<アカデミックサイエンス 東大木曽観測所実習「星の教室」>報告
実施日時 7月23日(火)~24日(水)
実施会場 東京大学木曽観測所
参加生徒 高校2年理数科
講 師 東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
助教 高橋 英則 氏
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター
特任助教 今井 正尭 氏
信州大学理学部 学部4年 魚村 直人 氏、 稲井 天 氏(TA)
内 容
「寝覚めの床」見学
1日目
① 講義
② 構内見学(105cmシュミット望遠鏡の見学)
③ 実習1 「視角をつかって距離を測る」
④ 実習2 「銀河までの距離を測る」
⑤ 実習3 「宇宙の年齢を求める」
2日目
⑥ 発表会(Googleスライドを用いたグループ発表)
⑦ 講評
木曽観測所へ向かう途中に立ち寄った「寝覚の床」では、花崗岩の白い河床と、その花崗岩に発達した方状節理を確認、及びエメラルとグリーンの木曽川を観察することができました。
木曽観測所での「星の教室」では、木曽観測所の概要説明の後、構内の見学をしました。観測所の誇る巨大望遠鏡(105㎝シュミットカメラ)も見学させていただき、その大きさに圧倒されました。
実習は「宇宙の年齢を求める」をテーマとし、まず被写体として自分をはじめとする様々な距離(巻き尺で距離を測定)にいる班員と測量用ポールとをカメラで撮影し、撮影画像からわかる視角と距離の関係式について学びました。その後、それを応用して銀河までの距離と、あらかじめ測定されている銀河の後退速度から、宇宙の年齢を求める実習を行いました。宇宙の年齢は、最終的には非常に単純な比の計算によって求めることができる事がわかりましたが、その単純な計算に到達するまでには、データを収集・分析・解析したり、論理的に前提条件を定めたりする必要があり、非常に活発な議論が夜遅くまで交わされました。
発表会では、各グループの熱論の成果を、模式図やデータなどを用いて発表しました。グループごとに結論までのプロセスや理論は様々でしたが、どのグループも143億年~234億年の間に入る値が求まりました。講師の先生方やTAの方々に親切な助言をいただきながら過ごした2日間は、グループ毎に議論を尽くす等、普段の授業ではできない体験ができ、非常に有意義なものとなりました。
<生徒感想>
・宇宙の年齢を求めていく過程で新しい知識を得ることができた。夜には綺麗な星空を見ることができてとても楽しかった。
・時間が限られていて、発表までもっていくのは大変だったけど班の中でたくさん話し合いをしたり、発表でもたくさんの意見や質問で深める事ができて楽しかった。
・議論がとても面白く、自分に無い考えを知りまた、自分の考えが整理された。実習内容も非常に面白く、充実した二日間を過ごすことができた。