活動報告

活動

<アカデミックサイエンス連携講座(東京大学横山先生)> 報告

実施日時  11月30日(水)
実施場所  本校3棟3階物理教室 中学棟講義室
講  師  東京大学 大気海洋研究所 横山祐典 教授
参加生徒  高校2年理数科、附属中学3年生
内  容
地球温暖化をテーマに、研究成果を交えながら講演をしていただきました。温暖化の科学的根拠は何なのか。何を基準に温暖化していると言えるのかについて、データを示しながら、また生徒と対話を交えながら説明してくださいました。実際に観測機で測ることのできない過去の気温をいかに知ることができるのか、二酸化濃度をどうやって知ることができるのか。その方法として、古文書や木の年輪、氷床コアの気体分析、また年代の測定には放射性同位体である炭素14を使うなど、測定機器の進化も重要要素であると説明されていました。
 二酸化炭素濃度は現在410ppmになっているが、大気が無くなると表層気温が-15℃になってしまう。二酸化炭素の増加だけですべてを判断するのではなく、二酸化炭素がどこから発生し、どんな影響を及ぼしている二酸化炭素なのかを調べることが大切で、大きな科学的な視点で考えることが重要であると教えて頂きました。
<生徒感想>
・過去の環境を知るために脂肪酸と同位体に着目したという発想力がすごいと思った。わずかな実験の差で結果が大きく変わってしまうような精密な実験を大学ではしていると考えると面白そうだなと思った。
・地球温暖化について、細かいデータなどの明確な根拠に基づいた知識がついたし、どうしてそうなるのかというプロセスまでを教えてもらって、さらに化学の分野にも知識を深めることができた。また、先生の話が面白く、最後まで楽しく話を聞くことができたので、とても感謝している。もしまた機会があったらぜひ講演を聞きたい。

<ジオサイエンス連携講座> 報告

実施日時  11月29日(火)

実施会場  屋代高校3棟2階 地学教室よりオンライン配信(高校生対象)

      附属中学校講義室(中学生対象)

参加生徒  高校1年7組 附属中学1年生

講  師  信州大学 特任教授 大塚 勉 先生

演  題  「信州で地質学を学ぶこと」(高校生)

      「地震はなぜ起こるの?地震について学ぼう」(中学生)

内  容

直前に1年7組が学級閉鎖になってしまったため、高校生対象にはオンライン配信での特別授業となりました。信州大学の紹介(理学部地質系を中心に)、日本列島の骨格(付加体の研究)、地震災害への対応、活断層の研究の順で説明していただき、3年前の台風19号の災害に関係して、長野盆地の地形についても教えていただきました。

信州大学理学部の地球学コースでは地質調査や巡検があり、卒業研究では外国へ調査に行く人もおられ、サハリンや中国等での調査の写真も紹介されました。地質調査の基礎(フィールドワークの方法など)から、地層の読み方、付加体の形成過程、日本列島のでき方、東アジア地域の地質など、地質学全般に関する内容を、多くのスライドを用いてとても分かりやすく説明していただきました。地震災害・活断層に関しても、具体例を多く用いて、特に長野県内の活断層については、盆地地形と関係して詳細な説明がなされました。新たに見つかった上田地域の活断層についても教えていただきました。また、1847年善光寺地震の山崩れを含めた災害の様子や、災害を最小限にするための工夫(法律、地盤など)についても教えていただきました。

中学生対象の講義では、最初に長野盆地の地形とその形成過程について説明していただき、地震の実際、震度とマグニチュード、地震はなぜ起こるか、長野県はどのような場所か、地震の被害は減らせる!という順で、多くのスライドを使用しながら丁寧に教えていただきました。前半部分は教科書的な内容、後半部分は長野県(千曲市)の特徴や近隣で起こった地震災害など、地域的な内容でした。最後には、中越地震での実際の被害写真(子ども部屋が崩壊した写真)をみて、どうしたら被害を減らせるかについて、ディスカッションをしました。

