科学リテラシーや総合的な学習等

「より良く伝える」技法を学ぶ~ 新聞スクラップ作品の学びから

 社会科では「より良く伝える」技法を学ぶことを目的に、夏休み前から取り組んできた「新聞スクラップ作品」が全員完成し、授業で発表会の機会を設けました。
 生徒たちは班別発表会→学級発表会→学年発表会 という3回の発表を通じ、「より良く伝える」ために必要な様々な工夫に気づくとともに、実社会への興味・関心をより広げることができました。
 学年発表会の最後には、信濃毎日新聞社読者センター長を務められる畑(はた)光一さんからのお話もお聞きしました。その中で「なぜ、君たちは学校で学ぶのだろう」という問いかけがありました。そして、畑さんは「知る→考える→行動する」と黒板に書いて下さいました。

 今回の学習で、調べたりまとめたり発表を聞いたりすることを通じて、生徒たちは「自分とは違う見方や考え方がある」ことに気付きました。また、友達の考え方やまとめ方を参考にしようと「刺激」を受けた人も多いでしょう。「視野を広げる」ということは、現実の社会事象を知ることだけではありません。内なる自分自身の見方や考え方を深めることは、自分以外の誰かと関わりあうことで初めて可能となります。そんな意味で、この学習を通じ生徒たちは「学校でしかできない」学びをすることが出来ました。

授業公開(科学リテラシー)

 8/29に授業公開がありました。3年生の科学リテラシーの授業ではどのような学習をしているのかと、関心をお持ちになられた参観者の皆さまも多かったようです。現在3年生では、卒業研究として一人ひとりが研究課題を設定し、その追究に取り組んでいます。

 今回は、その中間発表を行いました。夏休み中に資料集め等の活動を始めたものの、現時点ではまだあまり研究が深まっていない段階です。中間発表をすることで、互いの感想や意見を聞く機会を得て、今後の追究の仕方や課題解決法の糸口が見えてきた生徒もいたことでしょう。

授業公開(英語プレゼンテーション)

 8月29日(土)に授業公開を行いました。今年最後の授業公開ということもあり、多くの方に授業の様子を見ていただきました。ありがとうございました。
 2学年では、3時間目にAB合同で英語の授業を行いました。イングリッシュキャンプで学習したことをさらに発展させ、グループ毎に各国の様子を英語で発表し、英語で質問する難しさや楽しさを感じている姿を見ていただけたかと思います。

 今後の英語の授業では、英語で発表したり、意見を述べたりする場面が多くなっていきますので、英語力やプレゼンテーション能力を一層伸ばすことを目指していきます。

イングリッシュキャンプ

オリエンテーリングプレゼンテーション

 2年生は、7/29(水)・30(木)に、国立妙高青少年自然の家でイングリッシュキャンプを行いました。いろいろな国の講師の方と交流しながら、「英語と親しみ、英語を使う」二日間を過ごしました。

1日目は英語のクイズに答えながらのオリエンテーションや、キャンプファイヤーを行いました。2日目は、それぞれの講師の出身国についての紹介を、英語でプレゼンテーションしました。
これらの活動を通して、英語を学ぶことはもちろん、異文化について知ったり、自分たちの考えを英語で伝えたりすることで、日ごろの英語学習への意欲が湧いた生徒も多かったようです。

Catch Your Dream

 2学年では、夏期補習期間中の7/27に、「公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本」と「アクセンチュア(株)」のご協力により、キャリアプランニングの学習の1つである”Catch Your Dream”を行いました。 プログラムは、①「見つめよう、自分の価値観(個人ワーク)」、②「インタビューwith大人」、③「インタビューwithみんな」④「作ろう『じぶん計画』(個人ワーク、後グループ内で共有)」の全4ステップから構成されており、今の自分自身を見つめながら次第に未来の自分に思いをはせ、夢の実現に向けて具体的な計画を立てることが目標です。プログラムを進める中で、アクセンチュアの皆さんからは、自分の中学生の時の様子や、その時に考えていたことがどのように職業選択につながっていくのか等、詳しくお聞きできました。

