながら講演をしていただきました。COP28で国連までが阻止しようとしている温暖化の科学的根拠は何なのか。様々な方法で世界的に得られたデータを示しながら、生徒と対話を交えながら説明していただきました。実際に観測機で測ることのできない過去の気温や、二酸化濃度については、古文書・木の年輪や海中の珊瑚・南極氷床コアの気泡分析、年代の測定には放射性同位体である炭素14を使うなど、多種多様な手段が用いられていました。二酸化炭素濃度と平均気温の間には確実な相関があり、現在は人為的影響があり二酸化炭素濃度が400ppmを超えていて、過去10万年で最も気温が上昇している危機的状況であることの科学的根拠が示されました。
Webster先生の所属するシドニー大学理学部は、世界遺産「Great Barrier Reef」における調査研究が許されている世界唯一の機関です。Webster先生は英語で講義をされましたが、一部横山先生の研究と重なる部分のサンプルが示されている場面が印象的でした。
<生徒感想>
・大きくは二酸化炭素は悪者かという問いかけでお話をお聞きすることができた。地球上に大気がないとどうなるかなど、研究活動においての過程も参考になりつつ、とても貴重なお話を聞けて、色々考えさせられた。気候変動について、これからも考えていきたい。
・もう少し科学の専門用語の英語を勉強しようと思いました。
・気候変動に関する研究をわかりやすく教えてくださるだけでなく、研究を進める上で大切なことを丁寧に説明してくださって、大変勉強になりました。
・今回の講演では時事話題であるSDGsと、環境をかけてわかりやすく紹介してくださり、興味を持って聞くことができたのと同時に、「なぜか?」を探求することによって新たな発見があるということも質問形式で間接的に説明してくれていたのではないかと感じます。
・貴重な動物性プランクトンが見れてよかったです。海のクレヨンプロジェクトについて調べたいと思いました。

<サイエンステクノロジーコンテスト〉 報告

実施日時  11月12日(土)
実施会場  信州大学理学部(松本キャンパス)
参加者   2年:普通科7名 理数科7名 1年:普通科8名 理数科8名
日  程  10:00~12:00 筆記競技  物理・化学・生物・地学・数学・情報    
13:30~15:30 実技競技  作成、コンテスト
内  容
筆記試験は、理科(物理・化学・生物・地学)、数学、情報の中から、修得した知識をもとにその活用について問う問題で、知識に加えて思考力や論理的な記述力を必要とする内容でした。本年は昨年度より1チーム多くエントリーして望んだが、結果は思うように振るいませんでした。
 実技競技は、理科、数学、情報にかかわる実験、実習、考察など、科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やコミュニケーション能力などにより課題を解決する力を競い合うものでした。そして、1チームを二つに分け、それぞれコンテストを行いました。課題は、段ボール箱・ボール紙を細工し、紙の弾性力を利用して、粘土玉を指定された目標位置に置かれたコップに入れるというものでした。弾性力をいかにうまくコントロールするかが鍵で、生徒たちは苦戦を強いられたようでした。
 総合順位は、筆記・実技それぞれの点数の合計点で決まるのですが、実技点が順位に大きく影響します。屋代Bチームが総合6位と健闘しました(参加校10校 21チーム)。参加された生徒の皆さんと引率された先生方、お疲れさまでした。
  成績
屋代Aチーム 総合13位 (筆記16位 実技5位)
屋代Bチーム 総合6位 (筆記9位 実技3位)
屋代Cチーム 総合13位 (筆記12位 実技14位)
屋代Dチーム 総合18位 (筆記18位 実技14位)
<生徒感想>
・課題にみんなで取り組む経験はあまりなかったので、予想より楽しい時間を過ごせた。また、問題も実生活に関わっているようなもので、難しかったけれど解いていて面白かった。
・私は実技に参加しましたが、制作時間40分の中で、試作品と同じものを作ることが厳しく、粘土をあまり飛ばせず悔しかったので、次回参加する機会があれば、時間内に完成できるものを用意していきたいと思いました。今回の参加は、とても良い経験となりました。
・初めて参加しましたが、チームで協力し合って問題を解いたり、実技試験に取り組めたりして、とても楽しい経験でした。生物の問題は難しかったので、勉強してもっと解けるようになりたいと思いました。
・協力してテストを解くという経験が初めてで楽しかった。実技で、他の学校の装置を見ることで思いつかなかった考えを見れて面白かった。来年は表彰されるよう頑張りたいし、また参加したいなと思いました。
・みんなでアイデアを出しあって、ものを作るのが楽しかったです。とても良い経験になりました。