<生徒感想>

・地学を活かした職業から、活断層分布(盆地分布)、身近な地震対策まで深く知ることができました。研究では、北陸地方とユーラシア大陸東岸が一連の層であったことを中国を渡り歩いて地層を調査し、更に古生代の放散虫の地層から付加体がどう形成されたかを導いており、深く壮大だと思いました。また、長野県や千曲市といった身近な地域がどんな地質なのか知り、地震対策に意識を向ける必要があると思いました。(高校生)

・初めて聞くワードや、自分が住んでいる場所についての地形や地震のことを知ることができたのでよかったです。研究を通して、過去の地形や当時の姿などを知ることができるのはとても興味深いです。ありがとうございました!(高校生)

・震源やマグニチュードなど、聞いたことはあるけど意味やどんなものかを知らないことがたくさんあって勉強になりました。また、地震が起きた後の実際の様子を見て地震が起こる前に「家具を固定する」「出入り口に倒れる物を置かないようにする」などに気を付けることが大切だと思いました。(中学生)

・善光寺地震の「地滑りとダム」の部分が面白かったです。昔の絵を山の地形と照らし合わせて考えるのが面白かった。今後もこのような地学のSSHを行ってほしいです。(中学生)

<信州サイエンステクノロジーコンテスト> 報告

実施日時  11月13日(日)

実施会場  長野県総合教育センター

参加生徒  

屋代A:三輪輝人 小林篤季 小笠原楓真 大栗颯人 宮内嘉大 並木優弥

屋代B:轟真帆 古平蒼真 三澤駿也 西澤和都 橋元舞生 島田俊作

屋代C:宮島空未 松代楓愛 山倉ふみ樺 酒井真央 塚原玲樹 田野口瑠実

内  容

県内9校18チームが参加して、3月につくば市で行われる「科学の甲子園全国大会」への県代表を目指して、筆記試験と実技競技で競い合いました。本校からは理数科2年(Aチーム)、普通科2年(Bチーム)、理数科1年(Cチーム)の3チームが参戦しました。

午前に行われた筆記試験は、理科、数学、情報の中から、修得した知識をもとにその活用について問う問題が出題され、知識に加えて思考力や論理的な記述力を必要とする内容の試験でした。屋代Bチームが、分野別数学、情報で各1位、総合1位と大健闘しました。

 午後時実施された実技競技は、理科、数学、情報にかかわる実験、実習、考察など、科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やコミュニケーション能力などにより課題を解決する力を競い合うものでした。チームを二つに分けて作成し、それぞれコンテスト行いました。作成の内容は、コーヒーフィルター・糸・ワッシャを使ってパラシュートを作るというもので、コンテストの内容は、そのパラシュートを2階から落とし、的のできるだけ近くに落とすこと、滞空時間が長いことの2観点で競いました。滞空時間を長くしようとすると、空気抵抗が大きく的の近くに落とすのが難しくなるため、そのバランスや何を優先するのか決断が必要で、チームワークが問われたコンテストでした。結果は屋代Aチームが2位、Bチームが5位でした。

 総合順位は、筆記・実技それぞれの点数の合計点で決まるのですが、実技点が順位に大きく影響しました。屋代Aチームは筆記7位、実技2位で総合優勝し、3/17からつくば市で行われる「第12回科学の甲子園全国大会」の長野県代表となりました。つくばでの活躍も期待しています!

