2024年10月の記事一覧
<第19回 高校化学グランドコンテスト>報告
実施日時 10月26,27日(土,日)
実施会場 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
講 師 特別講演 尾嶋正治(東京大学名誉教授)
参加生徒 3年理数科「シュウ酸ビスを用いた化学発光の持続法の研究」研究チーム2名
内 容
日本化学会が2004年より主催し、化学の発展と教育の向上を目指した大会で、本校の先輩は2005年と2009年に全国1位、何度か2位や3位にも入賞している。
コロナ禍前と同じスタイルでの運営で対面形式、レセプションパーテ-も含め運営された。芝浦工業大学での実施となって2年目。研究要旨提出後、〔落選・ポスター・口頭発表〕と事前の審査があることも特徴。また、ポスター・口頭発表ともに旅費の補助がある。口頭発表はもちろんポスターにも優秀チームに賞金や海外(シンガポール)での発表の機会が与えられるなど手厚い支援がなされている。
ポスター発表は前半と後半の2部構成で、どちらかで他チームの発表を質疑応答できる。口頭発表は、事前審査により選考された10チームが持ち時間12分で発表するスタイル。口頭発表はいずれもレベルが高い。
ポスターセッションでは他校の生徒の実験成果を間近に見聞きし、生徒たちは大きく刺激を受け感化されたようだ。口頭発表は他校生の発表を拝聴したが、そのレベルの高さに圧倒されていた。また他校生徒と関わる時間も多くとってあり、他校の様子や、研究へのアプローチなど生徒たちにとって極めて良い刺激を受けたようだ。
口頭発表に選考されるには、時間・適切なアドバイス・大学の先生との連携が大きく関与されるだろうことがわかる。本校で取り組んでいる課題研究も早めに取り組むとか、科学系班活の活性化を待たれるところだ。
<生徒感想>
・多くの専門家の方々や様々な分野の企業の方と交流し新たな着眼点を見つけることができ、とても良い経験になりました。化学を通して国を越えて交流できるなど、充実した時間を過ごせました。
・どの高校も内容や研究の質において、とても高いレベルですごく驚いたし感動しました。ポスター発表では6~8人から、いずれも長時間にわたって深い質問を受けとても勉強になりました。
<高崎健康福祉大学高校生自由研究コンテスト>報告
実施日時 9月13日(金)応募締め切り 10月19日(土)授賞式
実施会場 高崎健康福祉大学農学部キャンパス(本校よりオンライン参加)
参加生徒 3年理数科「かびを生やさずきのこを作ろう~コーヒー殻を使ったカビ抑制~」研究チーム4名
内 容
3年次SS探究としてどのグループもどこかで外部発表するよう求めています。理数科には毎年参加している学会がいくつもありますが、このグループは自分たちの内容とあっていると感じた場所に応募して、見事1番上の学長賞を受賞しました。副賞もいただけるそうです。その他のコンテストでは受賞歴のないグループなので、どこに応募するかは重要な要素の一つといえます。
授賞式の日、生徒4名は校内で模擬試験を受けていましたが、授賞式の時間は抜け出して参加しました。学長より学長賞に選んだ理由が発表され、その後受賞スピーチとしてオンラインで画面共有して発表しました。
<学長賞選考理由>
きのこの育成の失敗から始まった研究だと思われたが、カビの抑制効果がある身近なものを探し出し、効果があったコーヒー殻を利用してキノコの育成に活用した。まだ実験数は少ないが、効果があるコーヒー殻と菌床の割合を求めたことも高評価のポイント。
<生徒感想>
・オンラインの授賞式はカメラに向かって受け取るふりをするなど不思議な感じがあったが、学長賞をいただけてうれしかった。
・他校の受賞グループの方が実験量も多くレベルが高いように思えた。どのグループも失敗からのスタートという内容だったので、失敗は悪いことではないと思った。
<第1回 NSC課題研究研修会>報告
実施日時 10月5日(土)
実施会場 信州大学工学部
参加生徒 2学年理数科11グループ・普通科3グループ、他県SSH校4グループ、県内NSC校5グループ
審査員
信州大学工学部 山本博章 先生(情報・アルゴリズム)
信州大学工学部 梅崎健夫 先生(地学・地盤工学)
信州大学繊維学部 木村睦 先生(高分子化学・環境化学)
信州大学理学部 高梨功次郎 先生(生物・植物学)
信州大学教育学部 藤森隼一 先生(化学・理科教育)
内 容
県内県外から高校生が集まり、SSH生徒研究発表会の審査員である山本博章先生より「審査員目線での良い研究」という講義を受けたあと、数学物理、工学、化学、生物(植物)、生物(動物、生態)の分野に分かれてポスター審査会を行いました。審査員からは、今後発展させるうえでの助言もいただきました。また、引率教員は別室で上田高校の小田切亨先生より「課題研究指導のいろは」を受講し、ポスター審査体験も行いました。優秀な発表グループには以下の賞が贈られました。