<生徒の感想>
「夢」について、今まであまり深く考えたことがなかったが、この「Catch Your Dream」をやったことによって、自分の将来のことを考えることができた。自分と向き合う、誰かに聞いてみる、ということが、とても大切だということがよくわかった。『じぶん計画』を立てていると、自分は将来どんな大人になっているのかなと、とても楽しみになってきた。この後、職場体験学習もあるので、今回のことも頭に入れながら、少しずつ将来のことも考えながら生活していきたい。

若者タウンミーティング開催

  8月26日(水)、長野県主催の「若者タウンミーティング」が本校で行われました。「50年後の長野県を見こしたアイデアを考えよう」をメインテーマに、3年生計16チームが阿部長野県知事に対し具体的提案を行い、住みたい街を目指した政策について、意見交換をしました。

 提案内容は以下の通りです。

テーマ

提案内容

医療改革

都市部と地方の姉妹病院制度 県内医療機関医師への補助金 歩数計配布

医療

医学部・看護学部学費を県が負担 条件として卒業後長野県指定場所へ勤務

育児支援計画

子育て休暇義務化 子育て支援金 認定こども園を増やす

子どもを増やせっ!

ながの貯金(税金より1日1円) 出産ごとの補助金増額

日本が世界に挑戦

交通網を発達させ企業誘致 農地バンクやブランド化より農業活性化

海外

インターナショナルスクール 一校一国運動 交通網整備 外国人の働きやすい職場づくり

長野の自然を守る

「人が自然の一部である県」絶滅をふせぐ 野生動物遭遇時「知る」活動を

農業

近郊工業の利点 生産量の高い野菜の増産 新規移転者受け入れ税収増を

伝統

おやきなど伝統を発信する企業をつくる 企業の雇用増により人口流出を防ぐ

住みやすい街・長野

新幹線(長野~名古屋)開通 遊園地・ショッピングプラザ建設 道路拡張

来たれ 若者

県内大学増設 交通網の整備(小型バスの利用) アパートの家賃を下げる

長野のお財布を豊かに!

川中島等歴史をモチーフにしたイベント・ゲーム お祭りで盛り上げる

人口・倍増計画

空き家を減らす IT企業を長野へ 移住者に支援金を 農業機械の貸し出し

Welcome to nagano

夏フェスの開催 大河ドラマツアー お見合いイベント開催

人口減少に適した街づくり

長野県を5つに分ける市町村合併を大々的に行う 空いた地域を自然に還す

「長野」流出を流入へ

空き家バンク ふるさと納税 交通網整備


生徒の感想<生活記録から>

今日は、阿部知事とタウンミーティングを行いました。それぞれのグループがパワーポイントやポスターを使い、発表しました。発表を聞いて、なるほど、そういう制度があったら良いかもというものがいくつかありました。阿部知事の意見も聞け、充実したタウンミーティングになったと思います。阿部知事の話を聞いていて、「地消地産」という言葉が印象に残りました。今までのように人口が増えているわけではないので、発想をかえていかなくてはならない、とのことでした。人口が減少していく中、社会を担っていくのは私たちです。タウンミーティングで発表したことを実現できたらいいなと思います。

タウンミーティングがありました。今まで準備してきたプレゼンをし、知事と意見交換したり、長野県について考えたりした2時間でした。私は将来どうなるか分かりませんが、きっと長野を離れると思います。でも、今日のタウンミーティングで、就職のときはなるべく帰ってこられると良いなと思いました。良い会になったと思います。

地域創生について考える

 阿部知事が、『地方創生』について中学生と語り合う機会を持ちたいとのことで、屋代高等学校附属中学校にその依頼がありました。
 知事との対話は8月末に予定されていますが、事前に何度か中学生だけで、考えたり話し合ったりするワークを重ねていくことになりました。現段階では『地方創生』と言っても、どんな事例があるのかや、現実的にはどんなことができそうかということについては、あまり知識がないかも知れません。
 そこで先ず、「あなたにとっての“自分の地域”とは?」「理想の“地域”のキャッチフレーズは? どうしたら理想の地域になると考えますか?」というテーマで、グループ毎に話し合う機会を持ちました。
 多くのグループから、「店が少ない」「(子ども)人口が少ない」「生活が不便」などのデメリットが挙げられたのと同時に、「自然が多い」というメリットも挙げられました。これらは表裏一体のもので、ひとつのことを改善しようとすると、その裏側にあるものが損なわれてしまうこともありそうです。そこを上手く改善したり、活性化させられたりする方法を、私達の話し合いの中で見出していくことができるでしょうか。