 

成績

屋代Aチーム(2年理数科) 総合優勝 (筆記7位 実技2位)

屋代Bチーム(2年普通科)  4位  (筆記1位 実技5位)

屋代Cチーム(1年理数科)  18位 (筆記17位 実技15位))

 

<生徒感想>

・1年前たてた目標を達成できて本当に嬉しい。チームで協力して結果を出そうと努力することの楽しさを実感できる1日になった。

・まず一番は、まさか本当に全国大会に行けるとは思っていなかったのでとても驚いているということだ。表彰式で自分達の名前が呼ばれた時は本当に嬉しかった、というよりか信じられなかった。科学の甲子園の全国大会に出られるような経験は滅多にないと思うので、楽しんで行きたいと思っている。

・筆記競技では物理を担当したが、アインシュタインの相対性理論の話が出てきたり、履修していない回路の問題が出てきて難しかったが、回路は中学の時に勉強した内容である程度は解くことができた。また、考えても分からなそうな問題を諦めて他の人を手伝った結果、少しは点数が稼げたので大事な判断だったと思う。

・実技競技のパラシュートは、各々が自分の思うように制作していっては悪いところを改善していくようなスタイルで制作をしていたので、もしかしたら1つもパラシュートが完成せずに終わってしまっていた可能性だってあったと思う。だが、何とか2つのパラシュートを完成に漕ぎ着け、さらに2つともかなり安定して高得点を叩き出せていたので、本当に運が良かったと思う。

<バイオサイエンス連携講座(富山大学土'田先生)> 報告

実施日時  11月2日(水)

実施場所  本校中学棟講義室

講  師  富山大学 学術研究部理学系 土'田 努 准教授

題  目  「昆虫の暮らしを支える共生関係」

参加生徒  高校1年理数科、附属中学2年生

内  容

共生(Symbiosis)・内部共生について、高校生物の教科書の記載を交えて、説明していただきました。具体的には、昆虫とその体内に住まう共生細菌について、昆虫の体色と機能(エンドウヒゲナガアブラムシと共生細菌Rickettsiella)や、虫こぶ形成(マダラケシツブゾウムシとアメリカネナシカヅラ)に関して紹介していただきました。最後に、大学についてや研究者という職業について、先生のお考えを交えてお話してくださいました。

<生徒感想>

・高校1年の私にはわからないこともたくさんありましたが、とても面白いお話を聞くことができてよかったです!理学部などで勉強した後は、先生や研究者になる他にどのような仕事に就くことが多いのか知りたいなと思いました。

・難しい内容も多かったが、スライド一つ一つがわかりやすく、面白かった。また、共生のところではいろんな場面でたくさんの共生が存在していて、とてもためになったし、楽しかった。

<アカデミックサイエンス(上越科学館・ジオパーク研修)> 報告

実施日時  11月1日(火)
実施場所  上越科学館、糸魚川ジオパーク(フォッサマグナミュージアム)
参加生徒  2年理数科
内  容
上越科学館では、ドライアイスを使って、低温状態でのさまざまな実験を見せて頂きました。また、体験実験として、過冷却水を実際に作って凍る変化を観察したり、空き缶とドライアイスを使ってダイヤモンドダストを作る実験を行いました。
フォッサマグナミュージアムでは、フォッサマグナ形成・糸魚川構造線などについての講義をしていただいた後、館内の展示物の見学をしました。次にバスで移動し、フォッサマグナミュージアムの職員の方にガイドをしていただきながら約1時間をかけて、溶岩の流れや糸魚川-静岡構造線の断層等を実際に見学しました。
<生徒感想>
・科学博物館では、液体の酸素や超伝導など滅多に見れない貴重なものが見れてよかった。実験では、過冷却水の実験がとダイアモンドダストの実験に応用されていてとてもためになった。家でできるような簡単なものでも驚くような結果が得られて面白かった。フォッサマグナパークでは、自然が作り出した鉱石がとても美しかった。その後の実地見学では、数万数億年前に作られた崖の壮大さがすごかった。
・上越科学館では普段は見ることができないような液体窒素の実験を見ることができた。学校で学んだことの応用的な内容で、理論を考えることができた。糸魚川フォッサマグナミュージアムではヒスイについて学んだり、糸魚川はプレートの境界に位置していることを知った。ジオパークとしてユネスコ認定されている糸魚川では自然をとても重要視していることがわかった。

