活動報告

活動

<ジオサイエンス連携講座> 報告


<ジオサイエンス連携講座> 報告
実施日時  1月23日(月)
実施会場  屋代高校3棟2階 地学教室
参加生徒  高校1年7組(理数科)
講  師  信州大学 名誉教授 鈴木啓助 先生
演  題  「地球温暖化と地域での応答」
内  容
昨年までは1時間の枠で実施していましたが、内容が盛りだくさんで多岐に渡り、生徒が考える部分が多いという理由で、今年度は2時間に拡大した時間枠で実施しました。地球の物質循環,特に水の循環が専門で、南極越冬隊員としての経験もある鈴木先生から,地球環境に関する特別講義をしていただきました。太陽放射と地球放射の釣り合いから地球大気・地表面の温度をシミュレーションした話に始まり,温室効果,平均気温の変化等に話が進みました。南極の氷から,地層のように過去の環境を読み解いていく過程を教わり,地球温暖化について,昨今マスコミが騒いでいるような単純な話ではなく,正確なエビデンスに基づいて多面的に評価していく必要があることを先生は強調しておられました。
<生徒感想>
・論理的な観点から温暖化について聴くことができて、とても勉強になったし、学ぶことができてよかった。
・メディアで散々言われてきた地球温暖化が本当は数値などを用いて検討することによって否定することができることを知って面白いなと思いました。多くの場所で言われてるからではなく、実際のデータからそう言えるのかを考えていきたいと思いました。丁寧な説明で分かりやすかったです。
・データで見ることの大切さをとてもよく知れました。地学がもっと知りたいと感じた。

<バイオサイエンス連携講座> 報告

実施日時  11月22日(火) 12月26日(月)
実施場所  長野県総合教育センター(塩尻市)
参加生徒  高校1年理数科
講  師  山口秀樹先生 岡沢啓司先生 柳澤瑞樹先生 塩島淳志先生
(長野県総合教育センター情報産業教育部)
内  容
次の4種類の実習を2日間に分けて実施しました。
① 茎頂観察とバイオテクノロジー技術
 カーネーションの組織培養を想定して茎頂組織を摘出し、その様子を顕微鏡で観察し、茎頂部分の写真を撮ってその画像を使って長さなどを計測しました。これまでは、ミクロメーターしか使ったことがなかったので、顕微鏡をパソコンと繋ぎ、スケールバーを作成して長さを測るのは良い経験になりました。
② 電子顕微鏡を活用したミクロ探査
 光学顕微鏡では観察することが難しいミクロの世界に触れる機会は、大変貴重でした。食虫植物(モウセンゴケ)の葉の表面に生えた繊毛を観察した生徒は、消化酵素を含んだ分泌液が繊毛のどこから排出されているのかを仲間と議論しながら確かめていました。また、さまざまな条件においた自分の毛髪を観察する生徒や、リンスや酢酸、台所用洗剤など、条件によって毛髪の表面の構造が変化する様子を観察する生徒もいました。
③ モーションキャプチャ技術とアニメーション制作
 工業分野の実習として、映画やスポーツ工学の分野で広く使用されているモーションキャプチャ技術を体験しました。前半では、フリーソフトウェアのMikuMikuDance(MMD)を使用し、PC上のキャラクターを動かしましたYouTube上の動画などで見る機会は多いですが、自作するという体験は初めてで、足の関節の角度や指一本一本に注意を払いながらキャラクターを人間らしく動かすことに苦労しました。後半ではkinect360を使って、自分たちの動きをデータ
化して動画に落としこむモーションキャプチャ技術を体験しました。
④ ドローンプログラミング
 ドローンに関する基礎知識を習得した上で、初心者向けのプログラミング言語「Scratch」を使用し、ドローンの制御と操作を行いました。大半の生徒はドローンに触れるのは今回が初めてであり、構造や重さなどの外観、構築したプログラム通りに動く様子などに、興味は尽きない様子でした。

<生徒感想>
・ドローンの実習は科学の甲子園にも役立つと思ったので、来年以降出場する人も理数科には多いと思うのでやって欲しいです。ドローンやモーションキャプチャは普段扱えないことを簡単なものややり方で学べたし、電子顕微鏡や茎頂観察は普段見ることの出来ない小さな部分を観察できたのでどれも科学の知識や意欲がすごく上がっていい実習だったと思います。
・普段なかなか体験できないような体験を、2日かけて体験させてもらえてとても楽しかった。分野も1つではなく、さまざまな刺激をもらえた。個人的に、欠席の関係で予定のペアで出来なかったのは少し残念だけど、特にドローンが1番面白かった。またこのような機会を設けてもらえると嬉しい。
・自分が一人一研究活動に用いてきた試料を電子顕微鏡で観察することでよりその試料への理解が深まったと思います。またそれについて外部の方と意見交換ができたのでよかったです。

< SSHサイエンスショー坂城中学> 報告

実施日時  12月19日(月)
15時40分~16時40分
実施場所  坂城中学校 理科室
参加生徒  本校2年理数科8名
対象生徒  坂城中学生 1~3年生16名
内  容
昨年度に引き続いて、サイエンスショーを今年度も行いました。実験の楽しさや、本校
理数科の魅力を中学生に伝えるために、保護者懇談会の午後を使って坂城中学へお邪魔しました。内容は、理科の実験の紹介と質疑応答です。理科の実験では、
①化学反応で色が変わる!
②液体窒素を使った-196°の世界
③リニアモーターカーの動く原理
を行いました。中学生でも分かる化学反応で、色がついたり消えたりする実験では、中学生に反応を考えてもらいました。液体窒素の実験では、バラの花やテニスボールを凍らせて落としてみたりしました。そして、リニアモーターカーの原理では、低温にした状態で磁石を用いて、浮かび上がらせて、抵抗が少なく移動できる原理を紹介しました。中学生からは歓声が上がり、楽しく実験を行うことができました。
質疑応答では、中学の時の成績や、将来の夢、さらにはプライベートな生活の事まで、高校生の先生達が中学生に優しく教えていました♡♡屋代高校理数科を目指す中学生が増えてくれたことは間違いなし!!の楽しいイベントでした。
<生徒感想>
・理科の実験を純粋に楽しんでいたかつての思い出が蘇ってきた。説明するために、溶液のことも、液体窒素のことも以前より詳しく知る必要が出てきて、授業でやったからという受動的なものではない能動的な学びにつながって、普段より積極的に考えることができたと思う。後輩たちの代も続けて欲しい。
・中学生に実験を見せるというものでしたが、準備や予備実験、本番を通して、自分自身知らなかったことや見たことがない実験をすることができてとても面白かったし良い勉強になりました。自分が思っていたより意欲的な中学生が多く、もっとその雰囲気に応えてあげれば良かったかなという反省はありますが、色々考えてできたので印象に残る良い経験なりました。
・理科への興味の有無に関わらず楽しんでもらえるような実験を考えて行うことの難しさを学ぶことができ、嬉しかった。また、この活動を通して科学的な知識も増えたのでよかった。坂城中の皆さんがいいリアクションをしてくれて嬉しかった。

