ディベート学習

 11月に入ってから、2学年の「科学リテラシー」では、実践を通してディベートを学んでいます。ディベートとは、どんなものなのでしょう。まず、肯定側と否定側に分かれ、それぞれの主張を展開します(立論)。その後、相手側から質疑を受け、次に相手の主張の根拠を上回れるように主張を展開します(反駁)。これを肯定側、反対側それぞれが2回繰り広げ、ジャッジとなります。立論や反駁の主張の仕方にもルールがあり、それに従って進めて行きます。授業では、学校生活の中からテーマが与えられ、1つのテーマについて9~10人が肯定側と否定側に分かれ、必要なデータ等を調べ、作戦を練っています。今後どんな主張が展開されるのでしょうか。
「きちんとした話し合いの訓練を」
 普段、友だち同士で気軽におしゃべりをすることはあっても、少し真面目な話とか真剣な話などを時間をかけてきちんとする機会というのは案外少ないのではないでしょうか。これは、話し合いの技術というか、きちんとした話をする訓練が足りないせいなのかも知れません。
 「おしゃべり」と違って、真剣な話し合いというのは、相手の話を聞いているようでいて、実は相手の話の中に自分が共感できる部分だけを聞いているそうです。逆に、共感できない部分は「どうもおかしい」と感じているらしいのです。つまり、相手の話をそのまま受け取るのではなく、いつでも自分が相手の話を取捨選択しているということです。
 相手の話をありのままに聞く、というのは実に難しいことです。大抵の人は自分が納得していることを聞いています。しかし、これでは今までとは違う新しい考え方とか自分と立場の違う人の気持ちなどが分からないままになりますから、少しも進歩しません。自分の成長に必要なのは、実は自分と違った考え方とか自分が気付かずにいたことなのです。
 最後まで相手の話に賛成しないのがディベートの基本ですが、そのためには相手の話をありのままに聞き取らなくてはなりません。そこが、真面目な話し合いをする訓練になるはずです。