学校設定科目
 本校では科学的な能力の育成のために、下記のように学校設定科目を設置しています。
 数学・理科で学習する分野に関して、体験学習や追求型の授業、外部連携授業等を取り入れることにより、興味・関心を増し、科学的な探究心・創造性を育成し、課題を追求し解決できる能力を養うとともに、自ら発信ができる能力の育成を図っています。
一人一研究・一人一研究α
(1単位)1学年全体で実施                                              
  1学年全員対象の「一人一研究」は,SSHプログラムの柱となり総合力向上を目指します。一人ひとりが自由にテーマを設定して情報収集し,研究・観察をします。情報スキル養成講座で表グラフ作成を学び、全員が研究に取組んで、まとめ・発表を経験し,文系理系を問わずプレゼンテーション能力を育成します。研究テーマは様々ですが,日常の興味関心を抱いた内容が多い状況です。中学からの一貫生は、科学リテラシーの学びに立つため、「一人一研究α」としています。クラス発表会・全体発表会を通して、お互いの発表を聴き交流することでさらに環境や科学に興味や関心が高まっています。
バイオサイエンス
(1単位) 1学年理数科,一部は1学年全クラスを対象          
   サイエンスラボでは、長野県教育センターで春と秋2日間で「電子顕微鏡操作と試料観察」「組織培養技術」等4種研修します。工学系領域も含み幅広く、キャリア教育にもつながります。
 大腸菌形質転換実験は例年12月頃に理数生物・生物基礎の授業で実施しています。大腸菌にオワンクラゲの遺伝子GFPの導入実験を1学年全員が体験し、遺伝子操作及びその留意点についても学習します。文系生徒であっても貴重な経験となります。
 連携講義では、東京薬科大学生命科学部教授山岸昭彦氏から「DNAからわかる進化と宇宙での生命探し」の講義を受け、遺伝子工学の概要・生命体をつくる物質等、生物授業の延長線上の専門的展開をお話しいただきます。
ジオサイエンス
(1単位) 1学年理数科  (野外観察実習 普通科1学年)                                    
 野外観察実習として戸隠化石博物館にて1日,化石採集などのフィールドワークやクリーニング等の講義を受ます。実際に試料を採取して処理をするという一連の行程が,生徒たちの研究へ取り組む姿勢の向上につながります。普通科は同じ日にクラス別で八島高層湿原や志賀高原をインストラクターによる指導で実習(野外観察実習)を行います。
 連携講義では信州大学名誉教授塚原弘昭氏による「姨捨棚田の成因と長野盆地をつくった大活断層」、同大学教授大塚勉氏による「地球の歴史と人類社会」など地学系内容で実施しています。長野の地質について深まります。
 なお、一部附属中学生対象の講義も開設しており、中学生にとっても幸いな機会となります。
アカデミックサイエンス

(1単位)2年理数科                                                 
 物理・化学・数学分野での高大連携講義や工場見学、実験実習を行っています。
 学校授業の延長で、化学分野の実際やエネルギー・環境問題の意識を高めるため、明星セメント工場見学、フォッサマグナミュージアム見学、糸魚川~静岡構造線の露頭観察等の実習も行っています。明星セメントでは、産業廃棄物最終処分場としてのセメント工場の有り様が学習できます。
 信州大学工学部研究室訪問は理数科に加え普通科からも多数参加があり、大学の研究室でどのような研究が行われているのか一日体験します。
 連携講義や実験実習では、「授業内容の基本的事項の理解」をもとに、「少々発展的な最先端の科学技術の内容(電池・フラーレンの化学、地球温暖化等)」を学びます。グループごとの協働的な場面が多くなり、互いに考え推測し・ディスカッションする展開も増えます。人の話を聴く姿勢やグループでまとめる力,発表や質問に答える力など総合力が必要となります。複数分野・科目を超えて幅広く学習でき、課題研究への効果も期待されます。最先端科学の内容を含めることで興味・関心が向上する内容です。
 連携講座と同時に、附属中生向けの特別講義を実施して,中学生の科学への興味関心も高めています。


 

グローバルサイエンス
(1単位)3年理数科
 国際性の育成を充実させるため科学英語の連携講義を実施しています。研究成果を英語等でまとめさせるなど2年次の「課題研究」を3年次で継続させています。外国人講師による授業では「Mathematical Functions used in Science」など科学論文を読み書きする際に必要な科学用語を事前に学習します。
 信大工学部教授デービッド・アサノ氏により授業中の会話はすべて英語でコミュニケーションが取れるよう工夫しています。ここでは、高校数学で用いる数式の英語表現からはじめ、高校数学の基本を英語で学び直すことに新鮮さを覚え、興味関心を持つ生徒や学術用語を知る機会となり良かったと答える生徒もいて,興味・関心を持って取り組んでいます。
 なお、2学年からの課題研究は、その要旨を英文化し、題研究報告集に掲載されています。この経験は将来研究論文を書く際に有益であると考えています。
課題研究(理数科)、課題探究(普通科)
(2単位)2年理数科  (1単位) 2年普通科                                                        
  2学年理数科・普通科では「一人一研究」学習を活かす形で、自ら研究テーマを設定し、学問的探究の方法や問題解決の能力を身につけることを目的として、この取組を実施しています。理数科の課題研究は長い実績を持ち、研究テーマは物理・化学他理科分野~数学分野までテーマが広がっています。グループごと分かれ担当教諭の指導のもと金曜日の6時限の他,放課後や休日を利用して実験,観察がなされます。研究の成果は、科学コンテストや学会などに積極的に応募・発表し高く評価されてきました。一方、普通科の課題探究はH29年度より新たなSSHプログラムとして取組が始まりました。理数科のような実績はありませんが、グループとなった生徒のテーマごと職員が互いに連携し生徒の助言等にあたります。
 両者とも課題を設定し、その解決にあたる取組の過程を通して、協働的学習がなされ目的とする力が培われることが期待されます。

データサイエンス

(1単位)1学年全員

令和3年度より、データ処理能力の育成や、AI分野の学習を目的に設置されました。統計教育を柱にしながら、具体的なデータをパソコンを使ってまとめていくことを通して、一人一研究、課題探究、課題研究で必要となる統計的データ処理能力を育成するします。また、情報リテラシー教育として、Word,Excel,PowerPointなどの活用や実習を行う他、AI分野の内容にも触れます。具体的には「RESAS」や「e-Stat」などのビッグデータを用いた探究活動を中心に、外部講師による実習等を行い、統計データの分析法の基本を学んだり、統計グラフコンクールや、統計データ分析コンペティション等のコンテストへも参加します。

 

国際情報

(1単位)1学年全員

令和3年度より、国際性の育成を目的に新たに設置されました。国際的な課題について、自分の説明に必要な資料を収集し、それをもとにディベートを実施することを通して、論理的思考力、批判的思考力を育成するとともに、英語によるコミュニケーション能力を向上させます。また、SDGsの視点からグローバルな課題に目を向け、新たな課題を見出す力を養い、タブブレット端末を用いたプレゼンテーション能力の育成にも力を入れます。さたに、海外校とのオンラン交流などICTを活用した取組も実施し、情報リテラシーの習得を目指しなら、国際性の育成を図ります。