<アカデミックサイエンス化学連携講座> 報告

実施日時  12月13日(火) 10:55~12:55
実施場所  屋代高校3棟3階 化学教室
参加生徒  高校2年7組
講  師  信州大学繊維学部 名誉教授 東原 秀和 先生
演  題  「炭素の化学
~ナノカーボンの世界と21世紀のナノテクノロジー~」
内  容
  化学の連携講座は2回目になりますが、今回は「炭素」に関する講義をしていただきました。グラフェンという炭素の結晶層から、フラーレン、ナノチューブ、グラファイト(黒鉛)等の物質が作られる様子を説明していただき、その後、実際にそれぞれの模型を作成して、構造を確かめました。炭素を使った研究の応用や、今後の研究の可能性等、夢のあるお話をしていただきました。
<生徒感想>
・今回の講義では、ナノカーボンの世界について詳しく学び、今まで詳しく学んでいなかったのでとても役立ちました。ナノサイズの世界は目に見えないほど小さいけど、模型を作ることで小さい世界でも想像しやすくてイメージを掴むことができました。炭素の同素体はいろいろな場面で私達の生活にも身近なところで多く使われていて身の回りにある炭素の同素体を見つけたいなと思いました。講義では特に、マゼラン星雲でもグラフェンやフラーレンの生成を発見したことや、2050年建設を目指したカーボンナノチューブのケーブルについて、また医療の分野でも地域でどのくらいコロナウイルスが流行しているかが分かるようなデバイスを開発したことが興味深かったです。炭素はこんなにも私達の生活において重要な役割を担っていることに改めて気付くことが出来ました!とても楽しかったです!ありがとうございました。
・実際に自分達でモデルをつくってみたことで、炭素の同素体それぞれの違いや構成が視覚的に理解出来ましたし、それぞれの性質を議論を通して考えることができ,今までの理解が深まったように感じます。また、C 60分子の発見がカーボンナノチューブなどの発見につながり、今では色々な技術に応用されているというような歴史を知ることができ、科学の可能性の大きさに衝撃を受けました。そして、色々な学問が結びつき、新しい技術が生まれるというお話を受け、この先,どんな分野に進んでいくとしても、そこに隠されたものを見つけられるよう、今学んでいるような基礎知識を大切にしていきたいと思いました。

<第10回科学の甲子園ジュニア> 報告

実施日時  12月2~4日
実施場所  兵庫県姫路市
参加生徒  森栗之介 宮澤希成 島田素 古旗采和(中学2年)
内  容
  全国の中学生が都道府県対抗で科学の知識や応用力を競う「科学の甲子園ジュニア全国大会」が開催されました。この大会は、科学を学ぶ楽しさや意義を感じてもらおうと、科学技術振興機構(JST)が2013年に開始し、今年で10回目になります。
長野県代表チームは、6名のうち本校附属中学生が4名のチーム構成です。
47チームで、理科や数学に関する筆記試験と実技試験の計900点満点で総合順位を争いました。実技では紙とテープだけで作製した橋の模型の耐久性を競いました。
結果は、富山代表チームが優勝、2位は愛知、3位が長野でした。
  これからも、附属中学校の授業をはじめとした探究活動などを通して、思考力・判断力・学ぶ姿勢などを高めて、高校生になったら、次は科学の甲子園への出場・活躍を期待しています!

<アカデミックサイエンス連携講座(東京大学横山先生)> 報告

実施日時  11月30日(水)
実施場所  本校3棟3階物理教室 中学棟講義室
講  師  東京大学 大気海洋研究所 横山祐典 教授
参加生徒  高校2年理数科、附属中学3年生
内  容
地球温暖化をテーマに、研究成果を交えながら講演をしていただきました。温暖化の科学的根拠は何なのか。何を基準に温暖化していると言えるのかについて、データを示しながら、また生徒と対話を交えながら説明してくださいました。実際に観測機で測ることのできない過去の気温をいかに知ることができるのか、二酸化濃度をどうやって知ることができるのか。その方法として、古文書や木の年輪、氷床コアの気体分析、また年代の測定には放射性同位体である炭素14を使うなど、測定機器の進化も重要要素であると説明されていました。
 二酸化炭素濃度は現在410ppmになっているが、大気が無くなると表層気温が-15℃になってしまう。二酸化炭素の増加だけですべてを判断するのではなく、二酸化炭素がどこから発生し、どんな影響を及ぼしている二酸化炭素なのかを調べることが大切で、大きな科学的な視点で考えることが重要であると教えて頂きました。
<生徒感想>
・過去の環境を知るために脂肪酸と同位体に着目したという発想力がすごいと思った。わずかな実験の差で結果が大きく変わってしまうような精密な実験を大学ではしていると考えると面白そうだなと思った。
・地球温暖化について、細かいデータなどの明確な根拠に基づいた知識がついたし、どうしてそうなるのかというプロセスまでを教えてもらって、さらに化学の分野にも知識を深めることができた。また、先生の話が面白く、最後まで楽しく話を聞くことができたので、とても感謝している。もしまた機会があったらぜひ講演を聞きたい。