~キャッチフレーズの例~
○目指せ渋谷!!~あの頃の若さを取り戻せ~
○自然LLサイズ!○子どもを増やそう~Two Children 若さ輝く未来へ~
○便利な田舎
○“ちょうどいい街”                  

~ワークをしてみての感想~
  • 地域ごとに様々な悩みがあるんだなと思った。全体的に見て、「自然」「店」「人口」がキーワードになる感じだと思う。
  • 自分の住む地域について考えることはあまりありませんでしたが、普段楽しく生活できるのは、良い点だと思いました。また(地域に対しての)不満というのは少し自分中心の意見が多くなってしまいました。
  • 何がしたいかはすぐに思いついたけれど、それをどうしたら達成できるかは考えるのに時間がかかった。自分の利益をマイナスの現象を起こさずに得るのは難しいことだと思った。自分の考えとは違う、地域のOKとNGをシェアできた。OKな所が、逆にNGだったりといろいろあった。

姨捨棚田体験学習(田植え)

 6/2(月)、中学2年生全員の参加により、姨捨棚田体験学習を実施しました。今回は「田植え」で、棚田保存会である名月会の方のご指導のもと、A・B合わせて3枚の棚田に、稲の苗を植えました。当日は朝まで雨が降っていましが、現地では雲こそ多かったものの、却って爽やかな高原の涼風も感じられる中で活動することができました。普段はなかなか経験できない「どろんこ」に「素足」で踏み入れ、苗を植える目安となる縄が直線上に張られると、我先に苗を一本一本植えていく姿が見られ、田植えはあっという間に終わりました。

 作業中には、田んぼの中の様々な生物とも出会えました。カエルやアメンボはもとより、イモリやタニシもいました。私が子どもの頃は、田んぼと言えばカブトエビやタガメ、ゲンゴロウなどといった水生昆虫の宝庫でした。最近は農薬や外来生物などのせいなのか、これらの生物はほとんど見られなくなっています。名月会の方のお話にあったように、水田というのは単なる米の生産だけでなく、地域の生活や自然を守る役割があるのだと実感しました。また、「『米』という漢字は『八十八』と分割することができる。これは米を育てるのに、88の手間がかかるからだ。」といわれることがあります。これはお米が私たちの口に入るまでに、かなり大変な手間が必要であることのたとえの一つだと思いますが、私たち2年生が行った作業は、いわば「88分の1」にしか過ぎません。そして、もう一つの「稲刈り」を除く残りの86の手間を思いやると、日々食べているものへの感謝・畏敬の気持ちが生まれてくるような気がします。普段何気なく使っている「いただきます」という食事前の挨拶も、これからは意味深い一言になるのではないでしょうか。まして、棚田というのは大型機械を使うこともできず、一つ一つの作業が人の手による大変なものになります。さらに、それを地域の文化遺産として残すため、努力や工夫をしている方々への思いというのも、今回の体験を通してより身近に、そして実感として味わうことができたのではないでしょうか。

大先輩のお話を聞く会

 5/23(土)の授業公開では、多くの保護者の皆様のご協力のおかげで、充実した活動を行うことができました。この日までに、生徒はインタビューの練習をしたり、質問内容を明確にしたりと準備を進めてきました。また一人一人が、自分自身の「14歳の問い」を抱き、事前に身の周りの人に仕事について質問したり、現場で働く人のビデオを見たりしながら、仕事に対する考えを深めてきました。
 今回の「大先輩のお話を聞く会」を通して、生徒は仕事に対する意識を高め、今後大切にしていかなければならないことに気付くことができました。これからの学校生活の中で、社会に求められている力を身につけてほしいと思います。
 今後は、希望する職場のエントリーシートに、職場体験に向けての決意を記入し、学年職員との面接などを通して職場決定をしていきます。各自の職場体験の目的が明確になるように、今後の学習を進めていく予定です。

仕事について考える

0514-1 「キャリアプランニング」の学習の一環として、5月の連休中には、2年生一人ひとりに「職業インタビュー」の課題がありました。そこでは自分のお家の方を中心として、既に「仕事」に携わっている方へのインタビューを通して、その職に就いた理由や やりがい、また逆に大変なこと、中学生へのアドバイスなど、実際に働いている方の声を聞きました。
 そして5/11(月)の総合的な学習の時間では、クラスや班の中でお互いの情報を共有する時間を設けました。
 