<アカデミックサイエンス実習> 報告

実施日時  11月2日(木)
実施会場  上越科学館 糸魚川フォッサマグナミュージアム・ジオパーク
講  師  永井克行氏(上越科学館 館長) 郡山鈴夏氏(フォッサマグナミュージアム)
参加生徒  2学年理数科(39名)
内  容
上越科学館 (サイエンスショーの見学・実験室での体験実験)
サイエンスショーでは、酸化・燃焼の実験で、物が燃えるには酸素が必要という、ごく初歩的なテーマを取り上げて、大きな丸フラスコに酸素を入れ炭素を燃焼させる実験や、二酸化炭素から酸素を奪って燃焼するマグネシウムのドライアイスのランタン実験、最後に水素爆発の実験を行いました。歓声の上がる実験で締めくくる科学ショーを体験した後、4人1班で過冷却水とアルミ缶の中でダイヤモンドダストを発生させて観察する実験を行いました。
フォッサマグナミュージアム(講義・館内展示見学・構造線見学)
フォッサマグナ形成・糸魚川構造線などについての講義をしていただいた後、館内の展示物の見学をしました。次にバスで移動し、約1時間をかけて、溶岩の流れや糸魚川-静岡構造線の断層等を実際に見学しました。
<生徒感想>
・とても楽しかったです!学校で学ぶだけではなく、外に出て実習を行うことがとても良いなと思うので続けて欲しいです。ありがとうございました。
・実験や観察等で自分の予想とは違う時に新しい発見があり、良い学びとなった。過冷却水の実験では失敗したけれど失敗から学ぶこともあった。今回の学びをこれかにも繋げていきたい。
・フォッサマグナミュージアムで実際に色々な鉱物の結晶とか紫外線によって光る色が変わる石を見ることができたのでとても興味が高まったし、フォッサマグナでも土とかを触って粘土みたいになってるのも分かった。見学時間とかが短いと思ったからもう少し伸ばしてほしい。

<バイオサイエンス特別授業> 報告

実施日時  10月10日(火)
実施場所  屋代高校附属中学校講義室
講  師  中村浩志 先生
(信州大学名誉教授 ・中村浩志国際鳥類研究所代表理事 本校OB)
参加生徒  1年理数科(41名)、シドニー研修参加者(10名)、附属中2年(80名)
内  容  「長野県の希少鳥類の生態と保護」
 中村先生の千曲市での幼少期の経験、高校生時代には考古学や発掘に夢中になっていたことから始まり、研究者としての経験を話してくださいました。カッコウの研究では、ScienceやNatureに掲載されるような新発見をされたこと、恩師の研究を引き継ぐ形でライチョウの生態を研究されてきたこと、生態を理解したうえで保護活動を行ったために、長野県でのライチョウの個体数を増加させることができたこと等を話していただきました。
 高校生対象の講義では、質問の時間が取れて、資金面の話や舞台裏の話まで答えてくださいました。中学生でも理解しやすい内容ではありましたが、お話の裏には多くの苦労や秘話が隠されていると思いました。
<生徒感想>
・今回の講演を受けて、絶滅危惧の野生動物を救うには早めに手を打つことが大切だと分かった。
・今まで自分があまり関わってこなかった分野の講義だったので、初めて知ったこともあってとても面白かった。そして、先生の行動力もすごいと思ったし、自分も大学生になる前までに色々な経験をして、何かのきっかけになればいいと思った。
・もとから生物には少し興味があったのでとても楽しみにしていました。雷鳥が絶滅危惧種だということは知っていたけれど今日の講演を聞いて思っていたよりも危機的状況だった事がわかりました。
・検証のところではすごい面白く感じ将来自分のやりたいことを早く確立させたいと思いました。
・あんまり鳥について興味はなかったけれど今回の話を聞いて少しだけ興味を持った。自分の知らない世界がまだ広がっているんだなと思ってもっと色々知りたいと思った。
・鳥の習性について知ることができた。興味のもったことに対し長年探求し続けているところがすごいと思った。私も見習っていきたい。
・ライチョウが減ってしまっているのは元はと言えば地球温暖化が原因で、人間のせいだから、人間が救うのは絶対に必要だと思う。とても興味深い内容だった。

<ミニフォーラム> 報告

実施日時  9月29日(金)17時~20時
実施場所  屋代高校地学教室 天文ドーム
講  師  高橋英則 先生
(東京大学大学院理学系研究科 天文学  
教育研究センター ・木曽観測所)
参加生徒  シドニー研修参加者(10名)、
天文班員(12名)
内  容
 7月の「星の教室」で2年理数科がお世話になっている東大木曽観測所より、高橋先生をお招きして、SSHサイエンスミニフォーラムを開催しました。お話は、イントロダクション(木曽観測所の紹介、チリのアタカマでの南天)に続いて、南半球での実習案の提案(南半球の星座・プロキシマケンタウリを撮ってみる・星を使って地球の大きさを測る・マゼラン銀河観察・ふたご座流星群カウント・地磁気の伏角偏角を測定)、そして機器の使い方(カメラ・ポータブル赤道儀)という順に、丁寧なスライドで説明していただきました。高橋先生ご自身がチリの天体観測を行っており、実体験に基づいたお話はとても興味深く、3時間はあっという間に過ぎてしまいました。少し曇っていましたが、大きな月も見ることができました。
 受講者については、今回はシドニーでの実験の話をメインに行ったので、シドニー研修参加者と天文班に限って行いました。天文班はこの後に合宿を行いました。
<生徒感想>
・天体知識だけでなく、天体撮影についての説明があったのがとても良かった。
・ふたご座流星群など⚪︎⚪︎座流星群という名前がどうして星座の名前がついているのか不思議に思っていたので知ることができて良かったです。
・普段はそんな気にすることもなく生活していたのでそのなんでこんな写真が撮れるのか?などわかったことがたくさんあるので、それを生かしてシドニーでもとってみたいです。
・長野とシドニーのそれぞれの見える星の範囲や、見え方の違いが分かり、いつか南半球でも星を見てみたいと思った。星雲や流星群のしくみをより詳しく知ることができ、理解が深まった。今後の観察にも大変役立つ講演となり、良い経験となった。