<ジオサイエンス連携講座> 報告

実施日時  11月29日(火)

実施会場  屋代高校3棟2階 地学教室よりオンライン配信(高校生対象)

      附属中学校講義室(中学生対象)

参加生徒  高校1年7組 附属中学1年生

講  師  信州大学 特任教授 大塚 勉 先生

演  題  「信州で地質学を学ぶこと」(高校生)

      「地震はなぜ起こるの?地震について学ぼう」(中学生)

内  容

直前に1年7組が学級閉鎖になってしまったため、高校生対象にはオンライン配信での特別授業となりました。信州大学の紹介(理学部地質系を中心に)、日本列島の骨格(付加体の研究)、地震災害への対応、活断層の研究の順で説明していただき、3年前の台風19号の災害に関係して、長野盆地の地形についても教えていただきました。

信州大学理学部の地球学コースでは地質調査や巡検があり、卒業研究では外国へ調査に行く人もおられ、サハリンや中国等での調査の写真も紹介されました。地質調査の基礎(フィールドワークの方法など)から、地層の読み方、付加体の形成過程、日本列島のでき方、東アジア地域の地質など、地質学全般に関する内容を、多くのスライドを用いてとても分かりやすく説明していただきました。地震災害・活断層に関しても、具体例を多く用いて、特に長野県内の活断層については、盆地地形と関係して詳細な説明がなされました。新たに見つかった上田地域の活断層についても教えていただきました。また、1847年善光寺地震の山崩れを含めた災害の様子や、災害を最小限にするための工夫(法律、地盤など)についても教えていただきました。

中学生対象の講義では、最初に長野盆地の地形とその形成過程について説明していただき、地震の実際、震度とマグニチュード、地震はなぜ起こるか、長野県はどのような場所か、地震の被害は減らせる!という順で、多くのスライドを使用しながら丁寧に教えていただきました。前半部分は教科書的な内容、後半部分は長野県(千曲市)の特徴や近隣で起こった地震災害など、地域的な内容でした。最後には、中越地震での実際の被害写真(子ども部屋が崩壊した写真)をみて、どうしたら被害を減らせるかについて、ディスカッションをしました。

<生徒感想>

・地学を活かした職業から、活断層分布(盆地分布)、身近な地震対策まで深く知ることができました。研究では、北陸地方とユーラシア大陸東岸が一連の層であったことを中国を渡り歩いて地層を調査し、更に古生代の放散虫の地層から付加体がどう形成されたかを導いており、深く壮大だと思いました。また、長野県や千曲市といった身近な地域がどんな地質なのか知り、地震対策に意識を向ける必要があると思いました。(高校生)

・初めて聞くワードや、自分が住んでいる場所についての地形や地震のことを知ることができたのでよかったです。研究を通して、過去の地形や当時の姿などを知ることができるのはとても興味深いです。ありがとうございました!(高校生)

・震源やマグニチュードなど、聞いたことはあるけど意味やどんなものかを知らないことがたくさんあって勉強になりました。また、地震が起きた後の実際の様子を見て地震が起こる前に「家具を固定する」「出入り口に倒れる物を置かないようにする」などに気を付けることが大切だと思いました。(中学生)

・善光寺地震の「地滑りとダム」の部分が面白かったです。昔の絵を山の地形と照らし合わせて考えるのが面白かった。今後もこのような地学のSSHを行ってほしいです。(中学生)

<信州サイエンステクノロジーコンテスト> 報告

実施日時  11月13日(日)

実施会場  長野県総合教育センター

参加生徒  

屋代A:三輪輝人 小林篤季 小笠原楓真 大栗颯人 宮内嘉大 並木優弥

屋代B:轟真帆 古平蒼真 三澤駿也 西澤和都 橋元舞生 島田俊作

屋代C:宮島空未 松代楓愛 山倉ふみ樺 酒井真央 塚原玲樹 田野口瑠実

内  容

県内9校18チームが参加して、3月につくば市で行われる「科学の甲子園全国大会」への県代表を目指して、筆記試験と実技競技で競い合いました。本校からは理数科2年(Aチーム)、普通科2年(Bチーム)、理数科1年(Cチーム)の3チームが参戦しました。

午前に行われた筆記試験は、理科、数学、情報の中から、修得した知識をもとにその活用について問う問題が出題され、知識に加えて思考力や論理的な記述力を必要とする内容の試験でした。屋代Bチームが、分野別数学、情報で各1位、総合1位と大健闘しました。

 午後時実施された実技競技は、理科、数学、情報にかかわる実験、実習、考察など、科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やコミュニケーション能力などにより課題を解決する力を競い合うものでした。チームを二つに分けて作成し、それぞれコンテスト行いました。作成の内容は、コーヒーフィルター・糸・ワッシャを使ってパラシュートを作るというもので、コンテストの内容は、そのパラシュートを2階から落とし、的のできるだけ近くに落とすこと、滞空時間が長いことの2観点で競いました。滞空時間を長くしようとすると、空気抵抗が大きく的の近くに落とすのが難しくなるため、そのバランスや何を優先するのか決断が必要で、チームワークが問われたコンテストでした。結果は屋代Aチームが2位、Bチームが5位でした。

 総合順位は、筆記・実技それぞれの点数の合計点で決まるのですが、実技点が順位に大きく影響しました。屋代Aチームは筆記7位、実技2位で総合優勝し、3/17からつくば市で行われる「第12回科学の甲子園全国大会」の長野県代表となりました。つくばでの活躍も期待しています!