<課題研究・課題探究 中間発表会> 報告

実施日時  8月27日(土)8:30~12:00
実施会場  第2体育館(開閉会式)・多目的教室・2棟の各教室
助言者  伊藤冬樹先生(信州大学教育学部)、樽田誠一先生(信州大学工学部)、
太田哲先生(信州大学理学部)、羽田司先生(長野大学環境ツーリズム学部)、
内海重宣先生(公立諏訪東京理科大学)、利根川太郎先生(JST)、
奥原靖彦先生(長野県教育委員会学びの改革支援課)
内  容
高校2年生が各会場に分かれて、課題研究・課題研究の中間発表を、第1部は非公開、第2部は公開として、ポスターセッション形式で行いました。当日は授業公開日でしたので、一般の方(保護者の方)も多く見に来られました。県内の他の高校からも、関係の先生方が多く見に来られました。
ポスターの前で熱心に説明する生徒達と、それを頷きながら感心して聴いて、時に質問や助言をしてくださる聴衆の方々、アカデミックな雰囲気が感じられる会でした。
運営面の反省点があります。多目的教室には多くの聴衆が集まったのに対して、2棟の教室(特に3階)には聴いてくれる方が少なかった事です。この行事は、元々は体育館で行っていたのですが、クーラーの利いた部屋で行った方が良いのではという事で、今年度は多目的室を使用してみました。来年は今年度の反省を生かして実施したいと思います。
閉会式では、助言者の先生方からお一人ずつ、激励の言葉をいただきました。探究活動はこれから先、3年生になっても継続して行われます。今回の中間発表で頂いた助言を生かして、さらに深まった研究にしていってください。
<生徒感想>
・同じ学年の人だけでなく保護者の方の意見や専門の方の意見を聞くことをでき、気づくことができなかった研究の課題や、さらに研究した方がいいことを発見することができました。また、他の班の発表を聞く中で今まで知らなかったことを詳しく学ぶことができたため有意義な時間となりました。今日の経験を活かして今後の研究や発表に繋げたいです。
・自分達の発表を皆さんに見ていただいき、とても楽しかったし、とても参考になったので良かったです。
・研究の途中で今の状況をポスターにまとめた事は、今までやってきた研究を一度きちんと整理し、今後どういう方向で進めていくかを考える上でとても良い時間だったと思いますし、大学などからお越しくださった先生方に質問や的確なアドバイスをしていただいてとても勉強になりました。大学の先生方は私たちが考えられていなかった角度から研究へのアドバイスをしてくださったので、もう一度その観点からも調べていきたいと思いました。全体としてとても良い経験になったと思います。
  ・ポスターセッションは初めてでしたが、とても良い経験になりました。多くの方に意見をいただくことが出来たのて、それらを活かしてさらに良い探究学習にしたいです。

<高1野外観察実習> 報告

実施日  8月25日(木)
実習場所  上高地コース(1・4組)  上高地ビジターセンターから散策
      乗鞍高原コース(2・3組) 乗鞍自然保護センターから大雪渓、国民休暇村
      志賀高原コース(5・6組) 前山リフトから四十八池の散策
      戸隠化石採集コース(7組) 実習および戸隠地質化石博物館

天候やコロナ感染症が心配されましたが、全行程予定通りに、無事に実施することができました。特に天候は、何とかギリギリ逃げ切ったという感じで、前日までと当日の夕方からは降雨でした。
ちなみに、学年生徒全員で自然観察実習を行っている学校は、全国のSSH校の中でも極めて珍しく、本校の特色の一つです。本校では、「実験・実習・体験」に基づいた理数系教育を重視しており、このような機会を長年積み重ねてきました。ガイドを務めてくださった講師の方々や企画をしてくださった先生方、本当にありがとうございました。