【アカデミック部門賞】各部門の審査員からみた最優秀賞
アカデミック数学物理学賞 「重平均不等式」屋代高等学校理数科
アカデミック工学賞 「カナメモチの真っ赤な新葉の色素を用いた色素増感太陽電池」富山県立富山中部高等学校
アカデミック化学賞 「媒晶剤のカルボキシ基の電離で形が変化するNaCl型結晶」富山県立富山中部高等学校
アカデミック生物学1賞 「萎えた野菜を利用して食品ロスを減らそう」大町岳陽高等学校
アカデミック生物学2賞 「アリジゴクの造巣行動に関する研究」山梨県立甲府南高等学校
【グッドアイデア賞】高校教員評価で「着眼点」「独自性」の平均点が高いグループ
「水はねが高くなる落下の条件について」福井県立高志高等学校
「なぜサツマイモは水の中で肥大化しないのか」屋代高等学校 普通科
【アトラクティブ研究賞】参加グループによる自分以外で一番良い研究の投票結果
「簡易ベッドの作成~折り紙テクノロジーを用いて~」 屋代高等学校理数科
【ハイエスト共創賞】パスタタワーの高さ競争(アイスブレーク)優勝チーム
1位(97cm)富山、大町、屋代の混合チーム、2位(93cm)甲府、大町、屋代の混合チーム
<審査員感想>
・高校生の熱意を感じられる良い機会でした。是非継続してください。
・科学好きの高校生にとって良い機会だと思います。中間発表という時期でアドバイスをするのにもよいタイミングだと思います。
・高校生でここまで考えられていることに感動した。ゴールの時期にどこまでやるかをイメージできるともっとポイントをついた研究になると思う。
<他県高校教員感想>
・研究に対する倫理観やデータを扱う上での大切なことを伝えていただけた。
・長年にわたる指導に基づいた、指導上心掛ける点がとても分かりやすかった。
・生徒の主体性を育む絶好の機会を与えていただいた。アイスブレークによって本校生徒も元気になり、笑顔で積極的に発表できた。
・評価の観点が分かりやすく、大勢の教員が評価することも可能と感じた。
<生徒感想>
・他県の生徒たちと交流できる貴重な機会で、とても有意義な時間を過ごせた。
・今回の意見を活かして校内発表で高評価を貰ってやろうと思いました
・面白い研究を沢山見ることができてとても充実した1日だった。
・いろいろな質問に答える上で自分たちだけでは気づけなかったことを多く得られました。
・他校の同学年の科学に興味のある仲間も一堂に会して発表し合えたことで良い刺激になったと同時に、高校や大学の先生にもたくさんの質問やアドバイスをいただけたことで、後期の探究に向けたモチベーションが高まりました。
<課題研究・課題探究 中間発表会>報告
実施日時 8月24日(土)
実施会場 屋代高校第2体育館(開閉会式)・2棟の各教室
助言者
赤地憲一先生(屋代高校同窓会)、村松浩幸先生(信州大学教育学部)、
森山徹先生(信州大学教育学部)、樽田誠一先生(信州大学工学部)、
太田哲先生(信州大学理学部)、秋葉芳江先生(長野県立大学大学院)、
内海重宜先生(公立諏訪東京理科大学)、市川進之介先生(長野電子工業)、
保坂和久先生(千曲市立更埴西中学校)、塚田武明先生(長野県教育委員会)、
蛭間督先生(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
参加生徒 高校2年生
内 容
高校2年生が各会場に分かれて、課題研究・課題研究として取り組んできた探究の内容をポスターセッション形式で行いました。大学教授や企業の製造技術部部長などたくさんの助言者の方に発表を聞いてもらい、助言をいただきました。当日は授業公開日でしたので、一般の方(保護者の方)も多く見に来られました。会場は活気に包まれ、生徒たちがポスターの前で熱心に説明すると、聴衆の方々はそれを頷きながら感心して聴き、質問や助言をしてくださいました。
<生徒感想>
・大学教授や校長先生からの助言を頂くことができ、今後の研究において重要になってくる部分を認識することができた。
・仲間と意見を出し合いながら、今日に向けて課題探究を進めることができた。助言者の先生方にアドバイスいただいたこと、ポスターの書き方や発表の仕方などを改善してより良いものにしたい。
<第16回マスフェスタ(全国数学生徒研究発表会)>報告
実施日時 8月24日(土)
実施会場 大阪府立大手前高等学校
参加生徒 高校2年理数科4名(課題研究数学グループ)
内 容
全国から数学に興味関心の高い生徒が集まり、課題研究や部活動等の研究内容を発表しました。発表はポスターセッション形式で50分の発表を4回(2回発表、2回見学)行い、その場で発表を踏まえた意見交換や研究交流を行いました。自分たちの研究内容を発信するとともに、多くの研究内容について触れ、数学的な理解を深めることができました。本校数学グループの発表テーマは「重平均不等式」です。
成果・課題等