 

成績

屋代Aチーム(2年理数科) 総合優勝 (筆記7位 実技2位)

屋代Bチーム(2年普通科)  4位  (筆記1位 実技5位)

屋代Cチーム(1年理数科)  18位 (筆記17位 実技15位))

 

<生徒感想>

・1年前たてた目標を達成できて本当に嬉しい。チームで協力して結果を出そうと努力することの楽しさを実感できる1日になった。

・まず一番は、まさか本当に全国大会に行けるとは思っていなかったのでとても驚いているということだ。表彰式で自分達の名前が呼ばれた時は本当に嬉しかった、というよりか信じられなかった。科学の甲子園の全国大会に出られるような経験は滅多にないと思うので、楽しんで行きたいと思っている。

・筆記競技では物理を担当したが、アインシュタインの相対性理論の話が出てきたり、履修していない回路の問題が出てきて難しかったが、回路は中学の時に勉強した内容である程度は解くことができた。また、考えても分からなそうな問題を諦めて他の人を手伝った結果、少しは点数が稼げたので大事な判断だったと思う。

・実技競技のパラシュートは、各々が自分の思うように制作していっては悪いところを改善していくようなスタイルで制作をしていたので、もしかしたら1つもパラシュートが完成せずに終わってしまっていた可能性だってあったと思う。だが、何とか2つのパラシュートを完成に漕ぎ着け、さらに2つともかなり安定して高得点を叩き出せていたので、本当に運が良かったと思う。

<バイオサイエンス連携講座(富山大学土'田先生)> 報告

実施日時  11月2日(水)

実施場所  本校中学棟講義室

講  師  富山大学 学術研究部理学系 土'田 努 准教授

題  目  「昆虫の暮らしを支える共生関係」

参加生徒  高校1年理数科、附属中学2年生

内  容

共生(Symbiosis)・内部共生について、高校生物の教科書の記載を交えて、説明していただきました。具体的には、昆虫とその体内に住まう共生細菌について、昆虫の体色と機能(エンドウヒゲナガアブラムシと共生細菌Rickettsiella)や、虫こぶ形成(マダラケシツブゾウムシとアメリカネナシカヅラ)に関して紹介していただきました。最後に、大学についてや研究者という職業について、先生のお考えを交えてお話してくださいました。

<生徒感想>

・高校1年の私にはわからないこともたくさんありましたが、とても面白いお話を聞くことができてよかったです!理学部などで勉強した後は、先生や研究者になる他にどのような仕事に就くことが多いのか知りたいなと思いました。

・難しい内容も多かったが、スライド一つ一つがわかりやすく、面白かった。また、共生のところではいろんな場面でたくさんの共生が存在していて、とてもためになったし、楽しかった。

<アカデミックサイエンス(上越科学館・ジオパーク研修)> 報告

実施日時  11月1日(火)
実施場所  上越科学館、糸魚川ジオパーク(フォッサマグナミュージアム)
参加生徒  2年理数科
内  容
上越科学館では、ドライアイスを使って、低温状態でのさまざまな実験を見せて頂きました。また、体験実験として、過冷却水を実際に作って凍る変化を観察したり、空き缶とドライアイスを使ってダイヤモンドダストを作る実験を行いました。
フォッサマグナミュージアムでは、フォッサマグナ形成・糸魚川構造線などについての講義をしていただいた後、館内の展示物の見学をしました。次にバスで移動し、フォッサマグナミュージアムの職員の方にガイドをしていただきながら約1時間をかけて、溶岩の流れや糸魚川-静岡構造線の断層等を実際に見学しました。
<生徒感想>
・科学博物館では、液体の酸素や超伝導など滅多に見れない貴重なものが見れてよかった。実験では、過冷却水の実験がとダイアモンドダストの実験に応用されていてとてもためになった。家でできるような簡単なものでも驚くような結果が得られて面白かった。フォッサマグナパークでは、自然が作り出した鉱石がとても美しかった。その後の実地見学では、数万数億年前に作られた崖の壮大さがすごかった。
・上越科学館では普段は見ることができないような液体窒素の実験を見ることができた。学校で学んだことの応用的な内容で、理論を考えることができた。糸魚川フォッサマグナミュージアムではヒスイについて学んだり、糸魚川はプレートの境界に位置していることを知った。ジオパークとしてユネスコ認定されている糸魚川では自然をとても重要視していることがわかった。

<課題研究・課題探究 中間発表会> 報告

実施日時  8月27日(土)8:30~12:00
実施会場  第2体育館(開閉会式)・多目的教室・2棟の各教室
助言者  伊藤冬樹先生(信州大学教育学部)、樽田誠一先生(信州大学工学部)、
太田哲先生(信州大学理学部)、羽田司先生(長野大学環境ツーリズム学部)、
内海重宣先生(公立諏訪東京理科大学)、利根川太郎先生(JST)、
奥原靖彦先生(長野県教育委員会学びの改革支援課)
内  容
高校2年生が各会場に分かれて、課題研究・課題研究の中間発表を、第1部は非公開、第2部は公開として、ポスターセッション形式で行いました。当日は授業公開日でしたので、一般の方(保護者の方)も多く見に来られました。県内の他の高校からも、関係の先生方が多く見に来られました。
ポスターの前で熱心に説明する生徒達と、それを頷きながら感心して聴いて、時に質問や助言をしてくださる聴衆の方々、アカデミックな雰囲気が感じられる会でした。
運営面の反省点があります。多目的教室には多くの聴衆が集まったのに対して、2棟の教室(特に3階)には聴いてくれる方が少なかった事です。この行事は、元々は体育館で行っていたのですが、クーラーの利いた部屋で行った方が良いのではという事で、今年度は多目的室を使用してみました。来年は今年度の反省を生かして実施したいと思います。
閉会式では、助言者の先生方からお一人ずつ、激励の言葉をいただきました。探究活動はこれから先、3年生になっても継続して行われます。今回の中間発表で頂いた助言を生かして、さらに深まった研究にしていってください。
<生徒感想>
・同じ学年の人だけでなく保護者の方の意見や専門の方の意見を聞くことをでき、気づくことができなかった研究の課題や、さらに研究した方がいいことを発見することができました。また、他の班の発表を聞く中で今まで知らなかったことを詳しく学ぶことができたため有意義な時間となりました。今日の経験を活かして今後の研究や発表に繋げたいです。
・自分達の発表を皆さんに見ていただいき、とても楽しかったし、とても参考になったので良かったです。
・研究の途中で今の状況をポスターにまとめた事は、今までやってきた研究を一度きちんと整理し、今後どういう方向で進めていくかを考える上でとても良い時間だったと思いますし、大学などからお越しくださった先生方に質問や的確なアドバイスをしていただいてとても勉強になりました。大学の先生方は私たちが考えられていなかった角度から研究へのアドバイスをしてくださったので、もう一度その観点からも調べていきたいと思いました。全体としてとても良い経験になったと思います。
  ・ポスターセッションは初めてでしたが、とても良い経験になりました。多くの方に意見をいただくことが出来たのて、それらを活かしてさらに良い探究学習にしたいです。