<生徒感想>(上高地)
・教科書やインターネットの画像や動画で全てを知ったような気でいたが、今回の野外学習を通して、実際に自分の目、肌、耳などで自然を感じ、新しく学んだことが多い1日となった。肉眼で景色を見たり、実際の空気・水の冷たさを肌で学ぶことは日常生活では味わえない楽しさがあり、フィールドワークに対して重要性を感じるとともに、深く興味を持つことができた。これからもこのような機会を大切にして、自分の体で経験する活動に積極的に取り組んでいきたい。
・私は上高地に行くのが初めてだったが、人の手が全く加わっていない原生林、川を目の当たりにして、自然の雄大さ、素晴らしさを実感し、物凄く圧倒された。街路樹や人工林を見て、木は環境に良いとか自然は良いとかを言っていた自分を、恥ずかしく思うくらい、原生林の生命力の強さ、その姿勢、生態系の豊かさがとことん詰まっている感じが本当によく伝わり、これから自然や生態系について問題視し、考えていくきっかけになった。木や草花の生命力は本当に強く、どこまでも根を張って生きようとするその様子に、心を打たれたし、私も小さな事でクヨクヨしたり諦めてしまったりせず、最後まで、できるところまで、一生懸命頑張らないといけないと思った。又、自分が普段暮らしている場所では感じられない、自然の生態系や空気の良さ、気持ちが良い涼しさを感じることができて、今まで溜まっていた疲労を癒し、自分自身リフレッシュすることができた。川の水もすごく綺麗で透き通っていて、そして冷たくて、すごく癒された。自分は田舎に住んでいると思っていたが、自分が住んでいる場所は実際にそこまで田舎ではないことに気付いたし、このような自然を体全体で感じられる経験は、これから大人になればなる程、なかなか無いと思うので、良い経験になった。
<生徒感想>(乗鞍高原)
・自然について、木やキノコなど沢山の知識を身につけることができ、充実した一日となりました。いつもの住んでいる地域にとどまらず、他の場所に行き、環境や講師の方のお話を聞くことで普段と違う経験が得られて、新たに多くのことを学ぶことができました。自然環境について興味が高まりました。これから色々なことに興味を持って過ごしていきたいです。私は、講師の方に教えていただいた「ありがとうゲーム」を実践していきたいです。
<生徒感想>(志賀高原)
・今まで一度も行ったことがなかったこともあり、感心をもつことができた。特に講師の方が説明して下さる志賀高原の自然のでき方や歴史を、実物を見ながら聞くことがとても充実していて楽しかった。
・ジブリ作品でしか見たことがないような景色を実際に見ることができて感動した。
・自然を体験出来た貴重な機会となりました。こういう活動は可能な限り増やしていけばいいと思います。
<生徒感想>(戸隠)
・小学校の時に行った場所だったが、知識が増えてから行くとまた違った見方ができてとても面白かった。長野県の昔の状態を化石から考え、広げていくという面白い見方ができた。
・地学は触れる機会はないけど化石とかを分析するために植物のこととか生物のこと歴史も知っていないといけないとても大変でとても重要なものなんだとわかりました。地層も実際に見て手で触ることでより違いがわかったので実際にいろんなことをするというのはとても大切なんだと思いました。