・50分2回という発表時間の中で、ポスターの内容を発表する時間と、補足するために途中式等を自由記述しながら説明する時間を効率的に取ることができ、見学者に研究内容を丁寧に説明することができました。また、説明する過程で自身の考え方を整理し、より分かりやすい発表とすることができました。
・全国から数学に高い興味関心がある生徒が集まったことにより、非常に刺激的な時間を過ごすことができました。意気揚々と発表する他校の生徒の様子や、高校数学の内容を超えた研究発表を多く見学することで、今後の研究へのモチベーションを高めることができました。
・大学教授や他校の生徒から質問や意見をいただき、今後の研究を進める手がかりを得ることができました。
・今回は本校から1グループでの参加でしたが、「数学好き」には非常に有意義な発表会でした。学年学科問わず、数学をテーマに研究している生徒を対象に積極的な参加を促したいと考えています。
<生徒感想>
・知らなかったジャンルの研究から日常生活に関連したジャンルの研究まで色々な研究の発表が聞けて楽しかった
・全国の学校からレベルの高い研究発表が聞け、先生方と議論できたことが非常によかった
・生徒や先生方から頂いたアドバイスや観点を元に更に研究を進めていきたい
・記号の改良、式を用いた表し方の検討などをしていきたい
<アカデミックサイエンス 信州大学工学部実習> 報告
実施日時 8月8日(木)
実施会場 信州大学工学部 E2棟(AICS)2Fセミナースペース他、各研究室
参加生徒 高校2年理数科、オーストラリア研修参加者
内 容
⑴ 研究室に分かれての実験/実習
1 物質化学科「水をキレイにする化学~ヨゴレをくっつけて取る吸着技術」
2 電子情報システム工学科
「光で電流を測ってみよう~光プローブ式電流センサを用いて局所・狭所の電流計測」
3 水環境・土木工学科「泥水を真水に変える膜分離技術」
4 機械システム工学科「デジタルの技を利用して「ものづくり」をしよう!」
5 建築学科「木造建築の伝統的な継手・仕口を作ってみよう!」
⑵ クロージング 成果プレゼンテーション
工学部担当職員・TAの学生・大学院生に入念な事前準備をしていただき、どの講座も大学の研究、実習の一端に触れる生徒にとって刺激的なイベントとなりました。閉会式では、各研究室ごと、実習内容の発表を行い、成果を皆で共有しました。
<生徒感想>
・電子情報学科では、大学の研究成果である微少な回路の測定が興味深かった。
・大型の工作機械を実際に動かして、音叉やペン立てを設計したとおりに作ることができ、物作りの楽しさを感じることができた。
<令和6年度SSH課題研究発表会(全国SSH校の代表グループが集合)>報告
実施日時 8月6,7,8日(火、水、木)
実施会場 神戸国際展示場
参加生徒 3年理数科「廃棄果実から作るバイオエタノール」研究チーム4名
内 容
8/6(火)8:30屋代高校前駅に集合し、神戸国際展示場へ移動。オンライン受付を行い、ポスターをブースに貼り付けた。16:00までには退室。
8/7(水)全231グループが3つの時間帯に区切られ、午前3時間、午後2時間ポスター形式で発表(途中で審査)。各時間帯では稼働グループが2つ、休みで見学できるグループが1つで順番に回していった。審査員は3名1組で10題ぐらいずつを1グループ20分ぐらいかけて審査した。(本校SSHコーディネーターの山本先生はこの審査員の一人)午前中はこの3名が上位2, 3グループを選び、上がってきた約60グループを、各分野の審査員が午後に審査し、6分野から1校ずつが選出された。発表された6グループは翌朝の口頭発表リハーサルに入る。
8/8(木)代表校6校(物理・工学、数学・情報、地学、化学、生物A、生物Bの各分野から1校ずつ)によるプレゼンテーション形式による全体発表。発表10分、質問10分。質問は途切れることがない。昼食後、70分間再びポスターセッション。口頭発表した6グループのブースに人が群がる。その後、表彰式。電車の時間がギリギリなので、荷物をすべて持って表彰式会場へ。新神戸駅近くの宿から大きい荷物を受取り帰路に就いた。
231題のポスターが広大な部屋に並んでいる光景は圧巻であった。口頭発表に選ばれた6グループの発表者は大勢の聴衆の前で堂々と楽しそうに発表していた。 昨年度は高校レベルを超えているような難易度の高い研究が多く受賞した印象であったが、今年度は高校生らしいアイデア勝負のテーマや、比較的単純作業でも地道な努力で積み上げたデータから考察したテーマが多く選ばれたように感じた。
<生徒感想>
・発表するだけでなく、簡潔に説明したり質問をする力なども磨くことができて良かった。他の研究では、自分では思いつかないような手法も多くあって沢山のことを学べた。
・1年生か2年生の時に今回のような発表の場に参加することができたら、頂いたアドバイスを活かしてより良い研究にすることが可能だったと思う。屋代高校でも一年次から継続的に研究できれば、もっと研究が活性化するのではないかと思った。