<高1野外観察実習> 報告

実施日  8月25日(木)
実習場所  上高地コース(1・4組)  上高地ビジターセンターから散策
      乗鞍高原コース(2・3組) 乗鞍自然保護センターから大雪渓、国民休暇村
      志賀高原コース(5・6組) 前山リフトから四十八池の散策
      戸隠化石採集コース(7組) 実習および戸隠地質化石博物館

天候やコロナ感染症が心配されましたが、全行程予定通りに、無事に実施することができました。特に天候は、何とかギリギリ逃げ切ったという感じで、前日までと当日の夕方からは降雨でした。
ちなみに、学年生徒全員で自然観察実習を行っている学校は、全国のSSH校の中でも極めて珍しく、本校の特色の一つです。本校では、「実験・実習・体験」に基づいた理数系教育を重視しており、このような機会を長年積み重ねてきました。ガイドを務めてくださった講師の方々や企画をしてくださった先生方、本当にありがとうございました。

<生徒感想>(上高地)
・教科書やインターネットの画像や動画で全てを知ったような気でいたが、今回の野外学習を通して、実際に自分の目、肌、耳などで自然を感じ、新しく学んだことが多い1日となった。肉眼で景色を見たり、実際の空気・水の冷たさを肌で学ぶことは日常生活では味わえない楽しさがあり、フィールドワークに対して重要性を感じるとともに、深く興味を持つことができた。これからもこのような機会を大切にして、自分の体で経験する活動に積極的に取り組んでいきたい。
・私は上高地に行くのが初めてだったが、人の手が全く加わっていない原生林、川を目の当たりにして、自然の雄大さ、素晴らしさを実感し、物凄く圧倒された。街路樹や人工林を見て、木は環境に良いとか自然は良いとかを言っていた自分を、恥ずかしく思うくらい、原生林の生命力の強さ、その姿勢、生態系の豊かさがとことん詰まっている感じが本当によく伝わり、これから自然や生態系について問題視し、考えていくきっかけになった。木や草花の生命力は本当に強く、どこまでも根を張って生きようとするその様子に、心を打たれたし、私も小さな事でクヨクヨしたり諦めてしまったりせず、最後まで、できるところまで、一生懸命頑張らないといけないと思った。又、自分が普段暮らしている場所では感じられない、自然の生態系や空気の良さ、気持ちが良い涼しさを感じることができて、今まで溜まっていた疲労を癒し、自分自身リフレッシュすることができた。川の水もすごく綺麗で透き通っていて、そして冷たくて、すごく癒された。自分は田舎に住んでいると思っていたが、自分が住んでいる場所は実際にそこまで田舎ではないことに気付いたし、このような自然を体全体で感じられる経験は、これから大人になればなる程、なかなか無いと思うので、良い経験になった。
<生徒感想>(乗鞍高原)
・自然について、木やキノコなど沢山の知識を身につけることができ、充実した一日となりました。いつもの住んでいる地域にとどまらず、他の場所に行き、環境や講師の方のお話を聞くことで普段と違う経験が得られて、新たに多くのことを学ぶことができました。自然環境について興味が高まりました。これから色々なことに興味を持って過ごしていきたいです。私は、講師の方に教えていただいた「ありがとうゲーム」を実践していきたいです。
<生徒感想>(志賀高原)
・今まで一度も行ったことがなかったこともあり、感心をもつことができた。特に講師の方が説明して下さる志賀高原の自然のでき方や歴史を、実物を見ながら聞くことがとても充実していて楽しかった。
・ジブリ作品でしか見たことがないような景色を実際に見ることができて感動した。
・自然を体験出来た貴重な機会となりました。こういう活動は可能な限り増やしていけばいいと思います。
<生徒感想>(戸隠)
・小学校の時に行った場所だったが、知識が増えてから行くとまた違った見方ができてとても面白かった。長野県の昔の状態を化石から考え、広げていくという面白い見方ができた。
・地学は触れる機会はないけど化石とかを分析するために植物のこととか生物のこと歴史も知っていないといけないとても大変でとても重要なものなんだとわかりました。地層も実際に見て手で触ることでより違いがわかったので実際にいろんなことをするというのはとても大切なんだと思いました。

<科学に親しむ教室> 報告

実施日   7月28日(木)、8月4日(木)
実施会場   稲荷山公民館(7月28日)、埴生公民館(8月4日)
参加児童   25名(稲荷山公民館)、9名(埴生公民館)
講  師   屋代高校生・附属中学生 27名
内  容  「音の科学」
①音って何だろう
②ストロー笛をつくろう
③ワイングラスで音を鳴らそう
④ドップラー効果
「夏の星座」
夏の星座版をつくろう
この取り組みは、昨年から始めて、今年で2回目となります。今年の実験の内容は、「音の科学」と「夏の星座」。講師の先生たちは各自のデバイスを用いたり、実験を演示したりしながら、小学生に分かりやすいように説明をしていました。子どもたちへの問いかけやトークが面白く、終始賑やかで楽しい雰囲気の中で科学実験を行うことが出来ました。
ストロー笛とワイングラスは少し工夫すればだれでも音が鳴らせる実験です。小学生たちはストローの長さを変えたり、ワイングラス内の水の量を変えたりして、講師の先生たちの優しいサポートを受けながら、熱心に取り組んでいました。
埴生公民館では、理科実験の後にニュースポーツを子どもたちと一緒に体験しました。チームに分かれて点数を競い合い、大盛り上がりでした。
7月27日に上徳公民館で予定していたのですが、コロナのために中止になってしまいました。
<生徒感想>
・小学生の子達に教えるのは初めてだったけれど、一生懸命話を聞いてくれたのでとても嬉しかった。ストロー笛の時に音が出ない子がいて、もっと上手く教えたかったなと思った。いい経験ができたので参加して良かったなと思った。
・もちろん今じゃ先生になることは厳しいですが、やっていてすごく楽しいと感じましたし、是非とも教員になってみたいなと思いました。将来を考える上で非常に参考になりました。企画、指導してくださった先生方、ありがとうございました。