<科学に親しむ教室> 報告

実施日   7月28日(木)、8月4日(木)
実施会場   稲荷山公民館(7月28日)、埴生公民館(8月4日)
参加児童   25名(稲荷山公民館)、9名(埴生公民館)
講  師   屋代高校生・附属中学生 27名
内  容  「音の科学」
①音って何だろう
②ストロー笛をつくろう
③ワイングラスで音を鳴らそう
④ドップラー効果
「夏の星座」
夏の星座版をつくろう
この取り組みは、昨年から始めて、今年で2回目となります。今年の実験の内容は、「音の科学」と「夏の星座」。講師の先生たちは各自のデバイスを用いたり、実験を演示したりしながら、小学生に分かりやすいように説明をしていました。子どもたちへの問いかけやトークが面白く、終始賑やかで楽しい雰囲気の中で科学実験を行うことが出来ました。
ストロー笛とワイングラスは少し工夫すればだれでも音が鳴らせる実験です。小学生たちはストローの長さを変えたり、ワイングラス内の水の量を変えたりして、講師の先生たちの優しいサポートを受けながら、熱心に取り組んでいました。
埴生公民館では、理科実験の後にニュースポーツを子どもたちと一緒に体験しました。チームに分かれて点数を競い合い、大盛り上がりでした。
7月27日に上徳公民館で予定していたのですが、コロナのために中止になってしまいました。
<生徒感想>
・小学生の子達に教えるのは初めてだったけれど、一生懸命話を聞いてくれたのでとても嬉しかった。ストロー笛の時に音が出ない子がいて、もっと上手く教えたかったなと思った。いい経験ができたので参加して良かったなと思った。
・もちろん今じゃ先生になることは厳しいですが、やっていてすごく楽しいと感じましたし、是非とも教員になってみたいなと思いました。将来を考える上で非常に参考になりました。企画、指導してくださった先生方、ありがとうございました。

<東北サイエンスツアー> 報告

実施日   8月1日(月)~3日(水) 2泊3日
実施会場   福島県立福島高校、東北大学工学部、つくばの研究施設
参加生徒   生徒32名(1学年4名、2学年26名、3学年2名)
内  容

福島県立福島高等学校との交流、屋代高校OBとの交流(1日目)
東北大学工学部訪問(2日目)
筑波実験植物園、CYBERDYNE STUDIO、筑波宇宙センター見学(3日目)
1日目、福島高校からは「ポルサイトの循環合成の最適条件の検証と自作リークテスト器による流水実験」、屋代高校からは「電気分解による消毒液の作製の研究」と、それぞれSSHの課題研究の発表がされました。その後、簡易放射線測定器はかるくんを使って、校舎周辺の放射線測定実習行いました。さらに、SSH主任教諭の高橋先生から震災当時のお話を聞かせていただき、地震の影響の映像、相馬の津波後の様子の映像を見ました。最後には、「他県からみた福島」「震災後の福島」について、グループディスカッションを行いました。宿舎では、夕食後に屋代高校卒業生5名の先輩が来てくださり、座談会が行われました。先輩からの勉強方法や勉強のスケジュール、大学の魅力など、高校生の質問にも答える形で進めました。
2日目は、東北大学工学部の紹介と模擬授業をお聞きしました。工学部の全体説明を入試広報の先生から受けた後、「電気自動車が拓く新しいエネルギー社会」、「燃料電池・全固体電池って何がすごいの?−未来を変える材料科学の世界−」、「真空技術と化学の融合−電子部品の中の薄膜という材料とは?−」について、それぞれ教授から講義を受けました。生徒達は大学の授業を体験でき、研究について興味を深く聞いていました。大学進学への意識づけとなったようでした。
3日目は、国立科学博物館が植物の研究を促進するために設置した植物園である、つくば実験植物園で、植物の多様性や生態系、絶滅危惧種などについて学び、CYBERDYNE STUDIOでは最先端の医療機器などの装置を実際に装着してみる等、大学の研究が社会でどのように活かされているのかを体験しました。最後に筑波宇宙センターにて、展示館「スペースドーム」を見学しました。実物大の人工衛星や本物のロケットエンジン、日本実験棟「きぼう」の実物大モデルなどを間近に見学してきました。
<生徒感想>
・とても実りのある実習だったと思います。3日間を通して、自分の進路について深く考えることが出来ました。普段学ぶことの少ない最先端の技術について学ぶことができ、私も将来、今ある技術をより良くしていけるような研究が出来たら素敵だと思いました。他にもOBの先輩から沢山のアドバイスをいただけたり、東北という場所に実際に足を運び、震災の経験を知ることができ、自分で調べること以上のお話をお聞きできて良かったです。
・私の中では福島の高校生と交流出来たことがとても嬉しくて、本当にいい経験ができたなと感じました。同世代なのに津波や震災についての意識の高さに大きな差を感じました。放射線については、自分の無知さにショックを受けたぐらいでした。今まで原発はどこか他人事のように感じていましたが、実際に同世代の人の体験談を聞いて、もっともっと震災に合わなかった他県の人も震災についての正しい知識をつけるべきだと感じました。他県の方とお話する機会は今までほとんどなかったのでとても良い刺激となりました。また機会があれば、他県の方とお話して意見を交流したいと思いました。

