2024年8月の記事一覧
<東北サイエンス・つくばサイエンスツアー>報告
実施日時 7月30日(火)~8月1日(木) 2泊3日
実施会場 福島県立福島高等学校、東北大学工学部、筑波実験植物園、国土地理院・地図と測量の科学、CYBERDYNE STUDIO
参加生徒 高校1年6名、高校2年33名 計39名
内 容
(1) 福島県立福島高等学校との交流会
本年度は二部構成での交流会となりました。
一部目は福島高校生徒、屋代高校生徒混合4名のチームにより、乾燥スパゲティーとマシュマロを用いたタワー作りを行いました。タワーの高さを競う競技形式で各チームは打ち解け合いながら工夫を凝らしていました。
二部目は2グループに分かれ、各校の課題研究ポスターの見学・発表を行いました。一部目でお互いに打ち解けていたためか、盛んに質疑応答がなされ、今後の研究活動によい刺激となりました。
(2)東北大学生(屋代高校OB)との交流
屋代高校卒業生の6名の先輩との座談会を行いました。大学生の自己紹介の後、6グループに分かれ、交流を行いました。高校生の質問に答える形で進められ、課題研究に関することや勉強方法やそのスケジュールなど積極的に先輩に質問していました。大学での様子を垣間見ることにより、研究や学習に対するモチベーションのアップにつながりました。
(3)東北大学工学部訪問
東北大学工学部は5つの学科から成り、学科内もさまざまコースに分かれています。
はじめに電気情報物理工学科:中村健二教授(屋代高校OB)からモーター・発電機の高性能化に関する研究、特にトルクやエネルギー効率の良い非接触磁気ギヤについてご講演・実技指導をいただきました。また、大学入試に関する情報、研究室の情報も説明していただきました。
その後、東北大学オープンキャンパスと同日だったため、参加生徒が希望する学部学科の説明会に参加しました。
(4)筑波実験植物園
国立科学博物館が植物の研究を促進するために設置した植物園で、生きた多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進しています。研究員の方より、埼玉県越谷市原産で野生下では絶滅してしまったコシガヤホシクサの保全と野生復帰に向けた取り組みを例に植物園の取り組みをお聞きし、植物を収集保全することの意義を教えていただきました。
人類は他の生物よりもはるかに多くの植物の恩恵を受けており、人類が将来も生き続けるために植物の多様性を知る・守る・伝えることが大切です。園内の様々な貴重な植物を観察することで、生態系をふくめた植物に興味関心を高め、環境を保全することの意義を感じることができました。
(5) 国土地理院・地図と測量の科学館見学
3Dホログラムを利用した大きな立体日本地図や、伊能忠敬の地図など歴史的なものを見学し、測量方法やその利用等を学びました。地図を通して、地形や測量に興味関心をもつことができました。
(6) CYBERDYNE STUDIOでの体験・見学
CYBERDYNE STUDIOでは装着型ロボット技術体験をしました。生徒が体験したのは前腕のロボット技術で、上腕皮膚表面に微弱な電気信号を送り、前腕の伸びを行うものです。前碗ロボットは筋肉の動きを増幅するのではなく、人体上の微弱な電気信号をキャッチすることで制御を行っています。現在はリハビリ分野での実用化がなされており、機能回復に多大な効果をもたらしていることに大きく関心を寄せていました。
<生徒感想>
・福島高校との交流では、マシュマロタワーづくり、ポスター発表会など、初めて会う人との交流の機会がたくさんあって、コミュニケーション力を伸ばすことができたし、発表時のポイントなど、さまざまなことを習得することができました。
・東北大学のオープンキャンパスだけでなく、福島高校との交流や、筑波の植物園、地図と測量の科学館、Cyberdyne Studioなど普段なかなか自分では行かないような場所にも行くことができ、とても良い経験になりました。
・この事業を通して、ものの考え方や勉強に対する考え方が変わりました。本当に良い体験になりました。
<アカデミックサイエンス 東大木曽観測所実習「星の教室」>報告
実施日時 7月23日(火)~24日(水)
実施会場 東京大学木曽観測所
参加生徒 高校2年理数科
講 師 東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
助教 高橋 英則 氏
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター
特任助教 今井 正尭 氏
信州大学理学部 学部4年 魚村 直人 氏、 稲井 天 氏(TA)
内 容
「寝覚めの床」見学
1日目
① 講義
② 構内見学(105cmシュミット望遠鏡の見学)
③ 実習1 「視角をつかって距離を測る」
④ 実習2 「銀河までの距離を測る」
⑤ 実習3 「宇宙の年齢を求める」
2日目
⑥ 発表会(Googleスライドを用いたグループ発表)