<東北サイエンスツアー> 報告

実施日   8月1日(月)~3日(水) 2泊3日
実施会場   福島県立福島高校、東北大学工学部、つくばの研究施設
参加生徒   生徒32名(1学年4名、2学年26名、3学年2名)
内  容

福島県立福島高等学校との交流、屋代高校OBとの交流(1日目)
東北大学工学部訪問(2日目)
筑波実験植物園、CYBERDYNE STUDIO、筑波宇宙センター見学(3日目)
1日目、福島高校からは「ポルサイトの循環合成の最適条件の検証と自作リークテスト器による流水実験」、屋代高校からは「電気分解による消毒液の作製の研究」と、それぞれSSHの課題研究の発表がされました。その後、簡易放射線測定器はかるくんを使って、校舎周辺の放射線測定実習行いました。さらに、SSH主任教諭の高橋先生から震災当時のお話を聞かせていただき、地震の影響の映像、相馬の津波後の様子の映像を見ました。最後には、「他県からみた福島」「震災後の福島」について、グループディスカッションを行いました。宿舎では、夕食後に屋代高校卒業生5名の先輩が来てくださり、座談会が行われました。先輩からの勉強方法や勉強のスケジュール、大学の魅力など、高校生の質問にも答える形で進めました。
2日目は、東北大学工学部の紹介と模擬授業をお聞きしました。工学部の全体説明を入試広報の先生から受けた後、「電気自動車が拓く新しいエネルギー社会」、「燃料電池・全固体電池って何がすごいの?−未来を変える材料科学の世界−」、「真空技術と化学の融合−電子部品の中の薄膜という材料とは?−」について、それぞれ教授から講義を受けました。生徒達は大学の授業を体験でき、研究について興味を深く聞いていました。大学進学への意識づけとなったようでした。
3日目は、国立科学博物館が植物の研究を促進するために設置した植物園である、つくば実験植物園で、植物の多様性や生態系、絶滅危惧種などについて学び、CYBERDYNE STUDIOでは最先端の医療機器などの装置を実際に装着してみる等、大学の研究が社会でどのように活かされているのかを体験しました。最後に筑波宇宙センターにて、展示館「スペースドーム」を見学しました。実物大の人工衛星や本物のロケットエンジン、日本実験棟「きぼう」の実物大モデルなどを間近に見学してきました。
<生徒感想>
・とても実りのある実習だったと思います。3日間を通して、自分の進路について深く考えることが出来ました。普段学ぶことの少ない最先端の技術について学ぶことができ、私も将来、今ある技術をより良くしていけるような研究が出来たら素敵だと思いました。他にもOBの先輩から沢山のアドバイスをいただけたり、東北という場所に実際に足を運び、震災の経験を知ることができ、自分で調べること以上のお話をお聞きできて良かったです。
・私の中では福島の高校生と交流出来たことがとても嬉しくて、本当にいい経験ができたなと感じました。同世代なのに津波や震災についての意識の高さに大きな差を感じました。放射線については、自分の無知さにショックを受けたぐらいでした。今まで原発はどこか他人事のように感じていましたが、実際に同世代の人の体験談を聞いて、もっともっと震災に合わなかった他県の人も震災についての正しい知識をつけるべきだと感じました。他県の方とお話する機会は今までほとんどなかったのでとても良い刺激となりました。また機会があれば、他県の方とお話して意見を交流したいと思いました。

<星の教室> 報告

実施日  7月14日(木)~15日(金)
実施会場  屋代高校 多目的教室他
参加生徒  2年理数科
講  師  東京大学 山岸光義 先生、 東京大学 鮫島寛明 先生
東京大学木曽観測所 森 由貴 先生
T  A  東京大学大学院理学研究科天文学専攻 修士 成田佳奈香さん、船越菜月さん
内  容  
実習1「視角をつかって距離を測る」
実習2「銀河までの距離を測る」
実習3「宇宙の年齢を求める」
グループ発表
各班で作成したスライドをスクリーンに投影し、宇宙の年齢についての思考過程と結論を説明(各班質疑応答含めて10分程度)

宇宙の年齢を求める事を目的として、銀河までの距離を計算するためのデータ収集を行い、後退速度の情報を合わせて、各班で考えて発表するという内容です。講師・TAの方が上手に手を入れてくださり、班ごとにそれぞれユニークなモデルを考えながら話し合いを進めることが出来ました。
今年度からは、生徒は全員iPadを持っていたので、テキストを電子配布として、グループ発表もiPadを用いて行いました。学校にあるsurfaceも用いて、一人二台のデバイスを駆使して実習が進みました。各班の発表内容について、講師の先生方より事後に詳細な解説もいただけて、生徒と共有しました。電子化したメリットが大きく発揮されました。
コロナ禍で屋代高校開催となりましたが、本来ならば木曽にある東京大学の観測所で行っていた実習です。国内有数のシュミット望遠鏡を用いて観測している研究施設内で、宿泊して実習を行うことが出来ずに、少し残念でした。しかしながら、この企画を中止とせず、様々な工夫を凝らして、実習の本質的な部分(宇宙の年齢を考えて、発表して、議論する)を丁寧に実施してくださった講師の先生方には、感謝したいと思います。この実習は、「ミニ課題研究」と位置付けられています。2年理数科の皆さんは、探究のプロセスを一通り経験できました。今後の課題研究に繋がることを期待しています。
<生徒感想>
・自分達の方針で、課題である宇宙の年齢を求めていくことが出来たことはとても自信に繋がりました。上手くいかず、行き詰まってしまった時もありましたが、先生方が一緒に話し合いに参加してくださり、様々な議論をしながら結論に結びつける事が出来ました。他の班の発表からもそれぞれ違ったアプローチの方法を知れ、正解はわからない問題ですが、色々な考えから仮説を立てていく事はとても面白いと感じました。とても貴重な良い経験でした。
・データから考察していく時は難しく考えるのではなく、まずはシンプルに考えることが重要だと学んだ。また宇宙年齢を求める過程で班員で協力してプレゼン資料を作ることができた。プレゼンの仕方などこれから必要となっていく伝える力を養うことが出来た活動だった。
・星の教室という名前だったので星の歴史や見える季節などを学習するのかと思ったが、もっと研究っぽいことができて楽しかった。東京大学の方達ということでアドバイスしてくれる時も自分達と視点が全然違うと思ったし、いつも知らないうちに着目するべきポイントを見逃しているのかもしれないと感じた。プレゼンテーションのコツなども教えていただいたので研究に活かしたい。