 職業に関する情報は、現代ではいろいろなツール(特にインターネットやホームページ)から手に入れることができます。実際に5/12(火)の授業では、それらを取り上げたテレビ番組を視聴し、様々な職業(今回は「宇宙開発技術者」「ウェブデザイナー」「診療所勤務医」の三つ)に就いている人の考えに触れ、意見交換をしました。「自分が知らないことについて調べ、学ぶ」ときには、この「人から直接聞く」ことと「メディアなどを通して間接的に聞く」ことの両方が必要です。そして、今回の連休の課題のような「自分の身近な人」から「直接」聞き取った声というのは、当然それを手に入れるまでの手間暇はかかりますが、より「自分の問題」として「真に迫る」ものです。場合によっては「相手があなただからこそ話せる」という情報があるかもしれません。事実、私が見ていたある班の発表中に「大きな声では言えませんが…」と前置きされた情報がありました。また、形には残っていないものの中には、「自分から問い返してより詳しい内容を話してもらえた」ということもあったのではないでしょうか。このように、「自分から求め、自分の力で直接何かから学ぶ」という学習は、大変ですが得るものも大きいのです。さらにそこへ「自分の体験を通して」ということが加われば、それは「実感」を伴った「発見・気づき」になります。9月に実施する「職業体験学習」も、「直接、自分の体験を通して、自分の将来について学び、考える」ことに意義があります。この学習を有意義なものとするためにも、これからの様々な学習に自ら考えながら臨んでいきたいものです

科学リテラシー始まる


 科学リテラシーの授業が始まり、図書館オリエンテーションが行われました。司書の青木先生からは、ネット検索について、「国立国会図書館リサーチ・ナビ」「CiNii(サイニィ)論文検索」「総務省統計局データ」など、信頼できるサイトについて教えていただきました。
 2年生の科学リテラシーでは、ディベートの学習を行う予定です。ディベートとは、
ひとつのテーマに対し、2チームの話し手が肯定する立場と否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の優位性を聞き手に理解してもらう事を意図したうえで、客観的な証拠資料に基づいて自身の考えを論じていくものです。相手を言い負かすのではなく、第三者を理論的に説得することが目的のコミュニケーションの形態です。ぜひ日ごろから、より確かな資料を基にわかりやすく話すことを心がけていきましょう。

県立歴史館での学習を振り返る

   地域探索では、県立歴史館の福島正樹先生から、企画展「山と海の廻廊を行く~信濃と北陸をつなぐ道」について詳細な解説をして頂きました。東日本と西日本は、新幹線ができる1000年以上前から3つの道「東海道」・「北陸道」・「東山道(のちに中山道)」でつながっていて、それらはすべて長野県やその周辺を通過しているんですよ。長野県は日本の東と西を結ぶとても重要な場所なんです。・・・

 学校では

★「境」
長野は東日本と西日本との境であり、5つあるJRのうちの3つが長野県を通っていたり、60Hzと50Hzの電力の境があったりと、長野県は地質、文化、経済において東西を分ける境目である。

★「交流」
糸魚川でしか取れないヒスイが塩尻で見つかったり、長野の赤色の土器が北陸で見つかる一方で、北陸にしかない白い土でつくられた土器が長野で見つかったり、海がない長野でシュモクザメの絵が描かれた器やサケの背骨の耳飾りが見つかったりしたことなどから、長野は大昔から北陸と深く交流していたことがうかがえる。
★「受信・発信」
長野の土器の模様や形が北陸に伝わったのち、北陸の土器の形が長野に持ち込まれたことなどから、文化や技術はずっと発信する側、ずっと受信する側であることはあり得ないことがわかる。情報を発信する側と受信する側の立場は、逆転することがある。
★「つなぐ」
長野には北陸道と東海道を結ぶ「道と道をつなぐ道」が通っていて、屋代はそうした道をつなぐ「つながりの地域」だった。道の途中には駅家(うまや)と呼ばれる休憩や馬の乗り継ぎをする場所があった。今は新幹線で長野は北陸とつながったが、何千年も前から北陸と道でつながっていた。

 などと学習を振り返る中で、生徒たちは古来から長野県と北陸地方には密接なつながりがあったことを改めて確認しました。