<星の教室> 報告

実施日  7月14日(木)~15日(金)
実施会場  屋代高校 多目的教室他
参加生徒  2年理数科
講  師  東京大学 山岸光義 先生、 東京大学 鮫島寛明 先生
東京大学木曽観測所 森 由貴 先生
T  A  東京大学大学院理学研究科天文学専攻 修士 成田佳奈香さん、船越菜月さん
内  容  
実習1「視角をつかって距離を測る」
実習2「銀河までの距離を測る」
実習3「宇宙の年齢を求める」
グループ発表
各班で作成したスライドをスクリーンに投影し、宇宙の年齢についての思考過程と結論を説明(各班質疑応答含めて10分程度)

宇宙の年齢を求める事を目的として、銀河までの距離を計算するためのデータ収集を行い、後退速度の情報を合わせて、各班で考えて発表するという内容です。講師・TAの方が上手に手を入れてくださり、班ごとにそれぞれユニークなモデルを考えながら話し合いを進めることが出来ました。
今年度からは、生徒は全員iPadを持っていたので、テキストを電子配布として、グループ発表もiPadを用いて行いました。学校にあるsurfaceも用いて、一人二台のデバイスを駆使して実習が進みました。各班の発表内容について、講師の先生方より事後に詳細な解説もいただけて、生徒と共有しました。電子化したメリットが大きく発揮されました。
コロナ禍で屋代高校開催となりましたが、本来ならば木曽にある東京大学の観測所で行っていた実習です。国内有数のシュミット望遠鏡を用いて観測している研究施設内で、宿泊して実習を行うことが出来ずに、少し残念でした。しかしながら、この企画を中止とせず、様々な工夫を凝らして、実習の本質的な部分(宇宙の年齢を考えて、発表して、議論する)を丁寧に実施してくださった講師の先生方には、感謝したいと思います。この実習は、「ミニ課題研究」と位置付けられています。2年理数科の皆さんは、探究のプロセスを一通り経験できました。今後の課題研究に繋がることを期待しています。
<生徒感想>
・自分達の方針で、課題である宇宙の年齢を求めていくことが出来たことはとても自信に繋がりました。上手くいかず、行き詰まってしまった時もありましたが、先生方が一緒に話し合いに参加してくださり、様々な議論をしながら結論に結びつける事が出来ました。他の班の発表からもそれぞれ違ったアプローチの方法を知れ、正解はわからない問題ですが、色々な考えから仮説を立てていく事はとても面白いと感じました。とても貴重な良い経験でした。
・データから考察していく時は難しく考えるのではなく、まずはシンプルに考えることが重要だと学んだ。また宇宙年齢を求める過程で班員で協力してプレゼン資料を作ることができた。プレゼンの仕方などこれから必要となっていく伝える力を養うことが出来た活動だった。
・星の教室という名前だったので星の歴史や見える季節などを学習するのかと思ったが、もっと研究っぽいことができて楽しかった。東京大学の方達ということでアドバイスしてくれる時も自分達と視点が全然違うと思ったし、いつも知らないうちに着目するべきポイントを見逃しているのかもしれないと感じた。プレゼンテーションのコツなども教えていただいたので研究に活かしたい。