⑦ 講評
木曽観測所へ向かう途中に立ち寄った「寝覚の床」では、花崗岩の白い河床と、その花崗岩に発達した方状節理を確認、及びエメラルとグリーンの木曽川を観察することができました。
木曽観測所での「星の教室」では、木曽観測所の概要説明の後、構内の見学をしました。観測所の誇る巨大望遠鏡(105㎝シュミットカメラ)も見学させていただき、その大きさに圧倒されました。
実習は「宇宙の年齢を求める」をテーマとし、まず被写体として自分をはじめとする様々な距離(巻き尺で距離を測定)にいる班員と測量用ポールとをカメラで撮影し、撮影画像からわかる視角と距離の関係式について学びました。その後、それを応用して銀河までの距離と、あらかじめ測定されている銀河の後退速度から、宇宙の年齢を求める実習を行いました。宇宙の年齢は、最終的には非常に単純な比の計算によって求めることができる事がわかりましたが、その単純な計算に到達するまでには、データを収集・分析・解析したり、論理的に前提条件を定めたりする必要があり、非常に活発な議論が夜遅くまで交わされました。
発表会では、各グループの熱論の成果を、模式図やデータなどを用いて発表しました。グループごとに結論までのプロセスや理論は様々でしたが、どのグループも143億年~234億年の間に入る値が求まりました。講師の先生方やTAの方々に親切な助言をいただきながら過ごした2日間は、グループ毎に議論を尽くす等、普段の授業ではできない体験ができ、非常に有意義なものとなりました。
<生徒感想>
・宇宙の年齢を求めていく過程で新しい知識を得ることができた。夜には綺麗な星空を見ることができてとても楽しかった。
・時間が限られていて、発表までもっていくのは大変だったけど班の中でたくさん話し合いをしたり、発表でもたくさんの意見や質問で深める事ができて楽しかった。
・議論がとても面白く、自分に無い考えを知りまた、自分の考えが整理された。実習内容も非常に面白く、充実した二日間を過ごすことができた。
<SS探究研究発表会と台湾とのオンライン交流会>報告
実施日時 7月17日(水)
実施会場 屋代高校
参加生徒 3年 普通科
オンライン交流校 嘉義女子高級中学
内 容
【英語による研究発表会】
2年次までに各グループで行った課題探究の成果を英訳して発表を行いました。発表会は司会進行を生徒が行い、運営しました。また、聴衆となった生徒たちからも積極的な質問が上がるなど活発なディスカッションが行われました。
【台湾の高校生とのオンライン交流会】
同時並行で、本校の6グループが台湾の高校生とオンラインで探究成果を発表しあう交流会を行いました。相手校も6グループが集まり、それぞれの発表を聞き、質疑応答を行いました。
<生徒感想>
・「英語で発表することで普段の発表とは異なって、より一層内容に気配ることができた」
・「貴重な経験だった」
・「相手校のアイデアや発想に興味がわいた」
・「発表時間が5分と短く、もう少し長い方が充実して内容を伝えられたと思う」
<令和6年度SSH北陸新幹線サミット>報告
実施日時 6月22日(土)
実施会場 長野県上田高等学校
講 師 瀧澤郁雄 先生「高校生に伝えたい国際協力」
本校参加者 発表生徒2名
内 容
本校からは2名が参加し、第三分科会(教育格差・貧困などの国内外の課題に対し行動する)にて「子供たちの科学への興味と関心を引き出すには」というテーマで発表を行いました。
内容は、日本における理系進学者が諸外国に比べて著しく低いことが、幼少期の体験不足にあると考え探究を進めたものです。実際に企画した2回の科学教室、そのアンケート結果とともに、科学への興味を引き出す方法に関して考察を行いました。
<実施所感>
各分会に分かれてのディスカッションは、理系進学者を上げる方法について他校の生徒と考えを共有しました。最終的には文系と理系とは何かという問いも生まれてきました。同分科会で当日発表・議論を行った中に、アニマルウェルフェア・国際協力の在り方・化粧文化についてなどの幅広いトピックがあり、良い刺激になりました。
<生徒感想>
・自分たちの考えるより良い社会を実現するために、プランの改善点などを高校生たちがみんなで考えることができるのが良かった。
・自分たちが探究してきたテーマについて様々な人と意見を交換し合う貴重な機会をありがとうございました。
<課題研究テーマ相談会(運営指導委員会にて)>報告
実施日時 6月11日(火)
実施会場 多目的教室
参加生徒 高校2年理数科
講 師 運営指導委員の先生方
(同窓会長、教育委員会高校課の先生、信州大学工学部、教育学部、繊維学部の先生、長野県立大学大学院の先生、長野電子工業株式会社技術部長など)
内 容
昨年度まで運営指導委員会終了後の自由に校内の授業参観していただく時間となっていたが、研究において専門家の方々が多いので、今年度からは2年7組課題研究のテーマ設定へのアドバイスをいただく時間としました。生徒達のテーマ紹介では各グループが2分以内でスライド発表し、その後、各グループがブースに運営指導委員の先生方が訪問する形式で活発にアドバイスをいただきました。