<データサイエンス連携講座 統計講演会> 報告

実施日  7月8日(金)
実施会場  中学棟講義室(中学1年生)・2棟パソコン室(高校1年理数科)
講  師  茨城大学教育学部 教授 小口 祐一 先生
内  容  演題「ICTを活用した統計的問題解決とコンテストに向けて」
統計グラフコンクール、統計データ分析コンペティション、データサイエンスコンテストなどのコンクールに出品することを目標として、データの収集方法やデータ分析の手法についての解説を受けた後、実際にSSDSEのファイルを用いてグラフを作成したり、分析したりする演習を行いました。また、昨年度のコンクールやコンテストの作品を見ながら、作品の良い点や修正した方がいい点などの解説をしていただきました。
参加した生徒達はパソコンソフトを使うことにより、簡単にデータの分析ができることにびっくりしながら、楽しく演習に取り組むことが出来ました。短時間の演習でしたが、今回の講演会を機に統計に興味を持ち、一人でも多くの生徒がコンテスト等に挑戦してもらいたいと思います。
<生徒感想>
・この講演を聴いたことで、今まで資料を作る時にしか使っていなかったエクセルで様々な
データを素早く見やすいグラフに変換できることを知り、手軽に自分でデータ分析ができるのは面白いと思った。
・今日は統計グラフの作り方の演説をしていて、僕も表彰されたような作品を作りたいと思った。大切なことはこのグラフを作り、そこからどんなことを分析しどう文字にして表すか、その力をもっと強めていきたいと思った。そのためにはどんな情報でもいいからグラフを作り、どんどん書いていく事をしようと思った。

<オーストラリアの高校との交流 オンライン研究発表会> 報告

実施日   6月16日(木)5・6時限
実施会場   理科講義室
参加生徒   3年理数科11名
講師(交流先) アリーシャ・トンプソン先生 Wenona校
(高3生10名程度、女子高)

この取り組みは、昨年に初めて実施し、今年で2回目となります。事前準備として、3年7組では5月9日(木)の昼休みから5時限を利用して、2年次の課題研究の英語での発表会をクラス全体(10グループ)で行いました。発表後に、スライドの分かりやすさ、聞き取りやすさ、熱意などを互いに評価しあい、高得点だった3グループをWenona校とのオンライン交流代表グループとしました。
代表生徒達は放課後などに英語教員(ネイティブ)と練習を重ねました。交流相手のWenona校は女子校で、STEM(科学技術や数学)に力を入れている一貫校です。
当日は4限目に接続準備をして、昼休み中の13時からオンラインによる交流がスタート。簡単な挨拶と1年7組が作成した学校紹介VTR(英語)を上映しました。Wenona校の学校紹介はライブ中継で学校中を見せてくれました。室内プール、スポーツジムがあり、高級リゾートのような学校でした。その後、屋代高校とWenona高校の順番で交互に研究発表および質疑応答を行いました。
交流できる時間を準備することはなかなか難しく、年に1回でもなんとかできた感じでした。事前交流の意味合いを込めて、互いの興味や趣味などのアンケートを事前に答えてもらい、お互いの情報を見られるようにしたり、発表内容の要旨も事前に送りあったりして、相互理解が進むように工夫しました。

<生徒感想>
・準備した原稿を読めても、相手のプレゼンの1割すら分からなかった。 コミュニケーションができる英語力が必要だし、事前にもっと読んでおくべきだった。
・質問や会話はできなかったけれど、もっと英語を勉強しようと言う気持ちになった。オーストラリアの高校があまりにも綺麗で驚いた。今回の経験を生かして、これからもっと英語や科学に力を入れたいと思った。
・本場の英語は学校で習うものと全然違って、実際に留学したり海外へ行って学びたいと思った。オーストラリアの方々はすごく積極的で、日本人と対照的だと感じた。質問はあまりできなかったが、楽しかった。1つ要望を出すとすれば、テスト前にやるのはやめてもらいたい。
・自分たちのプレゼンは時間をかけて準備したのでうまくできたと思う。初めて英語でプレゼンをしたのでいい経験になった。しかし、相手の発表や質問についてはうまく聞き取ることができなかった。これからは会話のキャッチボールを自然にできるようになりたい。積極的に英会話の力をつけていきたいと思う。
・英語でパワポを作ったり発表したりしたことで英語の能力をつけられたし貴重な経験ができたと思った。しかし、質問やフリートークの時間にはなかなか喋ることができなかった。その場で英語が出てくるようにもっと勉強を頑張りたい。

<課題研究構想相談会> 報告

実施日  6月16日(木)5・6時限
実施会場  2年7組HR、パソコン教室
参加生徒  2年理数科
講  師  屋代高校を卒業した大学生8名
(北海道大学総合入試理系、トロント大学コンピュータサイエンス学部、信州大学工学部、東北大学理学部、大阪大学基礎工学部、東京都立大学システムデザイン学部、早稲田大学先進理工学部、北里大学理学部)
内  容  オンラインによる課題研究の構想相談
・課題研究各班の相談(1グループ3分以内)