<講師の先生より>
いろいろなテーマ案があってとても楽しかった。研究成果を見るのが楽しみだ。
<生徒感想>
・研究の方針を決めるうえでとても参考になったため、来年以降も続けて欲しい。
・いろんな分野の人に意見をいただいてとても今後の活動につながる良い機会になりました
・まだ、研究のしかたが曖昧な所があったのですが、アドバイスをしていただきやるべきことの優先順位を整理することができました。
・自分たちが考えていたアプローチとは違った視点を示していただき、その方が研究がより意味深いものになるかもしれないと気付けた。
・もう少し相談の時間を長くしてほしかった。
<科学の教室(理数科展)>報告
実施日時 6月29日(土)
実施会場 屋代高校理科実験室
参加生徒 高校1・2年理数科
実験内容 ・炭酸ジュース作り ・雪の花
・炎色反応 ・ケミカルライト
・カルメ焼き ・疑似火山 などなど
内 容
今年の鳩祭は、入場制限などは行われず、外部からの来客者が多く来校されました。科学の教室(理数科展)はその中の一つのイベントとして行われました。理科実験室にて満員の観客たちの前で、見せ方を工夫して様々な不思議現象をお見せして、驚いたり感心したりしてもらいました。何が起きているのか科学的な説明にも力を入れました。ここで楽しんだ子供たちが本校理数科を目指してくれると良いなぁと思います。
<生徒感想>高校生
・実験の内容を予定と違うものに変更したりなど、完璧な準備とはいえなかったが、できることを優先してなんとか本番を迎えられた感じだった。
・試行錯誤して色々な実験を行ったことが最も印象に残っています
・お客さんの中でも小学生の皆さんに楽しんでいただける実験をすることができた。家でも簡単にできる実験を発表することができたので科学にもっと親しみも持ってもらうチャンスができたと思う。
・理数科展を通して、実験への楽しさがさらに深まり、みんなと協力して準備を進めていくことができ、良い経験となりました。
<統計講演会>報告
実施日時 6月19日(水)
実施会場 屋代高校附属中学校(中学1年)屋代高校(高校1年) 屋代高校パソコン室(高校1年理数科)
講 師 小口祐一 教授 (茨城大学教育学部)
内 容
「ICTを活用した統計的探究-統計グラフコンクールの重要ポイント-」という演題でご講演いただきました。長野県統計グラフコンクールに出品することを目標として、PPDACサイクルについての解説を受けた後、具体的な問題でデータ分析の手法や仮説検定の考え方について教えていただきました。さらに、昨年度のコンクールの入賞作品を見ながら、各作品の優れている点を解説していただきました。統計グラフコンクール作品の雰囲気と応募への動機づけになるとともに、データをグラフ等に可視化することによって、調査結果の分析、論理的な考察が可能となることを学びました。
この後、理数科1年生はパソコンのエクセルを用いてSSDSE(教育用標準データセット)から箱ひげ図やヒストグラムを作成、分析する演習を行いました。膨大な数値ファイルから簡単に様々な種類のグラフを作成でき、生徒から感動の声があがりました。
<講師の先生より>
附属中学校生の皆さん、統計的探究のアイディアについて、興味をもって聞いていただき、ありがとうございました。これから、箱ひげ図や散布図など、どんどん使える統計手法が増えてきます。中学校・高校の学習を通して、分析の精度を高め、美しい統計グラフコンクールの作品をつくってください。
高校生の皆さん、統計的探究プロセスを遂行する力は、今後の国際社会においてとても重要になってきます。統計グラフコンクールのポイントを熱心に学んでいただき、ありがとうございました。高校生の作品は、ビッグデータを分析したものが増えてきました。表計算ソフトやアプリを活用して、グラフに表現することで新たな発見ができる作品をつくってください。
<生徒感想>高校生
・統計グラフコンクールに出品するにあたり有益な情報がたくさんあったのでアプリや情報をうまく使い作成したい。
・統計はあまり得意ではないが、基礎を知ることができた。ジオジェブラやe-Statなどを活用して、中学校の時よりも内容の濃いものを作りたい。
・過去の作品を見るのはとても参考になった。野菜の値段など、思ったより近くにも問題があることにきずいたので、見つけて調べてみたいと思った。
<生徒感想>中学生
・データを整理するこで見やすくなり内容を読み取りやすくすることができる事がわかった。データ活用についてもっと学んでいきたいと思った。
・統計グラフをつくるときの流れや、優秀作品のどのような点が良かったのかや、考察の仕方やグラフの読み取りかたがわかった。自分が知っているグラフ以外にもグラフがあることがわかったので、自分も活用してみたいと思う。
・優秀作品のグラフからの読み取りかたやテーマ設定が面白く、興味深いお話だった。今日聞いた内容も参考にして統計グラフをつくっていきたい。