・講師の方から(1人3分以内)
・zoomのブレークアウトルームを用いて各班ごとに個別相談

2年理数科が取り組んでいる課題研究をより充実したものにするために、構想の段階で、講師にオンラインで相談してアドバイスを受ける会を、今年度初めて実施しました。講師の方々は大学の様子や高校時代の時間の使い方、課題研究が大学受験にどのように繋がっていくか等、様々な視点から生徒にアドバイスをしてくださいました。
2年理数科の生徒たちは、屋代高校の先輩の話を熱心に聞いていました。講師は、課題研究について自らの体験を交え、どのような力が身につくのか、それが進路や大学でどのように生かせるのかなどを話してくださって、今後の課題研究へ意欲をもって取り組むモチベーションとなったと思います。生徒から先輩への質問に対しても、高校時代の体験や大学で得た知識を基に多面的な視点から答えていただきました。
機器のセッティングやZoomの取り扱いの仕方、会の次第、進め方については課題もありましたが、有意義な会となりました。

<生徒感想>
・何をすれば良いか全くわからない中で先輩からとても参考になりそうなヒントをいただけて大変ありがたかった。進路のことを考える機会にもなってよかった。
・先輩たちにアドバイスをもらって、自分達の研究の足りないところや改善しなければならないところがよく分かりました。もっと調べて改善して、自分達の独創性を持った研究ができるように頑張りたいと思います。私たちの相談に真摯に一緒に考えてくれてとても嬉しかったし参考になりました。本当にいい機会でした。ありがとうございました。
・理数科卒業生の先輩方のお話をお聞きして、課題研究に対しての意欲がとても深まりました。先輩方の大学での生活を聞いて私も早く大学生になりたいなと思いました。課題研究でのグループの仲間はこれから先も大切な存在になっていくと思うので思い出を作りつつ、貴重な時間を自分達で多く作っていきたいです。勉強面でのアドバイスからも、日々の授業を大切にしてコツコツ早いうちから積み重ねていきたいです。

<信州WWL国際会議> 報告

実施日  2022年6月11日(土)
実施会場  長野県上田高等学校
基調講演  「Z世代が考える地球の今」 露木志奈 氏
内  容  多角的視野から解決策を考える
―持続可能な生活実現に向けた私たちの誓い―
1 Opening Event
2 Keynote Speech
3 Discussion in breakout sessions
・Ethical Consumption
・Human Rights
・Education
・Environment

・Poverty
・Water and Sanitation
4 Closing Ceremony

本校からは12名が参加し、1グループ(4名)が発表を実施しました。発表の題目は、「Water and Sanitation 発展途上国の水質」です。内容は、塩水化した水の利用(実験)EDIで塩分濃度を低くすることができるというもので、汚染水を発電に利用する方法に関する発表でした。
各分会に分かれてのディスカッションは、テーマが壮大(海水の有効利用など)であったため、若干抽象的な議論に終始していまい、「私たちにできること」まで議論が及ばなかったのが少し残念ではありましたが、参加生徒は海外からの参加者と意見交換ができたことで、満足感が大きかったと思います。同年代の日本語の母国語話者でない人と、英語で話す機会はとても貴重であると実感しました。
<生徒感想>
・即興で英語を話すことは難しかったけど、自分の意見を自由に話す機会は大切だと思った。
・水・衛生について様々な人と意見を交換し合う貴重な機会をありがとうございました。


<SSHミニフォーラム> 報告

実施日  5月24日(火)放課後16:10~17:30
実施会場  地学教室(3棟2階)
参加生徒  19名(中学生も含む)
講義テーマ 「SDGs 私と世界、今と未来をつなぐ」
講  師  公立大学法人長野県立大学
大学院ソーシャル・イノベーション研究科 教授
グローバルマネジメント学部 教授
ソーシャル・イノベーション創出センター長  秋葉 芳江 氏

昨年度に引き続いて、長野県立大の秋葉先生に来ていただきました。SDGsの世界的意義や背景、概要についての紹介が最初にありました。SDGsという言葉は聞いたことがある生徒は多いと思うのですが、その具体的内容について、時代背景や日本の立ち位置を交えて教えて頂きました。この新しい価値観に関して、欧米では当初から新しいビジネスのチャンスと捉えていたのに対して、日本では環境問題あるいは外交問題としてしか捉えていなかったために、経済・産業全体としての初動が欧米よりも遅れてしまったことや、長野県内には世界が注目する企業が多く存在していることを学びました。後半は、SDGsを意識した現物を手にとり、そこに記されているマークの意味を調べる等して、身近な生活とのつながりを具体的に知ることができました。

<生徒感想>
・素晴らしいご講演をありがとうございました。私はSDGsは「環境保護」や「人権尊重」に関するものだと決め付けていました。そしてただの綺麗事だとすら思っていました。しかし今日秋葉先生のお話をお聴きして、SDGsとは世界中の課題をまとめてチャンスを創り出し、新たなビジネスに繋げるというものであるということを学びました。今日学んだことをしっかりと一人一研究に活かします。
・SDGsがこんなに沢山の企業で取り組まれていることは驚きでした。日本は海外に比べるとまだまだSDGsが遅れていることもわかりました。私たちの若い世代がもっと積極的に声をあげなければいけないし身の回りには以外に沢山SDGsがあって簡単に取り組めるんだとわかりました。
・SDGsと聞いたら、初めは、『環境』のことだと思っていました。けれど、実際には、『平和・開発・人権』が先に決まって、その後、『環境』が追加されていることを聞いて、びっくり(ためになった)しました。SDGsは、世界のルールチェンジということも覚えました。今の時代は、『使い捨て』⇒循環型社会(サーキュラーエコノミー)に変わっていることを改めて確認しました。【SDGsはチャンス!】というフレーズを覚えて、これから生きていきたいと思いました。長野県でも、SDGsの取り組みは進んでいて、もう、身近に進んでいるんでいるんだなと思いました。